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    藤 夜

    成人⬆️基本は夏五!書くのは夏五!!ほのぼのいちゃいちゃを日々妄想中^ ^

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    藤 夜

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    夏五
    教師×教師の平和軸
    pixiv掲載の『巡る季節 巡る想い』から3月をお届けします^^
    悠仁視点の卒業式ネタ

    #夏五
    GeGo

    【弥生】 近接戦闘訓練が終わる頃には、春とは名ばかりの身を切るような冷たさも、いつの間に感じなくなる。けれど、俺たち生徒は汗だくの前に息も絶え絶えだ。それに比べて、夏油先生は余裕の笑みを浮かべて、様子を見にきた五条先生と談笑している。けれど、俺たち生徒は汗だくの前に息も絶え絶えだ。それに比べて、夏油先生は余裕の笑みを浮かべて、様子を見にきた五条先生と談笑している。
      カッコよすぎない?
      スポーツ万能、当然頭の回りも早くて、引き締まった体に顔もいい。
      モテるだろーな、先生。
      そー言えば、卒業のシーズンだし。
    「夏油先生って、卒業式に学ランのボタン全部失くなってたタイプじゃない」
      思っていたことがそのまま口をついて出ていたらしい。
     目前で冷たさが残る春風が長い黒髪を揺らして通り過ぎていった。火照った体には心地いいぐらいだ。
    「うーん、まあ気がついたらね」
      やっぱり。予想通りの答えを、困ったような笑いを浮かべて口にした夏油先生に、そーですよね!  っと勢いよく返事をしようとしたところで、横から割り込んできたのは。
    「そーなんだよね、全部なかったらしいよ」
    「何で五条先生が返事してるよの」
      すかさず横から釘崎が、突っ込みを入れた。
    「僕も呪専生のころに同じこと、訊いたからねー」
     なぜか不機嫌そうになった五条先生が、夏油先生の肩に腕と顎を乗せ、もたれ掛かるように
    「ねー、傑」
     と小首を傾げて、唇を尖らせた。
    「五条先生だって、全部なくなるタイプじゃん」
    「僕は中学、行ってないからね」
    「あっ、そっか」
    「いや、中学三年間同級生だったら、五条先生は普通になくならないタイプだろ。いいのは顔と頭と運動神経だけ」
      伏黒がイヤそうな顔で嘯いた。
    「えっ、それだけ良ければ、完璧じゃね」
    「肝心の性格がアレだぞ」
    「私、絶対イヤ」
     ひど過ぎねってぐらいの声の響きに、フォローを入れる前に、本人からイジけた突っ込みが入った。
    「大切な恩師に酷いな」
      くっついたままの五条先生を気にすることもなく、夏油先生がくすりと笑いを溢した。離れる気がない方も、離す気がない方も、見慣れたオレたちも、日常になった距離感に、誰も突っ込む人はいない。
    「それで五条先生は不機嫌そうなんすね」
     何だかんだて負けず嫌いだし、親友に水を開けられて、悔しかったのだろう。
    「何が」
    「夏油先生よりモテなかったってコト」
    「そこは突っ込まない方がいい、どうせ」
     伏黒のげんなりした表情に、機嫌を良くした五条先生が、陽光にも勝ちそうなきらきらとした笑顔で言い返した。
    「僕だって、出会う前の中学時代のコトまでとやかく言わないよ」
    「えっ、どーいう、って、そーいうコト?」
    「妬いてくれるのも嬉しいけどね」
     すぐ横にある顔に近付けて、視線を絡めながら、ふふっとご機嫌な夏油先生に、うきうきとふたりとも愉しそうだ。
    「虎杖、残念ながら、夏油さんも、五条さんと似たようなモンだから。この手の話題は、振るだけ、オレらは傍迷惑なだけだ」
     小さい頃よりふたりの知り合いらしい伏黒は、すでにげんなりと不服そうで、先生呼びですらなくなっていた。
    「だから、呪専時代に傑のポンタ、貰ったしぃ」
    「悟のボタンも貰ったね」
    「「えっっ」」
     野薔薇と驚きの声と視線が合わさり、疑問も持ち上がる。
    「「それって、一緒じゃない……。」」
     素朴な疑問が湧き上がったところで、ユニゾンで返事をされた。
    「傑のボタンだしー」
    「悟のボタンだからね」
     ふたりの周りだけ、春爛漫、花々が咲き乱れるような雰囲気に包まれて、仲良しだなあーと笑ってしまった。
    「なんか、ふたりの世界って感じだな」
     隣の伏黒を振り返ったら、苦虫を潰したような顔で首を振られた。
    「ふたりの世界だけど、アレ、わかってやってるからタチ悪いんだよ。だからほっとけって言うんだ」
    「えっ」
    「俺らの手に負える相手じゃないのに、あーやって自分のものだって言いたいんだよ。まあ、手に負えたところで願い下げだけどな」
     呆れたようにため息をついた伏黒の視線の先は、相変わらずひと足早い春の盛りのようだ。視線を上げれば校舎の裏に広がる山々も春の気配が漂い始めている。
    「春だなあ」
    「先生たちは年中な」
     額を寄せ合うようにくすくすと喋っていた五条先生は、俺の方に向けた顔が、先生に戻っていた。
    「違うよ。僕たちは冬が明けて、やっと春が訪れたんだから」

