俺がフウガに何をしたんだろう。
俺はフウガへ何をしたんだろう。
どうしてフウガは、俺をあんなにも嫌うんだろう。
答えを知ってるのはフウガだけ。
手を出しても睨まれて、顔を出しても追いかけられて。
今日は、初めて、嫌いだって言われた。
俺はどうしたらいいんだろう。
消えてしまえば良いのかな。
分からない。
フウガ。
教えて。
フウガ。
何かしたなら謝れば。
またあの時みたいに、笑ってくれるのかな。
「……んん……」
俺に倒した時のフウガは笑ってた。
俺の上に乗った時のフウガも笑ってた。
俺に触れた時のフウガは。
「……そうだ」
俺の手に触れたフウガは、泣きそうな顔をしてた。
その後、泣きながら、嫌いだってはっきり、初めて言われた。
あの時、俺はフウガに、本当に嫌われたのかな。
「……うーん……?」
なんとなく、違う気がする。
嫌われたのは、もっと前から?
「……」
俺が知らない内に、嫌われたのなら。もう仕方がないのかな。
「……」
大樹の上で、俺は考えをやめて、目を閉じた。
自分で噛んで怪我をした唇がヒリヒリしたから、まだ血が出てるのかと思って舐めてみた。
苦い味がして、唇が痛くて、目の前が歪んだ。
(俺も、嫌いになれればいいのに)