マニキュアもの(にしたかった)「あれ、傷男なにやっての?」
「あー?」
本日も快適なブラックジャック号の船内。最近仲間になった魔導士の血を引く天才画家の少女は三時のおやつとしてセリスが作ったパンゲーキを運ぶ役目を与えられ、各々時間を潰している面々に美味しいおやつを渡していた。そして、最後に辿り着いたのが飛空艇のオーナーがいるであろう、セッツアーの自室だ。扉を開くと、そこでとある作業をしていた主に疑問の声をあげた。
彼は少女の言葉に振り返る。彼が今しがた作業していた机の上には繊細な小瓶を数種並べられ、右手に筆を握り、左手の爪に作業している姿
「ああ、これか。これはマニキュアだ」
「そんなの知ってる!」
「じゃあ聞くなよ」
「そーじゃなくて!男であるあんたがなんで爪紅をひいてるかってこと!」
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