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    おもも いもこ

    おももいもこの秘密基地。好きなことをのんびりと。ストレス発散の為に書いたり描いたり。こっそりここに置くことも(*´˘`*)♡

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    おもも いもこ

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    ドリカiムの「サiンキュ」が頭の中流れててできたお話。二人で花火してるとこは歌詞のままのイメージなので割愛!歌詞はここで確認できます⇨https://www.uta-net.com/song/8081/
    歌の設定は女友達らしいけど、ぜんねずでもいけるようにした(勝手にw)

    #ぜんねず
    Zennezu

    「キスが、できないの」
    姉 禰󠄀豆子の神妙な面持ちは茶化せない深刻さがあった。妹としては「やっぱりな」という気持ちでいっぱいになる。
    コップに注いだソーダの気泡がぷちぷちと弾けている。夕方のリビングには私たち姉妹だけ。
    「手も繋げないんでしょ?」
    なんでわかるのとも言いたげなお姉ちゃんの顔を思わずじっとりした目で見てしまう。

    断りきれなくて付き合い出した彼氏だ。シュッとしていて爽やかな見た目とは裏腹に、お姉ちゃんが「うん」と言うまで引かなかったしつこいヤツ。

    こうなることは初めからわかっていた。お姉ちゃんの好きなタイプとは違う。そもそもお姉ちゃんにはずっと好きな相手がいるのだ。なのに本人がそれに気づかないままだからこんなことになる。その人の話題になるたびにソワソワフワフワしているのに、気づいていないのは本人だけ。

    お姉ちゃんからお付き合いしてる人がいるのと聞いた時に、家族みんなが「ああやっと」と心のうちで思ったのに、相手は同じクラスの男子だと聞いて、全員が聞き間違えたと思ったのだ。
    「えっ、善くんじゃないの?」
    無邪気に斬り込んだのは弟の六太だった。家族みんなの心の声がひとつになって六太の口を借りてまろび出たのかもしれない。

    善くんというのは向かいに住む私たち兄弟の幼馴染だ。お姉ちゃんから見たら二つ上のお兄さん。だけど、年が離れている感覚はなくて、うちのお兄ちゃんのほうが兄っぽいくらいだ。私やすぐ上の竹雄兄ちゃんなんかは、うちのお兄ちゃんと同い年だとばかり思っていたから、善くんが一年早く制服を着て中学校へ行ったのを二人でエイプリルフールの嘘だと思い込んでいたくらい。
    お兄ちゃんやお姉ちゃんと幼稚園の頃から仲良しで、夏休みなんかは一日中一緒にいて、私たちとは兄弟同然で育ってきた。
    そんな善くんはお姉ちゃんのことが好きで(善くんはそれを隠しもしないから家族だけじゃなくご近所みんなが知っている)、お姉ちゃんも善くんのことを好きで、長らく両片想いというのを燻らせていた。
    近すぎて言葉にするのが怖いのだと思う。

    ほんのちょっとのきっかけで二人の関係は変わると思っていたのに、それが、まさかこんなカタチになるとは思ってもみなかった──

    お姉ちゃんとクラスメイトとのお付き合いが始まり、善くんが血の涙を流しながらお姉ちゃんの登校(隣に彼氏)をドアの隙間から見つめているのは、善くんを応援していた家族みんなが心を痛めていた。けれども家族から別れろと促すのもおかしい。私たちは傍観するしかなかった。

    幸いにして、これは二週間も経たずして新たな展開を迎えることになる。

    全てが丸く収まった今だからこそ言えるが、私は薄々勘づいていた。彼氏とやらが迎えに来た時のお姉ちゃんの表情が暗い。笑顔がぎこちない。全然嬉しそうじゃない。
    並んで歩くのを見かけた時には、その場で「別れなよ」と言いたくなるほど、姉の顔が義務感で固まっていた。歩きにくいだろうにカバンは両手で持ち、手を握らせる隙もなかった。
    これは長くは続かないよなぁと思ったのだ。

    そして冒頭のキスの一件が起きた。どうやら業を煮やした彼氏が迫ったらしい。お姉ちゃんはギリギリまで目を瞑って頑張ったものの、吐息を感じたところで突き飛ばしてしまったらしい。
    「いい人なんだけどなぁ」とは言っていたから友達としてなら一緒にいられるのかもしれない。
    ただ、彼氏への格上げは無理なのだろう。
    お姉ちゃんはいい加減自分の気持ちに気づいて欲しい。
    二度目の「別れなよ」が喉まで出掛かってやめた。お姉ちゃんが「もう少し頑張ってみる」とむんと力こぶを作って決意表明をしたからだ。
    キスしたいと思えるほど好きではないのは努力したところでどうにかなるとは思えないけれどお姉ちゃんは一度決めたことは曲げない。
    一番上の兄とよくにてるのだ。石頭みたいな頑固。

