見た目の割にきちんと空調整備の整った校舎の中。家入硝子は暇を持て余していた。
夏油傑が呪詛師となって約一年。突如として特級術師が呪詛師になったのだから、高専は勿論の事、上層部も大慌てで対応と夏油の行き先を探っている。五条悟は思う所があったのか、真面目に授業や任務をこなす様になり、時間があれば術式の強化のために運動場を壊しては夜蛾に怒られている。
戦闘に特化している訳でもなく、それどころか反転術式を使える家入は専ら高専で自習をしながら待機か、ギリギリアウトな方法で医師免許を取得するために、補助監督やらと話し合いか、時折やってくる酷い怪我を負った呪術師に治療をする日々を過ごしていた。卒業も控えているからか、授業よりも高専での勤務体系や進路の話の方が増えてきたくらいだ。
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