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    eraza4

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    Luxiemの夏、ホラーの夏
    心霊スポット破壊男Lucaが書きたかったのにそこまで行き着かなかった

    #Luxiem
    luxurious

    一棟三千万円季節は夏、燦々と降り注ぐ日差しに乾いた風。
    こんな日はテラス席で冷たい飲み物を嗜むに限ると言いたいところだが、職業呪術師の闇ノシュウは自宅兼職場にて本日3件目の依頼を請け負っていた。

    「そうですか、では心霊スポットに行った後から息子さんの様子がおかしいと」
    「ええ……悪魔に取り憑かれたのかと教会にもお願いしたのですが効果がなく……」

    そしてその内容と言えば本日3度目、今週では7件目の心霊スポット関係の依頼であった。

    ーーー

    「廃墟の爆発ってどれくらい費用があればできるんだろう」
    「……Shu?」
    「ahh……それは考えたことがない内容だな」

    物騒な話である。

    コラボの打ち合わせ、ただの作業通話、ゲームのロケハン etc etc……
    Luxiemのメンバーが気ままに集まって、Discordで通話する機会はそれなりに多い。
    今日も今日とて雑多に集まっていたIkeとVoxだったが、テロンと音を立てて入室してきた同僚の第一声におもわず作業の手を止めた。

    「Shu、一体どうしたんだ。どこか吹き飛ばしてほしいところでもあるのか」
    「待ってVox、その聞き方は良くないと思う」
    「どうして人は心霊スポットに行こうだなんて思うんだろう」
    「Shu〜〜?せめてちゃんと内容を教えて欲しいよ僕は」

    会話になっていない会話を取りまとめると、つまりこういう話である。


    闇ノシュウが住む地域の郊外にある心霊スポットが、どうやら度胸試しの場所として若者の間でバズったらしい。
    もちろん殆どの人間は怖がるなり楽しむなりしながら無難に探索を終え、帰っていくのだが何事にも例外というものがある。
    その例外というのが、例えば原因不明の体調不良として発現する霊障だったり、奇行だったり、ポルターガイストだったりするわけだ。
    そうして、その解決が依頼としてシュウの元に舞い込むようになったのだった。
    最初はそう難しい案件でもないし、稼ぎ時だなぁと一件一件こなしていたものの、回数が重なるとなんだか煩わしくなってくる。
    じゃあいっそ根本を断てばいいかと件の屋敷を見に行けば、まるでゴミ屋敷に集るゴキブリのように大小様々なよろしくないものがうようよと漂っている有様。
    これをどうこうするためにかかる手間と手順を考えると急にすべてが嫌になり、回れ右して真っ直ぐに帰宅して今に至る。


    画面の向こう側から聞こえるアーハッハッハッハと言う豪快な、普段なら小気味よいと感じるVoxの笑い声に笑い事じゃないんだけど、とやや拗ねた声色で返事を返す。
    どうにか笑いを堪えるようにクツクツと喉を鳴らしながらすまないと言われても、まるで反省していないのは丸わかりである。

    「でもShu、そこを爆破しちゃうと君のビジネスチャンスを逃すことにならないかい」

    Voxに釣られてくすくすと笑っていたIkeは、それでもこの一連の流れについてちゃんと考えてくれていたらしい。

    「それはそうなんだけどねIke。でも、君も売れるからって全く同じシチュエーションで同じ展開の似たような小説ばっかり書かされたら出版社を爆破してやろうって気持ちにならないかい」
    「う〜〜んその前に担当の編集者の胸ぐらを掴むくらいはするかも」
    「つまりそういうこと」

    2人が感情を分かち合っていると、ようやく笑いのツボから抜け出したらしいVoxがややうっとりとした声で口を開いた。

    「そこは、なんともいい餌場なんだろうな……」

    ShuとIkeは互いの姿が見えずとも、今確実に自分たちの目と感情が通じ合ったと確信した。
    ――このアクマ、そういえば人間じゃあなかったな
    念の為、という気持ちでShuが尋ねる。

    「Vox……それ、どっち目線で言ってる?」
    「ハハハ、どちらでもそう変わらないだろう?それよりも、本当にそれをどうにかしたいのなら俺にいい考えがあるぞ」


    ーーーーーー


    「太陽!夏!最高の季節だ!!」

    寒空の下から飛行機に乗ってやって来たマフィアは、あいも変わらず今にも弾けそうなシャツからタトゥーを覗かせながら高らかに歓声を上げた。

    「俺達よりもフライトの時間長かったはずなのになんでこんなに元気なんだよ」
    「そもそもの基礎体力の違いじゃないかMyboy」
    「僕としてはVoxがパスポートを持っていたことのほうが気になるけどね」

