ある日の夢④私は学園の池を泳いでいた。
だがおかしい。いくら泳いでも池の縁にたどり着かない。その場で立ち止まろうとしたら、池の底に足が付かなかった。慌てて立ち泳ぎをする。いつもは浅い池なのに。
池には底がなくなっていた。深く、どこまでも水が続いている。ずうっと奥の方は暗くなっていてよく見えない。
その水の中、小平太が沈んでいくのが見えた。目を閉じている。顔が青白い。
さーっと血の気が引いた。まさかそんな、嘘だ。いや、まだ間に合う。すぐに助ければ。
潜ろうとするが、体が浮き上がってしまって、小平太にはたどり着けない。何度繰り返しても同じ。いくら水を蹴っても、小平太との距離は広がっていくばかり。小平太は暗い底の方へと沈んでいく。
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