クイーン・ビーの肖像(未完)「シティポリス・アシストロイド初号機のネロさんですよね」
多分それちょっと不躾だぞ、と感じたが、指摘してやるほど俺も真っ当な教育を受けた訳ではないから、そうだけど、と答えてやる。
「マシューといいます。はじめまして。僕、貴方の存在を知った時、絶対にお会いしたかったんです」
「奇遇だな。俺もあんたのことは気になってた。……ハイクラス出身だって?」
目の前の青年というには若くて、少年というには年を重ねすぎている彼に投げかけたら目をしばたたかせて呆気に取られた後、困ったように笑う。
「まいったなあ。皆に言われるんです、それ」
「そりゃあ気になるさ。わざわざワーキングクラスくんだりまで降りてきて——シティポリスだって? ここはフォルモーントシティ随一のレイシストたちが蔓延ってて、今だに差別語が飛び交うような場所なのに」
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