書いてるこっちが恥ずかしい 爆発しろ(暴言) 俺がじっと見つめていると、カーミレは必ず目を逸らす。名前を呼ぶと見上げてくるものの、またすぐに俯く。つむじも可愛らしいが、それ以上に愛らしい顔も見せてほしい。
手を伸ばし、耳の後ろから輪郭をなぞる。カーミレは小さく声を上げた。顎を掬い上げれば、白雪のような肌は紅潮している。目線が合わないよう、頑張って目を伏せている姿もいじらしい。
「……人の顔を見て、そんなに面白いですか……」
「可愛いと思っている」
「……恥ずかしいのでやめてください……」
手を押しのけられた。そして俯かれる。黒耀の髪がまるで帳のように彼女の表情を遮った。
「……さ、触らないで、ください……」
「む……」
致し方ない。彼女の髪に触れようとしていた手を大人しく引っ込める。
「カーミレ」
「はい……」
名前を呼ぶと、やはり律儀に見上げてくる。隙間から窺う瞳が潤んでいるように見えて、色んな意味で心臓に悪い。
「その……こういう触れ合いに、忌避感があるのか? 苦手ならば、あまり触れないようにするが……」
これでも一応、健全な男である。好いた女に触れたいのは山々だが、無理強いするのは本意ではない。
しかし、彼女はすぐさまぶんぶんと首を横に振った。
「い……いや、じゃ……なく、て、そのっ……」
そして勢いで俺の手を取り、掌を胸に押し当てた。柔らかさに意識を飛ばしそうになって、下唇を噛む。
「心臓、壊れそう、なんです……」
「……俺は理性が焼き切れそうだ」