昼下がりの侵入者 戦いの合間の僅かな休息日の昼下がり。
アバンの使徒各人にとの配慮から設けられた自室で、ダイは手持ち無沙汰に過ごしていた。
連日の激しい戦闘の最前線に立つ身であり、身体を休めるべきと分かっているのだが、ただ一人でぼうっと過ごすのはもったいない。
腹も満たされ、うつらうつらとしてきた頭で、彼は今何をしているだろうか、と思う。
明日はどうなるか分からない身。
どうせなら彼と共に過ごそうかと、そう思い立ったダイは、今にもくっつきそうな瞼をこじ開けると、立ち上がり部屋を出た。
向かうのは、少し前に恋仲になった、一周りほど年の離れた長兄の所だ。
仲間にはまだ知られていない、秘密を共有する仲。
とはいえ、まだ恋人の真似事のような事しかしていない関係。
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