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    okeano413

    @okeano413

    別カプは別時空

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    okeano413

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    乙骨先輩と悠仁

    2021.06.02

     静寂を斬る感覚と伝えればいいんだろうか。霞を叩く瞬間に、あてる場所に呪力を集中させて、悟られる前に殴り落とす。その繰り返しが、僕の基本動作になっている。五条先生に比べればずっと無駄が多いけれど、要は感づかれる前に片付ければいいんだと思う。もちろんそれで済まない場合がほとんどだから、ちょっとでも決定打にできるように動かなきゃなんだけど……
    「乙骨先輩、もしかして教えるの苦手?」
    「えッ!? ご、ごめん、わかりにくかったかな……」
    「や、理屈はわかったッスよ、よっくね。でもそれ、乙骨先輩だからできることじゃん?」
     力加減を探るように、手のひらの開閉を繰り返す。武器に呪力を乗せる方法を知りたいと請うてくれたから、まずはと僕の戦い方を説明させてもらう事になったんだけど、なにか間違えてしまったらしい。
     虎杖くんは素直な子だから、わからない時は、はっきり伝えてくれるけれど……難しいな。自分のやり方が合う子だと思ってるわけじゃないから、自己紹介のつもりだったんだけど。失敗しちゃったかな。
    「やっぱ呪力のコントロール、もっとうまくしてからのほうが覚えやすいかな? 基礎わかんないまま派生技術身に着けようとしたって、半端になっちまうかな」
    「うーん……僕もまだまだ未熟者だけど、この世界に正攻法なんて無いからね。覚えたい気持ちがあるなら、学び始めてみたっていいと思うよ。もちろん、そのぶん厳しくしちゃうけど」
    「うへー……わかっちゃいたけど大変だな〜」
     手足の延長、と一口に言うけれど、ひと月持ち続けた武器よりも、偶然手に取った鈍器の方が合うかもしれない。そもそも虎杖くんに向いた形があるかもわからない。この状況で贅沢を言っていられないという、切羽詰まった事情もあるんだけど。よほど相性が悪いわけでない限り、身に着けないままで構わない技術なんかひとつもないと思うから、彼が学ぶ姿勢を見せてくれるのは純粋にいい傾向だ。
    「昨日拾ったナイフが君の魂に合うかもしれないし、結局素手が一番戦いやすいかもしれない。でも、武器の扱いを覚えておいて損はないと思うよ。手段が増えれば、それだけ戦いやすくなるからね」
    「先輩はどうやって刀が合うってわかったの?」
    「えっと……五条先生が、これ使いなって渡してくれたから、それ以来変えてないだけ……かな?」
     そういえば、僕もぽいっと渡されたんだった。あの人、理由なんか言ってたっけな。
    「……乙骨先輩さ、おかしな業者に騙されないでね」
    「んっ? そんな話してたっけ」
    「や、うん。五条先生がどんだけ適当なんかがわかったったっていうか。先輩が染められてなくてよかったよ。強く生きてね」
     ……あれ? おかしいな。僕の話をしてたんだったっけ……?
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