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    はなねこ

    胃腸が弱いおじいちゃんです
    美少年シリーズ(ながこだ・みちまゆ・探偵団)や水星の魔女(シャディミオ)のSSを投稿しています
    ご質問やお題等ございましたらこちらへどうぞ~
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    はなねこ

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    中二の頃を思い出してみちまゆに当てはめてみました。蜥蜴以降のネタバレ含みます。

    #みちまゆ
    eyebrowsOnTheRoad

    ペイン×ベイン 真冬だっていうのに陽だまりみたいに暖房が効いた美術室で、座り心地抜群のソファに腰掛けていたんだ、眠るなって言われてもそれは無理な話だろう。
     微睡みに落ちる直前、視線を感じた。
     左隣へ目を向ける。
     眉美がこちらを見ていた。――もっと正確にいえば、興味津々って顔であいつが見ていたのは俺の顔ではなく、手の甲だ。
    「なに見てんだよ」
     むふふ。
     眉美が不気味に笑う。
    「立派な血管だな~と思って」
    「血管?」
     わたしと全然違うからさー、と、俺の手の横に眉美が自分の手を並べる。
     俺のそれとは、ひとまわりほど大きさが違う握りこぶし。皮膚の色も全然違う。ちゃんと陽に当たってんのか。ビタミンDが生成されねえぞ。
    「ほら、わたしの手と違って、不良くんの手は血管がぷっくり浮き出ているでしょ? 同じ中二の手には見えないわ」
    「俺の手が老けてるって言いたいのかよ」
    「切ったら噴水みたいに血が噴き出しそう」
    「羊羹切るみたいに簡単に人の血管を切ろうとするな。おまえはへマトフィリアか」
    「トマトフィリング?」
    「半分しか合ってねえよ。何でもかんでも食いもんと一緒にすんな。『大食漢のマユミ』って呼ぶぞ」
    「ね、触ってもいい?」
    「断る。どさくさに紛れて血管切られるのはごめんだしな」
    「ええ~」
     番長のくせにケチくさいんだから~と唇をとがらせる眉美を無視して、俺は頭の後ろへ両手を持っていき、ソファに寄りかかり目を閉じた。

     ――あの時、出し渋りせずに触らせてやればよかった、あいつにもっと見せてやればよかったな……。

     懐かしい夢のあとで悔やんでも後の祭り。
     去りし日の後悔が胸を刺す。
     寝起きの俺は、情けない顔をしていたのだろう。弱々しい寝言でも吐いちまったのだろう。
    「やーだな、不良くん。別に『見えない』からって、不良くんの手が変わっちゃったわけじゃないでしょ?」
     おはようの代わりに、にひひと笑って、眉美は俺の手の甲に自分の手のひらを重ねた。
    「ほら、立派な血管。この血管が波打つ限り、わたしが不良くんの手を間違えるはずないわ」
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    あもり

    DONEシャディミオの年少期の幻覚話です。12話前、公式が何も出さないので、幻覚が熱を持ったので書きました。
    シャディクが孤児院に拾われる前は、雪国で過ごしていた幻覚設定があります。
    シャディミオ、というかシャディク+ミオリネみたいな雰囲気ですがシャディミオです。
    幻雪「シャディク、あんた雪って見たことある?」
     薄ら寒い大人たちの挨拶の猛攻を上手く抜け出し、外の廊下を歩いていた時のことだった。久しぶりにパーティで出会ったミオリネは少しだけ背が伸びていて、背中に流れた髪の毛が歩くたびに揺れている。前を歩く彼女が視線を向けた先は、無駄に大きい窓の外は無機質な鉄の要塞、時折常夜灯が点滅するのが見えるだけだ。夢見る天然資源は何ひとつ映っていない。

    「映像だけなら」
    「そう」
     彼女がわずかに肩を落とした。意地を張る癖のある幼馴染にしては、珍しいほど分かりやすい仕草だ。
    「……何かあったの、ミオリネ」
    「うるさい」
    「俺は君の質問に答えたよ」
     質問にちゃんと答えなさいよ、と先日の喧嘩で目の前の彼女から貰った言葉をそのまま返す。ミオリネも思い出したのか、ぴたと足を止める。意地が悪いのはお互い様だ。ただ、今日は随分と踏み込みすぎてしまったらしい。
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