巨人の肉②数年前に廃れた施設。中心から離れた所にそれはいた。5メートルにもなる巨大な女の子の形をしたそれを呆然と眺める。身体にはコードが無数につけられている。
ディーゼルはすぐさま傍にあったコンピュータを触る。続いてセリカが現れると突然現れた巨大な少女に思わず大声をあげた。
「デカっ!?こんなの今までよく見つからなかったな」
「見つからなかった訳ではないだろ。
つい数ヶ月前まではこの少女の身体はバラバラだったらしい」
「え〜、じゃあ廃れてなくね?」
「そうだ。珍しく賢いな。廃れたはずなのに何者かがこの研究を続行しようとしてるってことだ。」
「大きい人間作ってどうするんだよ。食べるのか?」
「...さぁな。」
ディーゼルがコンピュータを弄っている間セリカは暇を持て余し巨大な少女を突いたり、長い髪を持ったりして時間が過ぎて行った。
ディーゼルがモニターから目を離す。
「この少女はここでは殺せない」
「なんで」
「この施設自体が彼女を生かそうとする働きをするようになってる。こちらが殺される。」
「無敵か!」
「まぁ、そういうことだな。」
しばらくモニターを見つめて黙る。
セリカもディーゼルの考えを聞くのを待っている様だ。
「彼女を起こそう。こちらから運ぶより、起こして外へ連れ出した方が手っ取り早い。」
冷めた口調でディーゼルはまたキーボードに手を伸ばす。そして、彼女の周りに置いてあった仰々しい機械が次々と起動音をあげた。
「それに、この子が出てくれば、驚いて出てくるだろうしな。...彼女を組み立てた張本人が。」