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    藤 夜

    DONE生徒たちのクリスマス会からの、ふたりだけで、一緒に過ごす、しあわせな時間。
    離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)
    キヨシキョシ 悟視点 
    【雪が融けるまで725秒】にあわせて支部に掲載したお話より再掲
    ◆五◆ 好き クリスマスケーキにシャンメリー、ケンタのチキンをメインにデリバリーのデリカが所狭しと並んでいる。悠仁と恵が飾り付けたのか、壁や天井に星を始めとした色とりどりのポップな装飾がなされ、楽しげな雰囲気満載だ。
    「先生も食べていけばいいのに」
     当然だと言わんばかりに声を掛けてくれるのは優しい悠仁ならではで、当然嬉しくもあるけれど、それはそれで少々困る時もある。
    「こういうのは学生だけの方が盛り上がるよ、ね、憂太」
    「ええっと、でも先生も」
    「気を遣うことないって。どうせこいつはさっさと帰りたいだけだろ」
     同じく優しさの塊と言いたいところではあるけれど言い切れない乙骨が、助けを乞うように視線を向け小首を傾げて微笑むと、隣にいた真希に、冷ややかな視線と共にばっさりと切り捨てられた。それでも目の奥が笑っているので、僕たちふたりの様子を見慣れた彼女たちは、またかと呆れているだけだろう。憂太に頷いて貰う前に角が立つことなく帰れるからいいけれど。
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    藤 夜

    DONE離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)
    教師if 伏黒視点 
    例年別々に過ごすイブを、珍しく伏黒姉弟と一緒にケーキ作りをする夏五のお話
    【雪が融けるまで725秒】にあわせて支部に掲載したお話より再掲
    ◆三◆ スカイブルー「それじゃ、僕と一緒に恵たちとケーキ作ろうぜ」
     故あって保護者の真似事のようなことをしている姉妹が私にはいて、毎年クリスマスには彼女たちと一緒にケーキを作ってささやかなクリスマス会をし、サンタクロースの真似事をしていた。それが今年は、
    「私たちだけで作ったケーキを夏油様に食べて貰いたいから準備ができるまで他所のお家で遊んできて」
     と言われてしまった。成長が喜ばしくもあり、寂しくもあり、ならば非常勤として働いている高専で事務仕事を片付けようと思っていた所に、悟に声を掛けられた。
     彼にも保護者と言うより後見人として面倒を見ている姉弟がいる。こちらはクリスマスに一緒にいても鋭い目つきで邪険にされるそうだが、それは表面上だけで、それなりに楽しんでくれているみたいだから、と毎年ケーキやらプレゼントやらを携えていそいそと出掛けていく。紆余曲折があった上でクリスマスは一緒に過ごしたい間柄になったにも関わらず、優先すべき相手がいることに互いに不満を言うことはない。私はそんな悟だからこそ大切だし、悟だって私のことは承知している。それでも世の浮かれたカップルを見れば羨ましくなるのは当然で、イブじゃなくてクリスマスに一緒に過ごすようになった。
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    藤 夜

    DONE離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)
    教師×教師 虎杖視点 
    クリスマスプレゼントにまつわる惚気のひと幕

    【雪が融けるまで725秒】の開催、おめでとうございます&ありがとうございます♪
    ひと足先にサンプルがわりに第1話を掲載します^^
    ◆一◆ 久遠「しょうがない、伏黒が迎えに来るまではここで寝てなよ」
     そう言って家入は空いているベッドを指差した。申し訳なさに仕事は、と問えば、
    「仕事納めはまだ先だから、私のことは気にしなくてもいいよ」
     積み上がった書類の奥で目元を細めて頷かれた。閉じたカーテンの向こう側にあるベッドに寝転ぶと、冷えたシーツが火照った肌に心地よく、横たわれば楽になった体に、疲れていたのだと実感した。
     クリスマス明け、最後の任務に出掛けたところでやけに暑いと感じたら、伏黒に思いっきりどやされた。どうやら珍しく風邪を引いたらしい。ただ、風邪なのか、呪霊に中てられたのか、イマイチ判断がつきかねるからと、怒鳴った伏黒に連れられてやってきた医務室で様子見と相成った。まあ、伏黒が俺の代わりにまとめて報告書を作成して、提出してくるまでの間、寝て待っていろ。と言うのが正しいのだろう。年末だから年内に提出しとけって言うなら、こんな年の瀬に駆り出さなくてもと思わなくもないけれど、年の瀬だからこそ、刈り取れる危険は摘んでおけと言う理屈も当然理解はできる。猶予があるからとクリスマスに予定を入れられなかっただけで、御の字なのだろう。
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