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    狭山くん

    @sunny_sayama

    腐海出身一次創作国雑食県現代日常郡死ネタ村カタルシス地区在住で年下攻の星に生まれたタイプの人間。だいたい何でも美味しく食べる文字書きです。

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    狭山くん

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    2022-07-18/夏祭り18日目の空閑汐♂は汐見♂の独白になりました〜!まーーーた不穏なんだよなんなんだよ君らはよォ!(答:共依存)

    ##空閑汐BL
    ##静かな海
    ##デイリー
    #文披31題
    wenPhi31Questions
    #BL

    文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day18 ぼんやりと夜明け前の空を見つめていた。
     背中には空閑の体温があって、窓の外は真夜中の黒く塗りつぶしたような闇よりもほんの少しだけ色付き始めている時間。汐見はこの時間が割合気に入っていて。すやすやと眠りながらもしっかりと自身に巻き付けられている腕や、背中で感じる空閑の体温や、微睡のピントが合わない視界の中で開け放たれたままのカーテンの向こうに見える空の色だとか。
     そういったものをぼんやりと感じたり見つめながら、また眠りに落ちる。そんなぐずぐずとしたベッドの中での眠りを、汐見は空閑と出会うまで知らなかったのだ。
     眠りに落ちる前には暑苦しいと言っていたとしても、夜明けの頃にこうしてぴったりとくっついている体温は夜の空気に冷まされた身体に心地よい。夜明けが始まる前の空は、まるで空閑の瞳の色のようで心に良く馴染む。寝ぼけている空閑が汐見の首筋に鼻先を埋めれば、その感触に背筋に甘いものが疼いた。
    「ったく、どこもかしこも感じるようにしやがって」
     しかしそれが全く嫌ではないのだから、俺も末期だな。しっかりと巻きつかれた腕の中で身を動かすのも慣れたもので、汐見は空閑が起き出さない程度の動きでその身を捩る。すやすやと健やかな寝息を立てる空閑と向き合い、汐見は彼の肩口に顔を埋めた。
     ちぅ、と吸い上げ朱い跡を残した肌からは、微かな汗の匂いと汐見と揃いの石鹸の匂いが立ち昇ってくる。すん、と鼻を鳴らして空閑の肌を嗅いだ汐見は小さく笑う。末期だ。男が放つ汗の匂いも精の匂いも――その味ですら、空閑のものであれば嫌悪の対象にならないなんて。
    「なぁヒロミ、多分お前を手放せないのは俺の方だぞ」
     起きている空閑へは決して告げることはないだろう言葉を、眠る空閑へとポツリと溢す。この執着は、多分依存にも近い。その自覚は薄々ながらも感じていて――だからこそこの男から離れようともした。結果はこの通りなのだけれども。
     空閑はきっと、どこでもソツなく上手くやっていける。それが彼にとって幸いか否かは別として。
    「……だから、俺の事を離すなよ」
     眠る空閑へと汐見は懇願の言葉を溢す。決して離してくれるなと。
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    狭山くん

    TRAINING2022-07-01/文披31題夏の空閑汐♂祭始まるよ!!!!!そう言えば学祭の話って書いてなかったな〜って思ったので初夏は学祭の季節だろ!?と空閑汐♂には踊って頂きました。学祭で踊るタイプの男性アイドルユニット、うっかり某SとAを思い浮かべてしまった。地元じゃ負け知らずだぜ、アミーゴ。
    文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day01 太陽は山の奥へと隠れ、空は紺青と朱による美しいグラデーションを見せていた。校舎の屋上から遠くに揺れる海原を見つめていた汐見は、屋上に巡らされた柵に凭れて大きなため息を一つ吐き出す。
    「おつかれ」
    「お前もな」
     からからと笑いながら疲れを滲ませた息を吐き出す汐見へと労いの言葉を掛けた空閑に、汐見は小さく笑い言葉を返す。卒業証書を受け取ってから数ヶ月、季節は夏へと差し掛かる頃で。互いに高校指定のジャージを纏う彼らは、次の進学先への渡航までの間をこの場所で過ごす事を決めていた。
     実家に帰るよりも、渡航までの約半年をこの場所で知識を深めた方が有意義だという結論に達したのは何も彼らだけではない。彼らよりも前に卒業していった先達であったり、同学年で本校への進学を決めている者の一部も同じような選択をしており――学校もまた、それを受け入れる体制が整えられていた。
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