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    yu_kiao_i_lxh

    @yu_kiao_i_lxh

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    yu_kiao_i_lxh

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    うー(@55wu55)様のナタムゲ本をようやく開封し、拝見いたしました。ハオ~、ハオ~、と夜に叫んで整った小話です。うー様のナタムゲ脳内妄想を拝見し、設定をお借りしております。本日7月6日はナタムゲの日だとか!!もう少し後半戦がかかりそうなので、ひとまずこちらに投げておきます。後日、手直しして支部に上げなおします。

    #ナタムゲ
    natamge.

    一天四海に咲く 大けがをした無限の意識が戻らないまま、三度陽が沈んだ。窮地を知り駆け付けた老君の手で事の始末がつけられ、無限はいま清潔な床に伏している。
     右まぶたから額にかけて大きな裂傷があり、その血を止めるためか白布が当てられている。半面を隠されて覗く表情は苦悶にゆがみ、荒い呼吸を繰り返す唇は発熱でひび割れていた。
    「人間の身で見ず知らずの妖精を守るために、妖精と大立ち回りを演じて。で、首尾よく相手を無力化したのはいいが、大けがを負っただなんて」
     哪吒は無限の足元に立ち、その様子を眺めた。老君が整えた室内は静かで、無限の呼吸音だけがやけに耳についた。
    「……こいつ、死ぬのか」
     哪吒がぽつりと傍らに立つ老君に問い掛けた。
    「いいえ、死にません」
     老君が静かに応えた。
    「彼は生きなければならない」
     意外なことを聞いた、と哪吒の片眉が跳ね上がる。
    「だったら、さっさと怪我を治してやればいいじゃねえか。そういうの、得意だろう?」
    「私が得意だからといって、彼に必要とは限らない」
    「はあ? 何を言って……」
    「これはそういう類の問題です。私はこれ以上、手出しできない」
     老君がぴしゃりと哪吒の言葉を退けた。常にない厳しい口調の老君を見て、さすがの哪吒も口ごもるしかなかった。
     無限の命が助かるかどうか。それはどうやらこの世の理(ことわり)に関係するものらしい。
    (老君がそういうのならば、この男は助かるのだろう)
     哪吒には見えないものが、老君には見える。その老君が断言するのだから、いずれそのように決着がつくのだろうけれど。
    「随分としんどそうじゃねえか……」
     哪吒が眉をひそめて、無限の様子を改めて見た。
     怪我の程度は分からないが、衣服に覆われていない部分の怪我は数え切れない。むき出しの手足に散らばる打撲痕や裂傷が、彼の死闘を思わせた。気も脆弱で、体内にも深刻な痛手があるだろうことは容易に見て取れた。
     無限は自分に降りかかった火の粉を払った訳ではない。自ら進んで、危険に飛び込んだ。力あるものが、弱き者のために力を振るう。それは賞賛に値するが、その代償は大きかった。
    「かわいそうに」
     そのまっすぐな心根と、容赦なくズダボロに傷つけられた身体が痛ましかった。自然と、憐憫の情が哪吒に沸く。
     その時、老君の静かな眼差しに何かが過った。無限の苦鳴を聞いても平然と動かなかった白い面(おもて)で、ぴくり、と眉が動く。
    「ではあなたが助けてあげますか? 哪吒」
    「えっ」
     突然の老君の台詞に、哪吒が息を飲んだ。
    「かわいそう。そうあなたが思うのでしたら、彼を助けてあげればいい。私はそれを止めません」
    「助ける、ったって……俺は癒し手じゃないぞ」
    「傷は治ります。時間をかけてゆっくりと。ですがその間、長く無限が苦しんでいることをあなたは忍びなく思う。ならば早く治るよう、仕向ければいい」
    「早く、治る……?」
    「思い出してください、哪吒。古来、人間を私たちがどう癒してきたか」
     老君の頬に、意味深な微笑みが浮かんだ。妖精や神仙ならば、誰でも不可思議の力で人間を癒す方法がある。
     弾かれたように哪吒が老君の顔を見上げた。
    「はあ? こんな死に体の奴と、ヤレってのか!?」
     ぎょっとして哪吒が目をむいた。
     身体を重ねる。それで妖精は人間から力を得る。それと同様に、人間へ気を分け与えることもできるはずだ。
    「この状態の彼に、そんな無体を為す気ですか?」
    「……だよな」
    「それとも、哪吒。あなたが慈悲をもつて、無限にとどめを刺すとでも?」
     じろりと老君が哪吒を睨んだ。
    「長く苦しまないように、無限を楽にしてあげるつもりですか」
    「んなわけ、ねーだろう」
     哪吒が声を荒げると、「好」と老君が呼気で笑った。
    「やりようは幾らでもある。あなたがこの人間に憐憫を持つならば、手助けしてあげてほしい」
     老君の「お願い」に、はっとした哪吒が目を細めた。会話する二人の足元で苦悶する無限の顔と、場違いなほど穏やかな老君の微笑み。
     哪吒には見えないものが老君には見えている。だが、その逆もしかり。
    (つまりは俺に、無限を助けろっていうことか)
    「なるほど」
     それがこの場に俺様を呼びつけた真意か。
     老君はそれ以上は何も言わず、哪吒の心が定まるのを微笑みで見守った。
     老君は何らかの理由で、無限を助けることができない。だが哪吒にはそれができる。 そこであることに哪吒は気が付いた。
    「けど、大丈夫なのか?」
     哪吒は火属性、無限は金属性。火剋金の理。火は金を抑える。
    「弱ったこいつに、それこそ、とどめを刺すことにはならないか?」
     金属性である無限に火属性である自分が触れることで、かえって無限の身体を弱らせることになるかもしれない。哪吒は心配になったが、その懸念を老君が一蹴した。
    「気が足りなくなればどうせ死ぬのです。このまま身体が衰弱しても。ためらっている場合ですか?」
    「おいおい、随分と乱暴だな」
    「生きるためには、時に荒療治も必要です。無限は安寧に逃げようとしている。このまま楽になろう、と」
     老君が無限を見下ろした。
    「活を入れてやってください。あなたの熱い『気』で」
    「……おっかねえ神仙だな。容赦の欠片もない」
    「神仙とはそういうものでは? それに、それくらいの根性は、持ち合わせている男です」
     こういう知り合いは欲しくないな。哪吒がぼやいた。
    「だが、ありがたいよな」
     哪吒の瞳に光が浮かんだ。
    「死ぬなよ、無限。生き延びて老君に文句を言ってやれ」
     そうなるよう、俺が手助けしてやる。
     哪吒の決意を聞いて老君がそっと零した安堵の吐息を、哪吒は聞かなかったことにした。