    ここからの展開は早かった。
    姉と買い物に行った私は衝撃的な現場を目撃してしまった。
    駅直結の商業施設の階段の踊り場。外れにあることもあって休日であっても人なんかほとんど通らない階段を、私たちはトイレを探していて駆け降りていた。
    そこでべったりと絡まり合う男女。女の腕は男の首に巻き付いているし、男の方も女を力強く引き寄せている。私服とあって正確な歳まではわからないけれど、10代半ばに見える。目の端で掠めるようにしか見ていないのに、見覚えのある横顔に姉も私も足が止まった。
    あの顔は。
    男の方は毎朝迎えに来て、毎夕送ってくるお姉ちゃんの彼氏だ。モテる部類に入る顔。でも私は好きになれない。

    嫌悪感で背中がぞわぞわする。彼女を裏切れることも、誰が通るかわからないところでがっつりキスできる神経もわからない。やっぱりコイツは嫌いだ。

    唖然としている私の横で姉がぽつりと彼氏の名前を呟いた。
    口から溢れるように。
    責めているわけでも、咎めているわけでもなかった。

    「か、竈門さんッッ⁈いやッ、こ、これはその!」

    慌てふためいた人がパニックになって土下座するのは滑稽だった。
    第三者である私は驚きはしたものの頭の中は冷静で、手も繋げない、キスもできない、そもそも好かれているのかもわからないと感じたら人は移り気になってしまうものかもしれないなんて考えていた。
    まぁ別れる理由を自ら提示してくるバカにつける薬なんてないけど。

    「花子、先に帰っててくれる?話が終わったらすぐに帰るから」

    お姉ちゃんの顔は彼氏の顔をしっかりと見据えていた。やっと心を決めたんだなとわかる。目に力が入っていて、スッと芯が通っていて、身内ながらカッコいいと思った。別れるにしても切り出し方がわからなかったのかもしれない。相手を傷つけちゃったら、と思ってズルズルと来てしまったのだろう。でも、これだけのきっかけがあればお姉ちゃんだってさすがに動く。

    柱の影から覗いて様子を知りたかったけれど、逆の立場だったら修羅場なんて妹であろうと見られたくないよなと思ってすごすごと帰ってきた。
    内心はめちゃくちゃ気になって、何度も引き返しそうになったけど。
    見ても見なくても結論はひとつだ。
    お姉ちゃんはあの彼氏と別れてくる。付き合い続けるなんてことはしない。それだけはわかる。

    それなら私にできることは帰ってきたお姉ちゃんをねぎらって楽しい気持ちに変えることくらい。お姉ちゃんは心に負荷をかけて相手と同じくらい傷ついて帰ってくる。
    よし、とショルダーの斜めがけのベルトをぐっと掴んだ。

    「花子ちゃん?」

    呼び止められて振り返る。親しげに私をちゃん付けで呼ぶ人なんてほんの数人。男の子に限ればこの人くらいだ。

    「善くん!いいところに!ねぇ、パァっとできそうなこと、なんかない⁈」

    お菓子パーティーくらいしか思いつかなかった私は、年の功のアイディアに賭ける。
    「えっ!なに急に……。うーん……思いっきり叫ぶとか川に飛び込むとかそういうこと?」
    「えぇー!もっと楽しいの!」
    「じゃ、カラオケ……?」
    「近くにないじゃん!」

    えぇ〜!そんなぁ!と返す善くんの後ろでコンビニのドアが開いた。在庫処分コーナーにある色褪せた花火が私を呼んでいる。
    蝉の鳴き声はもう聞こえないけれどまだまだ暑い。盆明けにみんなでした花火を思い出す。あれは楽しかった。

    「善くん!あれにしよう!ねぇ、お姉ちゃんと花火、したくない?」

    お姉ちゃんと聞いて善くんの目の色がらんと光った。
    「禰󠄀豆子ちゃんと花火⁈」
    「お姉ちゃん、今日、彼氏と別れてくるの。もう少ししたら帰ってくるから、そしたら、善くん、お願い。お姉ちゃんを笑顔にしてきて。私、花火買ってくるから」
    「え⁈ちょっ⁈別れてくるって花子ちゃん!それどーいう…」
    花火を買い、善くんに手渡す。家族でたっぷり楽しめるジャンボパック。
    「お姉ちゃん、すぐには切り替えられないと思うけど、お姉ちゃんには善くんがお似合いだと思っ」
    言い終える前に私は耳を塞いだ。善くんの顔が叫ぶ体勢に移っていたからだ
    「ギィヤアァァァアァァァァ‼︎‼︎‼︎」
    ふんすふんすと鼻息の荒い善くんが私の手を取った。
    「花子ちゃんがそんな風に思っててくれたなんて俺嬉しいよ‼︎‼︎嬉しくって俺、」
    善くんの手を振り払い、遮るように声をかぶせた。いつもならここから善くんワールドの言葉が綿々と紡がれるがそんな暇はない。
    「応援してるから!でも今日はキザなくらい大人な善くんで行くほうがいいと思う!先に公園に行ってて!私、バケツ取ってくる!」
    家の前でするんじゃないの?という声は背中で聞いた。家族総出で花火をしたら一瞬で終わってしまうし、こんな季節外れに竈門さんは何をしてるのかしらってご近所さんから言われちゃうかもしれない。
    今日はお姉ちゃんを癒やす花火大会なのだ。

