天国体操第一空色の瞳の天使
みんなは孤児院の前庭にやって来た大道芸を見に走って行ってしまった。
それを見送って、あらしやまは先日見た紙芝居のお話の絵を描こう、と紙とペンを持ち出した。
午後の日差しが差し込む静かな大部屋で、ベッドに上がったあらしやまは白い紙を広げる。
紙芝居はとても楽しかった。とうほうの三人のけんじゃと大きな星。せいぼマリアとそして天使さま。あらしやまは天使の絵を描こうと思っていた。
そこでカチャリとドアが開いた。寮母先生かと思って顔を上げると、入り口には知らない大人の男の人が立っていた。
とてもせいの大きな男の人だった。茶色の髪と白いコートが廊下の窓から入ってくる黄金色の日差しにまぶしく光って見えた。
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