2「んと、」
そこまで言ってぴしり、と固まった。自分の何倍も背丈のあるどでかい男三人を前にして委縮してしまったのかもしれない。誰もがそう思ったとき。
「ほ、」
「「「ほ?」」」
「ほたるも、もっとおっきくなりたい……!」
彼女は俯き気味にふるふる震えていた顔をばっと持ち上げてきらきらした目でそう言った。
そのままぺと、と一歩前に進んでから足を向けたのはガイアの前だった。
「お?俺か」
「ん」
そう言って蛍は両腕を伸ばした。抱っこを要求する。ガイアはそれを正しく読み取って軽々とその体を持ち上げてやった。
「俺はガイア」
「ん。がいあ」
「おお、じょーずに言えたな」
「ふふん」
わずかに上半身をそらして得意げにする頭をわしゃわしゃと撫でまわしてやる。きゃあきゃあと声を上げてはしゃぐ姿を眺めていたら、ふと間近でまっすぐな目とかちあった。
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