    庭から大きなバケツを持ち出して公園に向かう。
    ぽつんと善くんが待っているかと思っていたらもうお姉ちゃんもそこにいた。
    私がバケツを取りに行ったことまで話したのかな。なんでこんな時期に花火?と訊かれて善くんはしどろもどろになったのかもしれないけれど、お姉ちゃんはニコニコとしている。話の合間にふっと表情が消えるけど、彼氏の衝撃的なシーンを目の当たりにして別れ話をしたきたのだから無理もないことだと思う。
    それでも終始笑顔なお姉ちゃんにホッとする。
    善くんと話してる時のお姉ちゃんは心の底から楽しそうで見ているこっちまでほわほわした気持ちになる。
    やっぱりお姉ちゃんには善くんが一番なんだ。
    早く自分の気持ちに気づいて欲しいけど。

    「あ、花子」
    こっちこっちと手を振るお姉ちゃんはいつも通りに見える。でもやっぱり影がある気がする。私にしかわからないくらいの。

    「はい、バケツ。残っても困るし全部使ってきてよね」
    「花子ちゃんは?」
    「お母さんに手伝ってって頼まれたことがあったからそれが終わったらまた来るよ。二人で始めてて。私の分は考えなくていいから」
    善くんにだけ見えるようウインクする。お姉ちゃんが笑ってくれたらいいなっていうのが一番。善くんへのアシストは二番だけど、その優先順位は善くんならわかってくれるはず。

    お姉ちゃんが帰ってきたのは私がお風呂から上がった頃だった。これから行こうと思ってたんだけどなぁーというしらじらしい言い訳を真に受けたお姉ちゃんはアタフタしていたけれど、スッキリした顔をしていた。
    善くん、うまくやったんだな。どこまで進んだのかわからないけど。
    「付き合うの?」
    さすがに今日の今日で付き合いだすとは思わなかったけど、進展度合いくらいはわかるはず。
    「髪のこと?それなら明日、二人で行くの。善逸さんはいいのに、『俺も切る』って」
    「話が見えないんだけど?」
    何の話をしているのやら。初デートが美容院?二人で?髪を切るのは失恋したらって聞いたことあるけど、その考えも平成ぽくて古くない?どうしたらそんなことになるの?
    「花子くらいにしようかな。ずっと長かったし……」
    お姉ちゃんの頭の中はもう明日のことに切り替わっている。色々聞き出して今日の衝撃を思い出させたくはないなと思うとあんまり詮索もできない。


    翌日に二人は仲良く髪を切ってきた。お姉ちゃんは私と同じくらいのボブに。禰󠄀豆子ちゃんと同じくらい切ってと頼んだらしい善くんは短髪の爽やかボーイに。
    (え?どうしたらこうなる?私のせい?チガウヨネ?)

    二人がずっとニコニコ笑顔なものだから私の罪悪感はそこまで重くはならなかったけれど、お姉ちゃんが髪を切ったことで姉妹で間違えられるだとか、善くんがついにお姉ちゃんにフラれたっていう噂が広まったこととか地味な弊害はあった。
     
    月日が経ってお姉ちゃんの髪がまたロングに戻った頃、私はまた同じ相談をされることになる。
    「キスが、できなかったの」
    前も聞いた。このセリフ。前もリビングのソファで、家にはお姉ちゃんと私しかいなかった。西の窓から強い光が入ってて、それ以外は暗くて。
    パチパチとサイダーの音が弾けてるのまで同じ。
    だけど、お姉ちゃんの顔が異様に赤いのだけは前と違う。
    できなかったということはいい雰囲気までいったのに未遂に終わったのかな。
    お姉ちゃんと付き合い出した善くんに何度も「大丈夫だから行け」とけしかけといたのに。
    お姉ちゃんが前の彼氏と別れた理由を知っている(後日、私が善くんに全部話した)からこそ慎重になってしまうのはわかる。でも、お姉ちゃんは告白してくれた前の彼氏のことを好きだと思い込もうとしていただけ。好きだったのにな、と言ったのは「人として、友達として」であって、あの人に対してドキドキしたりはしていなかった。

