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    ムーンストーン

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    ムーンストーン

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    ひたすら暗いけれど、たった一人にとって救済になる未来にしたいと思いました。
    原作終了後、ダイが帰還後のIFストーリーです。
    死にネタと残酷表現が一部ある為にR-18Gにしました。

    #R-18G
    #ダイ大(腐)
    daiDai
    #ダイ
    die
    #ポップ
    pop

    The end of the adventureまず地上の人間を。
    次に魔界の魔族と竜族を。
    冥竜王ヴェルザーは魔界の一番大きくて深い溶岩溜まりに放りこんだ。
    雷竜ボルクスは竜魔人になって引き裂いた。

    それから取り零しを探しにもう一度地上へ。
    丁寧に丁寧に、大陸という大陸の端から端まで人間を、モンスターを、魔族をすり潰していく。
    デルムリン島は大切な友達がいた所だから、苦しめないようにドルオーラで消し飛ばした。
    昔の仲間が話し合おうと近寄ってきたから、俺と刺し違えるための武器を握り潰してから消した。

    あれから何日たっただろう。
    何度も世界中を飛び回って消していくだけの日々は俺から時間の感覚を奪っていた。
    これをはじめた頃は精霊の奴らが五月蝿かったが今はもう何も言ってこない。

    やっと世界が静かになったから、久しぶりにここへきた。
    俺の剣があった所。
    あいつがどうして俺にとって世界は優しくないんだと泣いた所。
    あいつが俺をかばって死んだ所。
    俺がはじめて人を殺した所。
    俺があいつを葬った所。
    一面花畑の中で、そこだけ土がむき出しになっていたのに。
    今はまた花で埋めつくされていた。

    俺はあいつの上に大の字に寝転がった。
    花と土を通してもあいつの温もりを感じてほっとする。

    「こんな事を彼は望んでいないわ」
    「彼を悲しませるのはやめろ」
    「お前は心まで魔獣になったのか!」
    「貴様の行いを奴の前で言えるのか?」
    「貴方は一体何をしたいんですか?」

    風にのって届くのは幻聴。
    だってそれを言った奴はとっくに俺が消したから。

    どいつもこいつも、あいつの事をちっともわかってない。
    あいつは、俺に対して滅法甘いんだ。
    俺が誰でも、バケモノでも友達だって。
    最後の最後までつきあってやるって言って、本当にそうしてくれた親友なんだ。

    だから俺はこの賭けに勝てると確信している。

    寝転がったまま俺の剣を抜き、喉笛を一文字にかき斬った。
    痛みはすぐに熱さに変わり、呼吸の代わりにゴボゴボという音に変わった。

    そして……俺が剣を投げ出した所に人影が見えた。
    若草色の旅人の服を着て、山吹色のバンダナをしているあいつがいつものように両手をひろげて、飛び込んできた俺を思い切り抱きしめる。

    「随分遅かったな、待ちくたびれたぜ」
    「ごめん。しなくちゃいけないことがあったんだ」

    俺は何をしたんだっけ? 
    俺という竜が護ろうとした、たった一つの宝物を奪ったこの世界に復讐を。 
    こいつの望み、「世界を俺に優しくする」為に。

    「人も竜も魔族も、みんないなければ争いもおきない」 

    そう、俺は最後の竜の騎士として使命を果たしただけ。
    三界は永遠に平和になった。
    神だろうと文句は言わせない。

    「こんな真似をして、彼にどんな顔をして会うつもりですか?」

    先生、賭けはやっぱり俺の勝ちだ。
    ポップは笑って俺を迎えてくれた。

    そして俺と肩を抱きあい歩きだす。

    《少年は生涯の友と出合い、喜び、怒り、哀しみ、楽しみ、その冒険すべてを分かち合いました》

    だからデルムリン島からはじまった俺とポップの冒険はここで終わる。

    〜The end of the adventure〜


    「次は何をしようか?」
    「お前とだったら何でもできるさ」
    そして俺とポップの新しい冒険はこれからはじまる。
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    ムーンストーン

    DONEダイの大冒険 リア連載時から疑問だったバルトスの敵討ちについて書き連ねました。
    以下バルトスファンとヒュンケルファンには申し訳ない話しが続きますが個人の感想なのでお許し下さい。

    ハドラー(造物主)のから信頼より子への愛情を取って責任追及された事をメッセージに残す=ハドラーへ遺恨を残すことになりませんかとか魔物と人間とは騎士道精神は共通なのねとか。
    ダイ大世界は生みの親〈〈〈育ての親なのかも。
    20.審判(ヒュンケル/ランカークス村)〜勇者来来「勇者が来るぞ」
    「勇者に拐われるから魔城の外に出てはならんぞ」
    懐かしい仲間たちと父の声が地底魔城の地下深く、より安全な階層に設えられた子ども部屋に木霊する。
    この世に生をうけ二十年余りの人生で最も満ち足りていた日々。
    ヒュンケルがまだ子どもでいられた時代の思い出だ。


    「暗くなる前に帰んなさい!夜になると魔物がくるよ!」
    黄昏に急かされるようにランカークス村のポップの家へ急いでいた時、ふいに聞こえてきた母親らしい女の声と子供の甘え混じりの悲鳴を聞いてヒュンケルとダイは足を止めた。

    ヒュンケルが声の主はと先を覗うと見当に違わず若い母親と4〜5才の男の子が寄り添っていた。
    半ば開いた扉から暖かな光が漏れ夕食ができているのだろうシチューの旨そうな匂いが漂う。
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    ムーンストーン

    DONEダイの大冒険 ナバラによるアルキード滅亡の日の回想です。
    テランの人口が急減した理由の一つに理不尽すぎる神罰があったのではないかと思います。
    あの世界の殆どの人は結局アルキードが何故滅びなければならなかったのか知らないままだから神の力の理不尽さに信仰が揺らいだ人も多いと思います。
    夢から覚めた日〜ナバラ「あの日」のテランは雲一つない穏やかな陽気だった。

    暑くもなく寒くもなく、洗濯日和と言わんばかりの優しい風が吹きすぎる。
    そんなうららかな日だというのに何時にないむずがりかたをするメルルにナバラは朝から手を焼いていた。

    「いつもお利口さんなのに今日はご機嫌ななめだねぇ」
    女所帯のナバラ達を気にかけて何かと助けてくれる近所の若者、ドノバンがあやしてくれたが更に大声で泣いてメルルは家の中に駆け込んでしまった。 
    「全くだよ。せっかく忙しいお兄さんが遊んでくれたのに」
    悪いねぇと詫びるナバラに、たまにはそんなこともありますよと気の良い笑顔を向け、若者は花と香炉の入った籠を取り上げ竜の礼拝所へ朝の礼拝に向かった。

    「全く信心深い子だよ。テラン人の中でも朝晩欠かさず竜の神殿に詣でるなんてあの子位だ」
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