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    10ゲージのポイポイ

    @honey_bee_19se

    書けないものとか色々ポイポイ

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    POIPOI 89

    宇煉。遊郭の時。
    書きたいけど書けないなぁ。難しい。

    毒が回り、もう言葉さえ紡ぐのも難しくなってきた。
    目も霞んできて、雛鶴達の姿も朧げだ。

    俺は、死ぬのか。

    やれるだけの事はやった。
    細い糸を手繰り寄せ、上弦の鬼の首も斬った。
    これでまた、哀しい思いをする人が減るだろう。
    俺がここで死んでしまっても、仲間達が意志を繋いでくれるだろう。

    あの、炎の様に熱い男も、死の淵で同じ事を思ったのだろうか。
    煉獄。
    俺も、もうじきにそっちに行くことになりそうだ。
    お前に、やっと、会える。


    目の前に赤い炎が見えた。


    体が炎に包まれている。
    オイオイ煉獄ぅ、俺が死んですぐに火葬かよ。
    死んでもせっかちなのは変わらねぇのか。
    なんて思った瞬間、凛としたよく通る声が聞こえた。


    宇髄。
    まだだ!こちらに来るのはまだ早い!
    俺と君の『継子』を頼んだぞ。


    ハッと気づけば体を包んでいた炎は消え、ついでに毒も消えていた。
    体に鮮明な痛みが戻る。
    俺は、生きている。

    泣いて抱きついてくる須磨を受け止め、呆然とする。
    驚いて竈門を見れば、竈門の妹が血鬼術で鬼の毒だけ燃やし飛ばしたと告げられた。
    煉獄の炎だと思ったあの炎は血鬼術の炎だった。
    走馬灯か?
    いや、確かに俺は煉獄の声を聞いた。


    俺と君の『継子』を頼んだぞ。


    そういや、お前もあいつ等を継子にしてやるとか言ったらしいな。
    妹に抱えられた炭治郎の背中が見える。

    ああ、分かったよ。
    しっかり鍛えてやるよ。
    『俺たちの継子』を。
    そんで、無惨を倒してからそっちに土産話を持っていってやるからな。
    そこで待ってろよ、煉獄よ。

    日が昇る。
    アイツの髪の色のような金色の朝日。
    なんだか、高らかに笑っているような気がした。
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