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    Hiroki8koko

    @Hiroki8koko

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    主にオリケロ関連の小説を投下します。

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    次回完結するわよ。タブンネ

    オリジナルストーリー オリケロ+「イカズチよしたたかに鳴れ……その3」それからというもの、その快楽に味を占めた私は、「殺せるもの」と「殺しにくいもの」の判別が出来るようになった。
    尖ったものはいい、大概の相手は胸と腹を突けば殺せる。硬いものもいい、手足と頭蓋が砕ける。重いものはとてもいい、体のどこを狙っても必ず潰せる。うまくやれば数人まとめて殺せる。
    柔らかいものは、いくらでもやりようはあるが難しい。例えば布、口に摘めようにも抵抗される。首を絞めようにも切られることがよくあった。相手ごと燃やすという手もあったが、それなら直接手を下した方が早かった。

    より素早く、より確実に、日々武器を変えて、戦い方を変えて、試行錯誤した。
    貨物車から宇宙海賊の船へ、船から船へ、最後に無法地帯惑星へ降り立った。
    自ら死地へ赴いたのは、開花した闘争本能による衝動と──先に言った快楽、『抑圧からの解放感』『他を排斥することで高まる自己肯定感』のため。

    既に私は、血に餓えた殺戮機械と成り果てていた。

    殺して、奪った物質で生き延びて、また殺して、奪って、殺して、奪って、殺して、
    奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って殺して奪って……





    ……いつしか私は、『イカズチ』のケロン人と呼び、畏れられるようになった。

    もう、その惑星で、敵わない者などいない。






    家から逃げたしたあの日から、どれ程の年月が過ぎただろう。飽きもせず敵性種族がこの星に居座っているお陰で、食にも住にも困っていない。タケミカヅチの運用も問題ない。たしか、『バトロワ星人』と言ったか、そいつらの手引きで、この惑星は紛争が絶えないらしい。私からすればありがたい話だが。
    今日はどこへ進もうか、得物を片手に、タバコをふかしながら拠点を出る。
    するとどこからか、ザクザク、と音が聞こえてきた。
    その瞬間、私は歩みを止めた。敵の気配は無かったはず、それを気取られずに、どうやってここまで近づけた?
    辺りを見渡すと、音の正体はわかった。

    小柄な──私たちケロン人から見れば大きいが──兵士が、シャベルを使って地面を掘っていた。無防備に、こちらを見向きもせず。ただひたすら掘っていた。

    ここで何を思ったか、私はこの兵士をすぐに始末せず、得物を突き立てて警告するに留めた。敵意の無い相手に対しては、殺意が起きなかったからだ。
    小柄な兵士は、一瞬驚いて飛び上がって、それから恐る恐るこちらを向いた。

    その顔は、泥だらけだったが、まだあどけなさが残る、少年の顔をしていた。




    私が、暴力はクソと思い知るのは、もう少し先のことだ。
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