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    blackberryO7I5

    @blackberryO7I5

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    低速でジャンルを反復横跳びします。

    いまは呪の五七/悠七/猪七/灰七
    時間ができたらknprカケミナなども投げるかも。


    pixivにおんなじような話ばっかり上げてるのが
    心苦しくなってきたのでしばらくpixiv断ちします。
    そのかわりめっちゃポイポイしちゃうぞ☆

    マシュマロ:ひと言でも頂けたら嬉しいです
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    blackberryO7I5

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    一ヶ月くらい前から書きかけて難航している五七。

    体調不良ネタ大好きなんだけどわたしの中の7ミンほんっと甘えてくれなくてぜんぜん進まないの……このままお蔵入りになってしまいそうなのでここに墓を建てておく。

    #五七
    Gonana

    スマートフォンの向こうから耳に届いた声に、五条悟は眉を顰めた。

     デジタル化されていても耳に馴染む、一聴すると普段通りの抑揚の薄い声。だが他でもない五条がその変調に気がつかないわけがない。

    「ねえ、七海」

     電話の向こうで話す相手の言葉を遮って名を呼ぶ。思っていた以上に強い語気になってしまったことに、五条は自分でもやや驚きつつ言葉を続けた。

    「いまどこ」

     それまでの会話を完全に一蹴した質問に、電話の相手――七海建人が当惑する空気が伝わってくる。常ならば話を聴いていないことに対してひと言二言の諫言をするはずの七海が何も言わないのは、おそらく五条の声に孕まれる不穏な気配のせいだろう。
     普段の言動から自由奔放、傍若無人に振舞っている印象の強い五条だが、その実は無闇に負の感情を撒き散らすことはない。とりわけ七海と接するときの五条は、他の誰と対するよりも自然体且つ温和であることが多かった。

    「……帰るところですが」

     なにか不興を買うことをした自覚があるならまだしも、理由に心当たりのない七海は五条の不機嫌――とも違うかもしれないが――に、わずかながら動揺する。
     注意深く言葉を選びながら七海が答えると、五条の纏う空気がさらに張りつめた。……ぴり、と電話越しに緊張が漂う。

    「場所訊いてんだけど」

    「……なぜ、ですか」

     五条の真意がまったくわからず、安易に答えることも躊躇われて七海は問い返した。

    「理由は僕が知りたいから。どこにいるの」

     それ以上の追求は許さない五条の口調に、諦めて七海が現在地を告げると、

    「そこ、動くなよ」

     有無を言わせず通話は切られた。バックライトが消えたディスプレイを暫時見つめていた七海は、嘆息してスマートフォンを仕舞う。あの口ぶりはここに来るつもりで間違いない。そして五条悟が「来る」というなら、それは……

    「ッ、」

     一瞬で来る、ということだ。

     心づもりはしていたが、背後から唐突に抱きすくめられるところまでは予想していなかった七海は息を呑んだ。通常なら、やめてください、と言っている状況だ。だが、電話越しよりも生々しい緊張感を全身に絡ませる五条に、躊躇いが生じる。窺うように七海は、無言で自分の身体に巻きつく五条の腕に軽く触れた。

    「……五条さん」

     きつく拘束されているというのに痛みは一切ない。
     何かに腹を立てているのかと考えていたが、背後の五条から怒気の類は感じられなかった……怒りでないのなら、この空気のこわばりは何に起因するのか。とにかく五条の顔を見たくて、七海は身じろいだ。

    「逃がさないよ」

     五条の腕にこもる力がすこし強まる。七海が拘束を解こうとしていると思ったのだろう。

    「逃げないので、いったん離してください」

    「ダメ」

    「いったい……どうしたんですか」

    「こっちの科白、だったんだけど、」

     そうつぶやくと五条は、七海のうなじに口づけた。
     ちゅう、と音をたてて吸われて七海はあまりにも出し抜けなその行動に身を硬直させる。

    「な、にをして……!」

     街はずれでの任務帰りだったため周囲に人の気配はなかったが、それにしても公然と為すようなことではない。私的な空間以外で抱きこまれている時点で、本来ならば七海には許容しがたい状況なのだ。
     ただ――五条の常ならざる気配が気懸りで甘受していたに過ぎない。

     咄嗟に振り払おうとした七海に先んじて、五条が不意に閉じこめていた腕を解いた。力を籠めかけた拳を所在なげにおろして振り返った七海を五条は、今度は正面から抱きしめる。さすがに苦言を呈しかけた七海の唇が五条に塞がれた。

    「ちょっと、五条さ……、んん……ぅッ、」

     言葉を発するために開かれていた七海の口腔内に、当然のように五条の舌が入りこむ。口のなかの粘膜を舌さきで確かめるように辿られて七海は、近すぎて焦点の合わない五条の顔を睨みつけた。
     目許を覆う布のせいで視認はできないのに、五条と視線が絡んでいるのがわかる。

