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    29saiman

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    過去イベントにて無配で置いてたものです

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    高間晴

    DOODLEチェズモク800字(いつもより字数オーバー気味)。珍しく二日酔いのモクさん。■二日酔いの朝


     朝、モクマはベッドから身を起こしてずきずき痛む頭を抱える。二日酔いなんて酒を飲み始めた年の頃以来経験していない。だが、昨夜はチェズレイが隣でお酌なんてしてくれたから嬉しくなって、ちょっとばかり飲みすぎた気がする。それ以降の記憶がない。
     ふいに部屋のドアをノックする音が聞こえた。チェズレイの声が「朝ごはんが出来ましたよ」と告げる。モクマは返事をして部屋を出ると洗面所へ向かう。冷たい水で顔を洗うと少しさっぱりした気がして、そのままダイニングへ。
     おはようと挨拶をすればチェズレイが鮮やかに微笑む。味噌汁のいい匂いがする――と思ったのは一瞬で、吐気をかすかに覚えた。
     ――あ、これ完全に二日酔いだわ。
     典型的な症状。食べ物の匂いがすると胃のあたりが気持ち悪くなる。頭痛もぶり返し始めた。だがチェズレイがご飯をよそってくれているのを見ると、どうにも言えない。
     朝ごはんはやっぱり白米がいいな、なんて冗談半分で言ったら、その日のうちに炊飯器を取り寄せて味噌汁の作り方までマスターしてしまうのがこのチェズレイという男だ。そこまで想ってもらえるのは嬉しいが、時々、ほんの少しだけ 892

    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。モさんからチェズへのプレゼント。こんなんでもチェズモクと言い張る。■プレゼント


     夜。リビングのソファで二人飲んでいると、隣でモクマが思い出したようにポケットを探った。なんだろう、と思っているとチェズレイになにかの小瓶が渡される。
    「これ、プレゼント」
     それはマニキュアだった。淡く透き通ったラベンダーカラー。傾ければ中でゆらりゆらり水面が揺れる。瓶には見知った高級化粧品ブランドの名が金色で書かれている。いわゆるデパコスというやつだ。彼がどんな気持ちでこれを買いに行ったのだろう、と思うだけで小さな笑いがもれる。
    「あ、気に入らんかったら捨ててくれちゃっていいから」
    「そんなことしませんよ。
     ――ねえ、これ私に似合うと思って選んできてくれたんでしょう? 私の顔を思い浮かべながら」
     モクマはぐい呑みから酒を飲みながら、「そうだよ」と答えた。
    「化粧品売り場のお姉さんに、『彼女さんへのプレゼントですか?』って訊かれちゃって、方便で『はい』って答えちゃったのがなんか自分でも納得いかんけど」
    「まあそこで彼氏へのプレゼントですなんて言ったら色々面倒ですしね」
     まだこの世界では、異性同士での交際が当たり前で、化粧をするのも女性だけだと思われていることが 818