gift「当ててみろよ、オレの欲しいもの」
三井には翻弄されてばかりだ。思えば出会ってから約ニ年、ずっとそうだった。
恋人同士となった今、少しくらい仕返しをしてやりたいと思い、松本から仕掛けてみるもことごとく返り討ちにされている。
だからこそ来たる五月二十二日、三井の誕生日では三井を見返してやろうと松本はサプライズの計画を入念に練っていた。その矢先に浴びせられたのが冒頭の一言である。
あぁ、また先手を取られてしまった。
「三井の欲しいもの…バスケ関連か?」
間違ってはいないはずだ。松本もバッシュやウェアなど常に欲しいと思っている。喜んでくれるだろうが、どうせならもっと恋人らしい物を贈りたい。
「指輪……は重いか」
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