千空と三匹の猫黒千ちゃんが過ごす七夕の話「せんくー。それなんだ?」
「七夕用の竹だ。願い事を書いた短冊を吊るすやつだな」
職場の同僚に運んでもらったったというそれを見て興味津々に近づく三匹のクロ達。
「願い事?」
「てめぇらも平仮名くらい書ける様になったし書いてみるか?」
「書くー!!」
「紙ならそこのダンボールに入ってるから好きなだけ持ってけ」
「はーい」
三時間後
「せんくーできたー!」
「ふはは、随分たくさん書いたじゃねぇか」
大量の短冊を吊るした竹が、くの字にしなっている。
「願い事いっぱいあるからなっ!」
「しかし、こんだけ重いと普通に飾るのは難しいか」
「竹折れちゃうのか?」
「竹は丈夫だ。だからてめぇらの願い事は一つたりとも折れたりしねぇよ」
心配そうに見上げる三匹に優しく微笑むと竹をベランダへと運ぶ。
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