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    ムーンストーン

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    ムーンストーン

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    ダイ⇆ポプ 一発書き。捏造しかありません。
    アニメ第60話 月夜のデートが尊すぎて二人の出合いと想いが…うわぁぁーとなって全然醒めないのて。自己救済。

    #ダイ大(腐)
    daiDai
    #ダイポプ
    dipop
    #ダイ
    die
    #ポップ
    pop

    紅は異ならずデルムリン島はモンスターばかりが住んでいるから他所からはモンスター島ともよばれている、と俺に教えてくれたのはロモスへ行く舟旅中のポップだった。

    あの5日間と魔の森を彷徨ったときにポップと話した沢山のことが、ニンゲンの世界で生きていく為にとっても役に立つとはその時は全然分からなくてただお喋りしてただけだと思ってた。

    ポップは「ニンゲンの常識」を知らない俺の質問やズレた答えを馬鹿にすることもなく真面目に、だけど剽軽に教えてくれたっけ。

    大好きだったアバン先生を亡くしたばかりで寝る度に悪夢に魘されたり飛び起きたりしてたのに俺は兄弟子だからな、って無理に笑顔を造りながら。

    思えば俺にとっては友達もじいちゃんもモンスターばかりの「モンスター島」のなかで俺だけがニンゲンでも気にならなかったし、何ならニンゲンっていうモンスターの一種だと思ってた。

    だけどゴメちゃんを狙ってニセ勇者一行やロモスの王様たちやレオナたちにあって「確かにモンスターとニンゲンとは違いがあるな」って感じてた。

    まず言葉が通じるってとっても楽だなと思った。
    デルムリン島で言葉が話せるのは俺とじいちゃんだけで、友達とは鳴き声から何を伝えたいのか俺が感じとらなきゃならなかった。

    一番仲がいいゴメちゃんだって美味しい樹の実があるよ、と教えてくれる時は「大岩のそばの樹の、下から3番目の枝になってるよ」と伝えるには俺をそこまで案内しなくちゃいけない。
    そこはちょっと面倒だけどしょうがないと納得してた。

    だけど言葉が通じるのは楽ばかりじゃない。ニンゲンは嘘をつく。

    言葉と行いが違うことが良くあるって、島を出る前ですらニセ勇者やレオナを傷つけようとした奴らから学んだけど、友達のモンスター達は嘘なんてつかないから、なんで言った事と違うことをしたり騙したりするのか分からなかった。

    「そりゃあ人間には欲があるからさ」
    舟の中でポップが精いっぱい大人の顔をして言った。
    一々相手の言葉が嘘か本当か考えなくちゃならないなんて、ニンゲンって面倒くさいんだってうんざりした。

    「まあ心配すんな、もし人間と友達のモンスターがお前に全然違うことを伝えたらどっちが正しいかわかるだろう?」
    人間同士だってそうさ、その内慣れるよ。俺に言わせりゃ鳴き声で何を伝えたいか分かるお前の方がスゲェ奴だって思うぜ、ってポップは笑いながら頭を撫でてくれた。

    そして、俺がモンスターの一種じゃなく「ポップと同じ人間」だと解ったのも舟の上だった。
    時化を乗りきった後、交代で眠っているとポップが痛てぇ、と悲鳴をあげたからびっくりして目覚めると紅色が目に飛び込んできた。
    海が荒れた時に絡んだまま放っておいたロープを解こうと、手袋を脱いだ素手に船縁のささくれが刺さったらしい。
    ポップが左の人差し指に刺さった棘を抜いてその付け根をギュッと押さえて止血すると紅色がぷっくりと珠をつくった。
    「何見てんだよ」
    涙目になったポップが機嫌悪そうに睨んできた。
    「俺とおんなじだ!」
    「はぁ?」
    ポップがなに言ってんだという表情になった。
    「ポップも血が赤いんだね」
    「あったりめぇじゃん…あ、そうか」
    モンスターは青い血だもんな、と納得して顰めていた眉が元に戻る。
    結構深く刺さったらしく見る間に血がこぼれ落ちそうになる。
    なぜか勿体ないって気持ちになって気づいたらポップの指に吸い付いていた。
    「なっ…」
    俺は耳まで赤くなったポップの顔を見ながら、口の中に拡がる塩っぱい味が無くなるまで傷口を舐めては吸って、もしかしたら入ったかもしれない悪い気を吸いとろうとした。
    「もういいぜ、消毒してくれたんだな」
    ありがとさん、とポップはやっと指から離れた俺の頭を撫でてくれた。
    「色も味も一緒だね」
    くふふと笑うとポップはまた顔を赤くした。

    赤い血と青い血。 人間と人外のバケモノ。
    その違いに苦しむ日がくるなんて想像もつかなかったあの日、確かに俺は幸せだった。
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    ムーンストーン

    DONEダイの大冒険 リア連載時から疑問だったバルトスの敵討ちについて書き連ねました。
    以下バルトスファンとヒュンケルファンには申し訳ない話しが続きますが個人の感想なのでお許し下さい。

    ハドラー(造物主)のから信頼より子への愛情を取って責任追及された事をメッセージに残す=ハドラーへ遺恨を残すことになりませんかとか魔物と人間とは騎士道精神は共通なのねとか。
    ダイ大世界は生みの親〈〈〈育ての親なのかも。
    20.審判(ヒュンケル/ランカークス村)〜勇者来来「勇者が来るぞ」
    「勇者に拐われるから魔城の外に出てはならんぞ」
    懐かしい仲間たちと父の声が地底魔城の地下深く、より安全な階層に設えられた子ども部屋に木霊する。
    この世に生をうけ二十年余りの人生で最も満ち足りていた日々。
    ヒュンケルがまだ子どもでいられた時代の思い出だ。


    「暗くなる前に帰んなさい!夜になると魔物がくるよ!」
    黄昏に急かされるようにランカークス村のポップの家へ急いでいた時、ふいに聞こえてきた母親らしい女の声と子供の甘え混じりの悲鳴を聞いてヒュンケルとダイは足を止めた。

    ヒュンケルが声の主はと先を覗うと見当に違わず若い母親と4〜5才の男の子が寄り添っていた。
    半ば開いた扉から暖かな光が漏れ夕食ができているのだろうシチューの旨そうな匂いが漂う。
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    ムーンストーン

    DONEダイの大冒険 ナバラによるアルキード滅亡の日の回想です。
    テランの人口が急減した理由の一つに理不尽すぎる神罰があったのではないかと思います。
    あの世界の殆どの人は結局アルキードが何故滅びなければならなかったのか知らないままだから神の力の理不尽さに信仰が揺らいだ人も多いと思います。
    夢から覚めた日〜ナバラ「あの日」のテランは雲一つない穏やかな陽気だった。

    暑くもなく寒くもなく、洗濯日和と言わんばかりの優しい風が吹きすぎる。
    そんなうららかな日だというのに何時にないむずがりかたをするメルルにナバラは朝から手を焼いていた。

    「いつもお利口さんなのに今日はご機嫌ななめだねぇ」
    女所帯のナバラ達を気にかけて何かと助けてくれる近所の若者、ドノバンがあやしてくれたが更に大声で泣いてメルルは家の中に駆け込んでしまった。 
    「全くだよ。せっかく忙しいお兄さんが遊んでくれたのに」
    悪いねぇと詫びるナバラに、たまにはそんなこともありますよと気の良い笑顔を向け、若者は花と香炉の入った籠を取り上げ竜の礼拝所へ朝の礼拝に向かった。

    「全く信心深い子だよ。テラン人の中でも朝晩欠かさず竜の神殿に詣でるなんてあの子位だ」
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