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    _shirosawa

    好きなカプに性別関係無し!
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    _shirosawa

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    ちまちま気まぐれに綴るかも

    天使の観察先 序章人は日々進化しているはずなのに、人は儚く脆い…と白く柔らかな髪をした青空のような瞳の車椅子に座る女性を見ながら彼は心の中で呟いた
    彼は婚約者である彼女の病気を感じさせない明るさ、優しい笑み、好奇心旺盛な所全てを愛し、守りたいと決めた。
    その為に調べ、学び、あらゆる分野で優秀な成績を納め、後継者を産める他の婚約者にしなさいと勧めた両親にも断り続けていた
    そんな両親が事故で亡くなった時も彼女は親身に慰めてくれて、もうこれ以上身近の人を失いたくない思いは強まるばかりだった

    「そういえば、お祖父様が戦争で天使ミカエルを見たとか言ってたなぁ 極限状況の時の幻覚かもしれないけど、とっても強くて傷も一瞬で治ってたんだって!もし本当にいたらロマンチックよね」とマイケルの婚約者ヘレンは何気ない日常会話に花を咲かせて問いかけた マイケルは「そうだね 本当にいたら研究させてほしいなぁ」と会話を楽しんでいた昼下がり、
    「ねぇマイケル…私が死んだら私の使える所は研究で全部使ってほしいの お願いよ」と強い木漏れ日の下の真剣な顔は、まるで天使の啓示のようだった。

    それから数日後、ヘレンは亡くなった。

    マイケルはしばらく取り憑かれたかのように天使ミカエルの事を調べていた。自分でもなぜ調べているかわからない。でも…ミカエルが本当にいたら?脆い人間に進化を促せるとしたら?マイケルは祈り、調べ、一日中ミカエルの事を考えていた
    そんな日が続いたある日、マイケルは研究室でひっくり返っていた。驚きで。

    「貴様!よほど天使ミカエルであるオレの事を好きとみた!オレの事が知りたくて知りたくてたまらないのだろう?」

    天使ミカエルが降臨してきたのだ

    最初はドッキリだと思うだろう だがミカエルと名乗った彼なのか彼女なのかわからない中性的な容姿、羽と髪が一体化したような不思議な髪型、天使の輪、羽、あきらかに人間ではなかった。過労で迎えが来たのかとも疑ってしまった。

    そんなマイケルの驚きも他所に強気な笑みを浮かべた天使は
    「オレもちょうど貴様のような人間を探していた所なんだ!」
    とマイケルに顔を近づけるので眩しさに目が眩みそうになりながらも、マイケルは疑問を天使ミカエルに伝える
    「確かに天使ミカエル様とお見受けします。私は毎日あなたの事を調べ、祈っておりましたが貴方も私のような人を探していたのはなぜなんです?」
    「オレはそう!戦で勝利をもたらす天使なのは貴様も知っているな?創造主様は人間の進化を望み文化の停滞を嫌う…戦争などが特にその原因となる!なので俺が戦に参加し戦争を終わらすのだ!…人の記憶からは消えているが…戦いに勝つ事で得るモノは何だと思う?人の子よ」
    「戦で得るモノ…ですか 領土や財産、支配する権利…でしょうか」
    「人間はな、だが俺には何もない 命を奪うだけしかないんだ そして人の記憶にも残らない…からたまにあえて記憶を消さずにいる!オレだって讃えられたいしな!
    そしてオレにはどうしてもできない事が人間にはできる!…そう!命を生み出せるんだ!人は命を奪うのも生み出す事もできる!オレにはできない!だが欲しい!」
    「そこで貴様を見つけたんだ」
    目を見開き歓喜に震えたような笑みで鼻がくっつきそうなほど近づくミカエルを見ながら情報処理をしていたマイケルはつまり…と声を紡ぐ
    「自分の子供が欲しくて、私ならその力になれると?そしてミカエル様も協力してくれると?」
    「そうだ、オレと貴様と…ひんやりとしている所で眠っている貴様の愛する人の肉体があるのだろう?」

    その言葉にマイケルはビクリと肩を震わせた。 ヘレンの遺言とはいえ、葬式を行った後埋葬せずに保管している事に罪悪感を感じているからだ。その罪悪感を消すには成すべき事を成さねばならないと覚悟を決めた顔でミカエルと向き合った。

