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    sikou_ga_maigo

    とにかくダイとポップの組み合わせが大好きです。このふたりがお互いを大好きで仲良しなら受け攻めはどちらでも良い、CP未満の強めの友情もリバも美味しく頂けてしまうという性癖の持ち主なのでご注意くださいませ…!

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    POIPOI 33

    sikou_ga_maigo

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    1話→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15966118

    2話→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15966185

    #ポプダイ
    popDie
    #現パロ
    parodyingTheReality
    #ダイ大(腐)
    daiDai

    初めてのおでかけ(未完)※注意!※
    ────
    ・未完です!取材も兼ねて商店街に行きたいのですが中々実現できないため、完成は遠そうです…
    ・日本生まれ日本育ちのポップ×帰国子女で実は御曹司のダイの現パロ、15×12です。

    以上がOKでしたらスクロール↓









    【初めてのお出かけ】



    「そうそう、おれはもう頭ン中に入ってっから、コレ、おまえに渡しとくな」

     そう言うポップからダイが手渡されたのは、掌に収まるサイズに折り畳まれている、丈夫そうな厚紙だった。歩みを止め、受け取ったそれを開いてみると、A4サイズくらいに広がったので、ダイは目を丸くする。

    「すっげえや!これ、もしかして、折り紙?ポップが折ったの?」
    「へ?」

     ダイがあげた歓声に、隣で立ち止まっているポップが目をパチパチと瞬かせた。この反応からしてみると、どうやらダイの予想は外れたらしい。

    「あれ、違うのか?日本には、折り紙っていう、魔法みたいな紙の折り方があるって聞いたことあるから、これがそうなのかと…」
    「あー…なるほどなあ。これは折り紙とはちげえし、おれが折ったわけでもねえよ。元々こうやって折られてたんだ。それに、おれの折り紙の腕は、こんなもんじゃねえぞ?」

     パチンとウインクをしたポップが、得意げに笑う。

    「そうなの!?」
    「こう見えて、手先は器用な方なんでな。しばらく折ってねえけど…ま、なんとかなんだろ。今は折れるような紙が手元にねえし、平らな場所じゃねえと折りづれえから無理だけど、そのうち見せてやるよ」
    「やった!楽しみにしてるね!」
    「おう、期待しとけ!んじゃ、ちょっとソレ、見てみろよ」

     ポップがそう言いながら、ダイが手に持ったままの先程の紙を指差した。ざっと目を通してみると、食べ物らしいもの、誰かの似顔絵らしいもの、可愛らしい建物などのカラフルなイラストが並んでいて、全体的に楽しげな雰囲気を醸し出している。ダイはそれらを一通り眺めると、心苦しくなってしまった。

     現在ふたりは、昨夜の約束を果たすべく、商店街へ向かう道を、肩を並べて歩いていたところだった。ポップがダイに先程手渡してくれた紙は、彼が深緑色のトートバックから取り出したもの。つまりポップが、ダイの為にわざわざ自宅から持ってきてくれたものなのだ。──けれど。

    「…あのさ、ポップ」
    「お、なんだ?どっか気になる店でもあったか?」
    「……地図だってことは分かったんだけど、ほとんど読めない…」
    「え」

     ダイの言葉に、ポップが目を丸くした。

    「おれ、まだ漢字が苦手なんだ…」

     上の方にMAPという文字が書かれていたために、これが地図なのだとは分かった。道を表していると思われる灰色のラインの左右に並ぶ文字の中に「cafe」「shop」などという単語がちらほら見られたことからも、これが店の場所を示しているのだろうことも、理解はできた。これから向かう場所が多くの店が立ち並ぶ商店街であり、ポップが『おれはもう頭ン中に入ってっから』と口にしていたこともあって、商店街の地図なのだろうことも予想はできた。
     …が。殆どの文字はダイが苦手とする漢字だったので、内容の半分も理解できなかったのである。

    「あー…ま、そりゃそうだよなあ」

     ポップが、ガシガシと音を立てながら彼の後頭部を掻く。折角の好意を無下にしてしまったことに、申し訳無い気持ちになった。

    「ごめんよ…簡単なものなら、いくつか読めるんだけど…」
    「べっつに、謝るこたあねえよ。日本人だって読めねえ漢字があるくれえなんだぜ?まだこっち来たばっかりのおまえが漢字が苦手なことなんざ、当たり前なんだって」