    「……は……ッ、なにを、考えているんですか……!」

     ひとしきり口内を舐めまわされてから解放された七海が批難の声をあげた。
     それを意に介さない様子の五条が、七海の腰を抱いていた手を背中へと滑らせる。同時に膝の裏にもう一方の腕が差しこまれた。

    「ッ!?」

     驚愕が過ぎて声も出せないまま、七海は五条に抱き上げられてしまった。

    「七海さぁ、無自覚なわけないよな」

    「なにが……、いえ、それより降ろしてください」

    「却下。僕の家かオマエの家かは選ばせてあげる。どっちがいい?」

     帰宅しようとしていたのだから当然自宅に戻りたいが、考えるまでもなくこの状況は、五条によって運ばれるということだ。
     ここへきて、ようやく五条の言動の理由に見当がついた七海は一瞬だけ逡巡するも、どちらを選んでも大差はないと結論付けた。

     本当なら自力で普通に公共交通機関を使って帰りたかったが、五条が聞き入れるはずがない。長年の付き合いで七海はそのことを身にしみて理解していた。何よりここで、こんな体勢のままで、議論をするのも避けたかった。
     万が一にでも誰かの眼に留められたら、しばらく立ち直れないだろう。

    「私の家でお願いします」

     答えた次の瞬間には、七海の視界に自宅の玄関が広がる。
     五条によって何度か経験させられているが、瞬きの間に自分のいる場所が変化する感覚にはどうも慣れなかった。
     三和土で靴を脱ぎ上がりこむと五条は、抱えたままの七海の靴も器用に脱がせる。

    「五条さん、もう降ろして、」

     ください、と七海が最後まで言いきる前に五条が言葉を重ねた。

    「いいから」

    「……五条さん、一応言っておきますが、私は大丈夫です」

    「僕さぁ、オマエがこういうときに言う大丈夫って言葉、だいッ、嫌いなんだよね」

     大嫌い、のところを殊更に強調して言った五条からぶわ、と情動が立ちのぼった。単純な怒りではない、ということだけは感覚でわかった。だがこの揺らぎがどこから生まれるのか、五条の感情の在処が捉えきれない。最適解を判断しかねて黙り込んだ七海を、五条は勝手知ったる様子でまっすぐ寝室へ運んだ。

    「で? いつからなわけ?」

     七海のシャツのボタンを外しながら五条が淡々と尋ねる。スーツのジャケットは既に脱がされていた。

    「まあいいよ。どうせ朝からか、もしかすると昨夜からだろ」

     シャツが肩から落とされて露わになった七海の胸許に、五条の手のひらがぺたりと触れる。じわりと汗ばんでいるのは――

    「心拍数も上がってる。相当きつかったんじゃない?」

     七海が、発熱しているせいだ。

     自分の体調不良はもちろん自覚している。
     体温をわざわざ計測してはいないが、朝からそこそこの高熱が出ていることも把握していた。だが、与えられた任務の難易度と自らの身体の調子を見極めて、危険はないと判断したからこそ仕事にあたったのだ。

    ――だから「大丈夫」なのに。

    「先ほども言いましたが……、問題、ありません」

     玄関先での五条との遣り取りが脳裏をよぎって七海は言葉を変えた。
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    smalldespair57

    DONE五×転生ばぶ七 
    事変後もろもろ落ち着いた世界線で、最速転生した七(5ちゃい)を五(34ぐらい)が育てています。
    七幼児注意。全ては私が生きるための妄想です。
     よく晴れた昼下がり、気温は20℃前後、空気も澄んで抜群の公園びより。
    平日でも結構子連れが多く、家の近くにはない大きな遊具や広い芝生で楽し気に遊んでいる子らの声が、青空の下に響いている。

    七海もついさっき、公園に着くまでは同じようにはしゃいでいた。
    片手に砂場で遊ぶための大きなプラスチックのスコップをひきずり、片手では僕の手を握ってはいたけど、早く遊びたくて今にも振り払って駆け出していきそうだったのに。今は、足から根が生えたみたいにびたっと止まって動かない。僕の手をぎゅううと握りしめ、直立不動で、目の前のたくさんの呪霊を視界に入れないようにうつむいている。スコップも力なく地面に置かれてしまった。

    あーあ、ガン萎えじゃん。せっかく朝早くから遠出して、お弁当も持ってきたのになあ。


    「……こわいこわいがいる」

     七海がボソッと口に出す。もちろん僕も気づいてはいた。だって僕だし。
    でもまさかこんなに数が多いとは。ざっと数えても二十体はいる。
    でも何体かは、僕のヤバさに気付いてそそくさと姿を消した。うん、賢明賢明。

     滑り台の上でギャン泣きしている女の子を、母親がスマホを構えてほら 4072