Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    はるしき

    倉庫。
    反射的にあげてるので誤字脱字は順次訂正。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 81

    はるしき

    ☆quiet follow

    シンパシー(遼嘉)
    リハビリ。『一緒にいると同じ気持ちになってしまう張遼と郭嘉』
    #お題ガチャ #推しカプシチュガチャ

    ##遼嘉

    郭嘉は天井を仰ぎ、一息つく。
    しばらく天井を見つめた後、姿勢を正し座りなおしたかと思えば、周囲を見回し顔見知りの軍師らがいないことを悟ると、机に広げられたいくつもの竹簡をくるくると一纏めにしていく。
    そうして纏めた竹簡の束を両手で抱え、郭嘉は立ち上がり政務を行う部屋を後にする。
    心無しか、足音を忍ばせ歩く郭嘉は廊下の曲がり角に差し掛かる。ここを曲がれば。郭嘉は息を無意識に潜める。
    瞬間、郭嘉の目の前に現れた影。
    郭嘉は驚き息を止める。
    「どうされました、郭嘉殿」
    そこにいたのは、郭嘉が想いを寄せる猛将であった。
    「あ、あぁ、張遼殿」
    にこり。郭嘉は動揺を悟られないよういつもの笑顔を顔に張り付ける。
    驚きと困惑、忍ばせた恋情。全てが混ざっていた。見つからないように、郭嘉は面のような笑顔に務めた。
    「……郭嘉殿。もしやその竹簡は」
    猛将・張遼が落とした視線の先は、先程郭嘉がまとめた竹簡の束。
    郭嘉の表情が固まる。
    「政務が早く終わったので片付けに」
    言外で郭嘉を責める張遼の視線から逃れるように、郭嘉は笑みを深める。子供のような無邪気な笑顔であったが、張遼の視線も表情もピクリとも動かない。
    バレている。なにもかも。
    「…どうしてわかったのかな」
    これ以上誤魔化すことは出来ない。郭嘉は肩を落とし、問う。軍師としてあるまじき敗北だとも感じたが、惚れた相手に見破られたのだと思えば何故か郭嘉の心は軽かった。
    「なんとなく、ですな」
    珍しく曖昧な張遼の答えに郭嘉は目を上げる。張遼の視線が微かに泳ぐ。恐らく、張遼自身も説明が付かないのだろう。
    「郭嘉殿、今宵先約はありますか」
    「?いえ、特には…」
    何故、と郭嘉が問えば、張遼と目が合う。
    戦場での鋭い眼光とはまた異なる、穏やかな瞳。郭嘉の胸がドキリと跳ねた。
    「私が郭嘉殿と共に酒を酌み交わしたいと思っていた故、お伺いいたしました」
    郭嘉はその張遼の言葉に口をぽかんと開ける。
    「もしや、これが終わったら、貴方と酒が飲めるのかな」
    これ、と郭嘉が竹簡を微かに持ち上げる。
    「郭嘉殿がよろしければ」
    張遼は郭嘉の言動に頷く。その言葉に、郭嘉の頬に熱が灯る。
    「あぁ、嬉しいな。やる気がわいてきましたよ」
    「それはなにより。郭嘉殿が嬉しいとおっしゃるならば、私も嬉しく思います」
    張遼の言葉に、いつも嘘偽りは無い。
    「張遼殿も私と同じ気持ちかな」
    郭嘉は試すように問う。
    「えぇ、同じ気持ちをいだいております」
    張遼は頷く。
    その言葉に、郭嘉はますます笑みを深めた。
    「今日はとことん付き合ってもらおうかな。もちろん、私の部屋で、ね」
    「ならば、戻って政務を終えられますよう」
    お待ちしております、と張遼は柔らかく笑んだ。
    その笑顔は郭嘉がめったに見たことがないものだった。
    あぁ、こんなにも優しい。
    郭嘉は自然と緩む頬を竹簡で隠し、名残惜しげに張遼へ背を向け元来た道を戻っていった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤😍💞💒💒💞👏😭🏥🚑❤💒😍😍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works