    そして決意を決めたマイケルの行動は早かった。
    信用のおける部下のガーレン、マイケル家に仕える人達に研究に協力を要請した時はとうとうマイケル様が気を触れてしまったと嘆いていたがミカエルが降臨して姿を現し納得せざるを得なくなったが、何よりマイケルへの忠誠心で研究は始まった。

    心身的にも物理的にも身を切る研究の末、半人工子宮に眠る赤子がすくすくと成長していた。

    そして少しずつ暖かくなってきた春、その赤子は初めて息を吸い込み産声をあげた

    「や……やった…!!は…はは…本当に元気に…なんて可愛い…」
    涙ぐみながらも赤子をしっかり抱きしめ喜ぶマイケルを見てようやく本当に研究の成果を達成できたのを実感したガーレンもこれまでにないほど喜んだ。
    「さぁ他の研究に関わってくれた人達も呼ぼうガーレン!私と2人の時にミカが目覚めるとは思わなかったよ」
    「えぇそうですね 早速連絡を…」
    そうガーレンが言いかけた瞬間、部屋一面が光に覆われ2人は驚きながら目を瞑り、しばらくして見開いた目の先には…部屋を埋め尽くすほど白く、大きく、羽が沢山生え、死角などないほどの目がある畏怖を感じるが美しいモノが沢山の目でこちらを見ていた。

    「……ッあ、あ…貴方は…天使…でしょうか…?」
    声が震えてしまう。天使ならミカエルで慣れていたはずなのに明らかに異質な雰囲気。
    なぜこんな時にミカエルはいないんだ!
    ガーレンに至っては目を見開いて身動きもできずに固まっている。この者とは対話はできるんだろうかと少しずつ冷静を取り戻そうとしているマイケルにそのモノは答えた。

    「ふむ、その赤子がミカエルと人間達が人工的に生み出した子か?答えろミカエル」

    「…は〜い…創造主様…」

    まるで親に叱られるのを観念したような子供のようにミカエルが出てくる。

    「ミカエル、なぜ天使は人間の姿をしているが子を成せないのは理解しているか?」

    「生があるから死は存在し、死が存在しない天使が子供を成せるようになったら天使で溢れかえり混乱を招く可能性があるからで〜す…」

    まるで学校な授業のようなやりとりを続けていく

    「そうだ。だが人間が人間だけで不老や不死などを目指し研究し精進していくのはまったく我はかまわん。だが天使が介入しては発展とはいかないだろう。ましてや自分の子が欲しいからというエゴで研究に手を貸したな?」

    思わず自分にも刺さる言葉聞き、マイケルはビクリと肩を振るわせながらミカを抱き直す
    そんなマイケルなどお構いなく創造主と呼ばれた沢山の目線がミカに注がれまた口が開かれた。

    「ふむ、ふむ…だがその努力の結晶は賞賛に値する。まさか成しえる事などないだろうと我も忠告しなかったのだからな。…身体はほぼ人間に近いが…手を加えればミカエルとそう変わらない天使になるだろう。」

    そう言いながらミカを掬い上げようとする創造主からマイケルはミカ強く抱きしめて後ずさり懇願する

    「どうか待ってください!ミカに何をするのかお聞かせください!」

    「その赤子をミカエル代理の天使にするのだ。ミカエルは使命を放棄しているが、ミカエルの力を含んでいるその子なら成しえるだろう」

    「ミカエルの使命とは一体どのような使命なのですか…!?」

    「ここから先は私が説明致しましょう」
    その言葉と共に桃色の長く柔らかそうな髪、美しい紫色の目をした天使が舞い降りてきた

    「私はガブリエル 創造主様の補佐を主にしております。ミカエルは堕天したルシファーを探しだし討伐しなければいけません。ルシファーはかつて同士でしたが人間を嫌い、人間を堕落させ、滅ぼす事を最終目標として創造主様に刃向かう厄介な存在であるのです」

    「ルシファーに対抗できるのはおそらくミカエルぐらいでしょう そのための剣もミカエルに授けられています。現在人間界は堕天使に取り憑かれた人間が悪魔となり静かに猛威を奮っており、人の数も減る一方…流石に動き出さねば人の世が危ういのです。」

    簡潔に丁寧に説明したガブリエルは静かにマイケルを見つめ、マイケルの言葉を待っていた。

    「…悪魔に悩まさせれる人がいるなら助けましょう そしてルシファーを探すのでしたら私も探しましょう 私が持っているもの全てを使ってでも尽力致します。なのでどうか…せめてこの子…ミカには選択肢を与えて頂けないでしょうか?」
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