    Ikeが君戸籍あったの?と言外に尋ねると、ソファにゆったりと腰掛けたままのVoxはニコリと笑ってたまには空の旅も良いだろう?と答えにならない回答を寄越した。
    つまりこの男、普段は別の方法で移動しているわけである。

    「ね、ね、Mysta。俺行ってみたいところがあるんだ。ガイドブックは買った?買った?」
    「奇遇なことにさっきその手にある本とま〜〜〜ったくおんなじやつを買ったぜLuca」
    「POOOG!」

    物騒な爆破宣言から1ヶ月。
    夏の終わりにLuxiemはアメリカ大陸のとある空港に集合していた。
    とどのつまりが夏休みであり、初の大型オフコラボ配信のためであり、Voxが言った“いい考え”のための集まりである。

    ーーー

    ようやくたどり着いた空港内のカフェテリアで、彼らは色んな意味で人目を引いていた。
    ここに声をかけないといけないのかと思うとほんの少しだけ気が重いが、今回はホストとしてしっかりと彼らをもてなす責任が自分にはある。
    Shuはこちらをにんまりと見るVoxに向かって軽く手を上げた。

    「みんなおまたせ、遅くなってごめんね?」



    交通機関を乗り継いでたどり着いたホテルで一度大きな荷物を下ろした彼らは、タクシーで次の目的地に向かっていた。

    ソワソワとした様子のLucaが前席のShuに呼びかける。

    「なあShu、どこ行くんだ?」
    「ホラースポットだよ」
    「ホラースポット!?昼間だぜ!?」
    「昼間だからこそだよLuca」

    whatと腰を浮かせかけたLucaを横に座っていたIkeが手で制して、語りかける。

    「よく考えてみてLuca。映画やゲームで夜にホラースポットに向かった奴らはろくな目に遭わないだろう?」
    「だって、あれはフィクションだし……」
    「僕らの同僚が鬼なことを忘れたの?ホラースポットは昼に見ても怖いからホラースポットなのさ、わざわざ夜行ってやる必要もない」
    「そうなのかな……、そうかも」

    そうだよ、そうかな。
    後ろの座席から聞こえてくる会話にShuは少しだけ罪悪感を覚えた。
    ――ごめんLuca、明日はとびきりのアイスケーキをプレゼントしますから







    ーーーーー


    以下メモ

    言い負かすためにIkeとシュウがLucaと
    ミスタとVoxが一緒に
    空港からシュウの家へ
    5人泊まる広さはないからホテルをとった
    さて観光だ!の前にホラースポット行かない?
    昼間だぜ!?
    なんでホラースポットに夜行かないといけないのさ。
    それはそう
    またしてもなにもしらないルカくんと巻き込まれるミスタ
    VOXは近づくと良くないからハッハーって買い物へ
    シュウとIkeは外で待つ
    ミスタくんは見えないけどなんか感じるシステム
    Ikeくんは見たいまであるけど見えない感じない
    シュウは現場監督
    Lucaくんは破壊機
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    タル鍾のうさぎバース風呂場からあがり、冷んやりとするフローリングを踏みしめながらベッドの上に身を置く。滴る水滴をタオルに染み込ませながらゆっくりと体を拭いていった。
    「ふぅ」
     ほんの少し茹る体はこれからの快感を待ち焦がれているようだ。毛が密集する場所である頭髪と腰にある丸い尻尾を細やかに、丁寧に、香りの良いオイルで染み込ませて行くのが鍾離の日課であり楽しみであった。
     (愛も変わらず伽羅の香りは落ち着く。)
     細い手に琥珀色の粘性のあるオイルがとろりと落ちる。それを手に広げて自身の頭にある大きな耳をにゆっくりと馴染ませていった。
    根本には少しだけ。中間から毛先になるにつれて多めに漬け込んでいく。満遍なくしっとりした毛心地はずっと手入れをしているおかげで埋めたくなるような柔らかさだ。大きなうさぎの耳を顔の前に持っていけばふわっと広がる重厚な香りに酔いしれそうで。風呂から上がったとはまた違った意味で頬を染めていく。この時間がなんとも気持ちよくて。このまま眠ってしまいたくなるくらいに幸せで。
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