    お姉ちゃんはずっと前から善くんのことが好きだったのだ。だから同じ轍は踏まないと思っている。
    「……でも、あのね、善逸さんが離してくれなくて、その」
    お姉ちゃんの顔がさらに赤くなる。
    口ごもったまま手が口元はいく。
    私から見ると何も残っていないけれど、お姉ちゃんの中にはキスのぬくもりが残っているようだった。
    ここまで来れば確信に変わる。言いかけた言葉の続きは「離してくれなくて、キスしちゃったの」以外には思いつかない。

    私は心の中でガッツポーズ。
    (よくやった!!奥手なお姉ちゃんにはそれくらいじゃないといつまで経っても進まないよ!)
    「嫌じゃなかったんでしょ?」
    聞くまでもないのだけれど、一応確認。ニヤつくほっぺたを頑張って引き締める。お姉ちゃんは大真面目なのだから。
    「……うん」  

    きっと今頃、向かいの家でゴロゴロとのたうち回っているに違いない姉の彼氏を思う。姉もこの後ベッドで思い出してはゴロゴロと転がるのだろう。
    ふぅ、やれやれだ。世話が焼ける。

    姉から一度目の「キスが、できなかったの」を聞いた時には「それ見たことか。好きでもない人と無理して付き合うからだ」と思ったけれど、それも今日を迎えるための前フリだったと思えば全ていい気がしてきた。

    「どうだった?」
    「え⁈そ、そんな、」
    「気持ちよかった?またしたい?」

    「……うん」
    ひゃあああと叫んだ姉は、たるませた髪で顔を隠してしまった。目や頬はうまく隠したけれど、耳が見えている。耳まで真っ赤でモロバレだけど。
    気持ちよくって、またしたい、と。これは善くんに教えとかないと。
    よかったよかった。

    善くんには明日お姉ちゃんを迎えに来た時にでも教えてあげよう。玄関先で目が飛び出るほど大喜びしてるのが目に浮かぶ。

    それよりも「なんで知ってるのォ⁈」っていうツッコミが先かな。
    でもね、お姉ちゃんも善くんもバレバレなんだよね。
    両片想いだったことを知らないのは当人だけだったし。
    隠してるつもりだったみたいだけど、こそこそ二人でデートしてたのも知ってるし、善くんが告った日も、お姉ちゃんが返事した日も、初めて手を繋いだ日も、家族みんな知ってる。というか見ればわかる。わかりやすい二人だから。

    今日だってお姉ちゃんの切り出し方が悪かっただけで、いま見たらどう考えても「キスしちゃいました」って顔に書いてある。
    キスまでが長かったけど、ここからは一足飛びに進みそうな気がする。
    そこまで考えるのは野暮かもしれないけど、善くんをお義兄さんて呼ぶ日もそう遠くない気がするんだよね。
    それこそお姉ちゃんの十八の誕生日に結婚もありそうな勢い。
    私以外の家族みんなも同じように思っているはず。
    明日、「お義兄さん」て呼んだらどんな顔するかな。
    あっさり「そうだよ、これからそれで呼んで」なんて言うのかもしれない。

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    おもも いもこ

    DOODLEぜんねずでもなく、かまぼこでもない話。主役はじいちゃん。⚡は最後に出てくる。捏造と妄想を蟲毒にかけた結果、こうなりました。年も合わなそうだし、何人も死んでるし、ぐろいと思う人もいそうで、非難轟轟間違いなし。書いた自分もよくわからない。もし、お優しい方が、情けをかけてくださるなら、最後の一行だけ読んでください<(_ _)>
    鼈甲の忘れ形見 御伽おとぎに参りました。
     障子の向こうから聞こえてきた声に、桑島慈悟郎は布団から身を起こした。歳の割に落ち着いた声は、この屋敷で一番世話になっている女のものだ。いつもなら寝るまでに一度は見かけるのに、今日は一度も会わずじまいであったと思っていたところだった。
     桑島は、女に何と返そうか言葉を探していた。
     「御伽おとぎ」を他意なく受け取るなら看病のことだろう。容体を診ながら夜通し傍にいるのも「御伽」だ。
     けれども、桑島は怪我一つしていない。今夜の任務は夜が訪れて早々に終わった。街に夜の帳が下りるのと、桑島の刃で鬼の頸が落ちるのはほぼ同時であり、今宵の悪鬼はこの一体のみであった。
     刀を収めて、そこからこの藤の花の家紋の家まで来た。市井の人々よりやや遅い夕飯を食い、風呂をもらい、さて寝るか、と布団を被ったところで女が訪れたのだ。
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