     ぶっきらぼうな言葉遣いのわりに優しい口調で、ポップがそんな風に言ってくれる。ついでのように頭をわしゃわしゃと撫でられて、ダイの口元が思わず緩んだ。

    (やっぱりおれ、ポップに頭撫でて貰えるの、好きだなあ…)

     慈しむような、ひたすらに優しいブラスの触れ方も好きだと思う。けれど、もっと気安い感じで、丁寧とは言えないけれど、親しみを感じさせてくれるポップの触れ方が、とても好きだ。

    「それは、これから行くパプニカ商店街の地図だよ。おまえにやるから、とりあえずは持っとけ。ついたら、それ見ながら歩こうぜ。読めねえ文字は、教えてやっから。実際の場所とその地図見比べりゃ、読み方も覚えやすいだろうしな」
    「分かった!ありがとう、ポップ」

     ダイはマップを丁寧に折り畳み、リュックのサイドポケットにしまった。

    「どーいたしまして。んじゃまあ、おれのお勧めコースで行くかあ。色々見ながら、気になるトコあれば寄る、って感じで、気楽に行こうぜ!」
    「うん!」

     ふたりで笑い合い、再び商店街を目指して歩き出す。ダイの胸は、既に楽しみな気持ちではち切れそうになっていた。ポップから貰った商店街の地図が、まるで宝の地図のように思える。

    『おれが魔法使いだ、っつうんなら、ダイは勇者だな』

     昨晩のポップとの会話が思い出されて、つい、勇者の自分と魔法使いのポップが冒険に出る、というイメージを夢想してしまった。そして、イメージの中での自分たちも現実と同じく、とても楽しそうに笑い合っていて。嬉しくて、楽しくて、口元が緩むのを止められない。

    「とりあえず、入り口にも近えし、クロコダインのおっさんとこの魚屋は先に行くぞ。限定おにぎりが売り切れる前に買っときてえしな。で、次はナバラのばあさんとこの駄菓子屋だ。おれが買い食いの極意ってやつを教えてやるぜ!」
    「かいぐいの、ごくい…?よくわからないけど、なんか楽しそうだな!」
    「おう、楽しいぞ!んで、あとは気になるもん色々見ながら、途中にある横道を抜けた先にある公園を目指そうぜ。そこで休憩がてら、昼飯な。ベンチも木陰もあるし、自販機もあるから丁度いいんだよ」
    「じはんき…あっ、知ってる!お金入れると飲み物とか出てくる機械のことだよね?」
    「ん?もしかして、使ったことはないのか?」
    「うん。初めて見たのは、日本に来てからだよ。空港でいくつか見かけて気にはなってたんだけど、買い方がよく分からなかったから、使ってはいないんだ」
    「へええ…そうなのか。そういや、前にテレビで見たなあ。日本は自販機大国だって。うっし、後でおれが使い方教えてやっから、買ってみな」
    「やった!ありがとう!」

     ポップとそんな会話を交わしながら歩いていると、いつの間にか、商店街の入り口がすぐそこへと迫っていた。

    ***

    現在はここまでです。お読み頂きありがとうございました!
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    Replies from the creator

    sikou_ga_maigo

    MAIKINGこちら→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16964720の番外編です。本編を読まないと色々分かりにくいと思います。最終回後二年で再会してデルムリン島で新婚生活を送ることになった、ちょっとお互いに依存度高めのポダの、再会直後〜初夜までの話になる予定。R18ですが、まだR18パート手前です。
    【全きみ番外編(仮題・未完)】「わあ!すっげえや!」

     デルムリン島の森の中に、ダイの歓声が響いた。

    「まっ、おれにかかりゃあ、ざっとこんなもんよ」

     ポップが得意げに鼻の下を指で擦ると、ダイはキラキラとした目で隣に立つポップを見上げ、「さすがポップ!!」と声を弾ませる。
     ふたりが今何について会話しているかといえば、つい今しがた完成した、ふたりの住まいについてだった。ポップが呪文を駆使し、ものの数分で作り上げたのである。
     家を作り上げたとは言っても、ポップがやったことと言えば、威力を調整したイオやバギで岩盤を掘削し、岩壁に穴を開けて明かりとり用の窓を作成し、岩の破片やら土埃やらを吹き飛ばし、住みやすく整えただけだった。ダイの探索の為にあらゆる呪文を身に着け、扱い方も手慣れている今のポップにとっては、造作もないことである。けれど。
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