「おい、しばらく水場に近づくんじゃねえぞ、十四」
十四が帰ってきたら自分を置いて獄と二人だけでキャンプという面白いことをした件を詰りまくる腹積もりだったが、数日ぶりに修行へ来た弟子と顔を合わせてみたら妙なものを土産代わりに纏わりつかせているので小言よりも先にそう口にしていた。
「ええっ、何でっすか!?というか、その前におかえりなさいぐらい言ってくださいよおー。大変だったんすから」
胸の前で握った両拳を上下にブンブン動かしながら不満気な表情を隠しもしない十四に、これはきちんと説明してやらないと治まらないだろうなと感じて溜め息を吐く。
「あんま繋げたくねえんだけどな・・・・・・」と小声で呟いてから、十四と向き合うようにしていた体を90度右に回転させる形で視界に入らないようにした。十四に前へ回り込まれないよう即座に手で制する。
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