    ・・・このあと、哪吒のわくわく大人の治療行為が始まる、はずです。
    いま格闘中です。成人指定になるか、さて、ライトに終わるか…
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    yu_kiao_i_lxh

    DONE冠萱マスターさまたちの呟きを日々拝見し、違和感なく潘靖・夏さんと暮らす小冠萱さん、3人の姿が見えました。小黒お誕生日祝いのむ様(む@nijikusa)の素晴らしいイラスト、そして呟かれたお言葉からの小話です。冠萱さんは一体何が見えていたのかしら、という妄想です。映画「エター○ルズ」を鑑賞して、一気に小話が整いました。呼称や能力については全くの捏造です。何でも許せる方向けです。
    湯気の向こうの思い出小黒の誕生日を祝う為に今宵は皆が集まっていた。それぞれの手には小黒へのプレゼントがある。小黒へひとことお祝いを伝えようと、自然と列ができた。
     桃色のリボンで飾られた大きなプレゼントボックスを持って、なんとはなしにその列で順番を待っていた冠萱の嗅覚が、美味しそうな匂いを捉えた。食欲をそそられる匂い。
    「あれ?」
     おかしい。会場にあるのは菓子やケーキなどの軽食の類と飲料のみで、食事類は用意していなかったはず。そう思ったところで、匂いの元――湯気上がる熱々のラーメンが視界の左端に入った。盆を持つ手は骨ばった指の長い、大人の男のもの。ぱっと顔を上げると、
    「無限大人」
     小黒の師父である無限がそこに立っていた。
    6167

    yu_kiao_i_lxh

    MOURNING藍渓鎮を初めて読んだとき、ふと思った妄想話です。清凝と老君、無限と北河、あと龍游の執行人が出てきます。無限の己界に実は傷ついた清凝が保護されていて、という妄想だったのですが、己界に生き物入らないと聞いて、あらら、と。
    次回の藍渓鎮で癒し系の設定が確定しそうだったので、この妄想はもう形にならないだろうなあ、と思ったのですが、ちょっと出来心で一発書きです。書いていたら、ちょっと楽しかったです。
    ある妖精を捕まえるという、かつて最強の執行人として名を馳せていた無限にとって、けして珍しくない任務のはずだった。
    「無限様のご容体は?」
    「かろうじて意識を保っていらっしゃいますが…」
    「危ない、ということか…」
    常に冷静さを保つ潘靖の顔が苦し気に歪むのを見て、冠萱が強張った表情のまま 頷いた。
    捕り物の最中、無限が受けた傷はそれほど大きくはなかった。彼の体術は並みの妖精を凌駕したし、操る金属は妖精の投げた物理的な攻撃を防いだ。しかし、ほとんど妖精に近い無限の身体に僅かに残る人間の部分が、彼を窮地に陥れた。人間では避けきれない呪いを受けてしまったのだ。
    妖精が仕掛けた呪い。
    それは人間の皮膚を内側から破き、止まらぬ血でいずれは当人を失血死に至らしめるものだった。妖精ならば逸風の手により、失血よりも早く身を癒すことができたが、無限の身体は癒えるより早く、新たな傷口を生み出した。
    術を掛けた妖精本人が自爆するかのように身体を四散させたため、無限が呪いの詳細が分からなかった。妖精館本部も総当たりで解く方法を調べてみたが、随分と年嵩の妖精が独自に編み出した呪いを解く方法が分からなかった。手あた 6249

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