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    Hakuaisan(GWT)

    @Hakuaisan

    二次創作てんこ盛り野郎

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    POIPOI 292

    Hakuaisan(GWT)

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    「こいつなんの妖怪だ?」←赤ん坊抱えてる
    「むぅ?」←哺乳瓶でミルク飲んでる

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    「うぁーう」
    「お前はいいよな、こうやって飯貰ってオムツまで変えてもらってんだから」
    「うぉ?」
    俺の腕の中で無邪気に笑う赤ん坊。何故か満場一致で俺が面倒を見ることになった。赤ん坊の名前はアキト。一緒に落ちていた服に『AKITO』の刺繍がされていたので、恐らくそれがこの子の名前だろう。今はアジトとは別のアパートを借りてアキトの世話をする。
    「うぁ・・・だぁ」
    「はいはい。ほら、飯だぞ」
    粉ミルクを溶かして作られたそれを哺乳瓶でアキトに与える。
    「んく・・・んく」
    「いい飲みっぷりだな。全部飲んでいいからな」
    喉を鳴らしながら一生懸命にミルクを飲む姿は、なかなかに可愛らしいものだ。だが、どうも上手くいかずに口の端からこぼしてしまう。赤ん坊の世話なんてやったことがないから、上手に出来ないのは当たり前だ。そして、これをあと10回繰り返す。アキトの飲みっぷりは凄まじく、飲んだものが何処へ行ったのかと思う程だ。
    「凄いな。もう全部飲んだのか」
    「うぁー」
    まるで褒めろとでも言うように、アキトは満面の笑顔を見せる。俺はそんなアキトの頭を撫でてやると、また嬉しそうな笑顔を向けて来た。
    「可愛いな」
    「あうぅ」
    時折見せる少し大人びた顔にドキッとする。右耳の辺りに生えている角を見るたびに人間ではないと思い知らされる。
    「んく・・・んく」
    「え、おい!」
    アキトは何度か口をモゴモゴとさせると、何を思ったのか俺の指をしゃぶり始めた。柔らかい赤ん坊の唇の感触が俺の鼓動を激しくさせる。
    「なっ・・・お前、やめっ・・・」
    アキトは指を舐めるのが気に入ったのか、そのまま口に含み始める。その口の中でチロチロと動く舌が俺の指を刺激する。
    「むぅ・・・ん」
    アキトはまるで赤ん坊とは思えない色っぽい吐息を漏らし、その行為に反応するように俺の下半身が熱を持ち始める。
    「うぁ?」
    俺の変化に気づいたのか、アキトは口から指を出して不思議そうに顔を眺めている。
    「はぁ・・・って見るんじゃねぇ!」
    俺は咄嗟に股間を隠そうとした瞬間、俺はあるものを目の当たりにした。
    ****
    「けぇけぇ、けぇけぇ」
    サイズの合わないシャツを着た子供。外見は5歳くらいで右耳の辺りの角が少し伸びている。何が起きたのかというと、突然アキトが急成長をとげた。赤ん坊から子供へと変化していき、それにともない着ていた服が破れたので急遽、俺のシャツを着せた
    「お、お前・・・アキトか?」
    「そーだよ、けぇけぇ?」
    不思議そうに首をかしげながら答える。
    「ちょ、ちょっと触ってもいいか?」
    「んー」
    アキトは満面の笑みを浮かべながら両手を広げる。俺は恐る恐るアキトの体を触り始める。まず手から腕、そして胸へと触れる。
    「・・・本物だ」
    柔らかい感触と共に体温が伝わってくる。夢じゃない、本物のアキトだ。
    「むぅ?」
    頬に両手を当て、ぷにぷにと柔らかい感触を堪能する。
    「けぇけぇ、くすぐったい」
    「あーもう!可愛いなぁ!」
    アキトの頭をくしゃくしゃと撫でる。嬉しそうに笑いながらくすぐったそうにしている様は正直可愛い過ぎる。不意にドアチャイムが鳴り、その後に扉が開く音がする。
    「KK、来ないから様子を見に来・・・た」
    「?」
    部屋に入ってきた凛子にアキトはキョトンとした顔を向ける。
    「えっ・・・何その子供?」
    「アキト」
    呼びかけると小さく頷いて肯定する。しかし、凛子は固まったまま動かなくなってしまった。そりゃそうだろう、さっきまで赤ん坊だったアキトがいきなり成長したのだから。俺はそのことを凛子に話す。
    「なるほど、そう言うわけね」
    「ふへへっ」
    凛子に抱っこされたアキトは嬉しそうに笑っている。どうやら凛子のことを気に入ったらしい。
    「りーこ、すきぃ」
    「んー私も好きだよー」
    ギュッと抱きしめると嬉しそうに微笑む様子はまさしく親子のようで微笑ましい気持ちにさせた。
    「けぇけぇ・・・」
    「やっぱりKKがいいのね」
    アキトが俺の方に手を向けると、凛子は苦笑いをしてアキトを俺に渡す。
    「けぇけぇ」
    「あぁ、よしよし」
    抱きかかえて頭を撫でてやるとアキトは嬉しそうな笑顔を向ける。こんな小さな子供の面倒を見るのは久しぶりだなと思った。
    「そういや何で鍵開けれた?」
    「念のためにって合鍵作ったの忘れた?」
    「忘れた」
    「たー?」
    ****
    「凛子!!」
    KKの様子を見に行っていた凛子が家に戻った途端、いきなり倒れた。頭からいったので相当痛いはず。
    「いったぁ・・・」
    「大丈夫!?」
    「ちょっと目眩がしただけだから」
    「凛子、今日の夕飯は私が作るから。凛子は休んでて」
    「絵梨佳、ありがとう」
    凛子の身体を支えて、ソファに座らせる。
    「そう言えばKKとアキトくんはどうだった?」
    「KKは子育てに手こずってて、アキトくんの方は成長期に入ってた」
    「成長期?」
    「急に成長した」
    「やっぱり妖怪?」
    「そうかもね、それと」












































































    「あの子をハグしてからなんだか疲れが・・・」
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    りんご

    DONEK暁デー、初デート。K←暁のようでK→〈超えられない壁〉←暁です。
    理想のデート像を黙って実行するおじと、訳も分からず振り回されるあっきーの話。
    過去それなりに色んな話を書いてきましたが、ぶっちぎりで砂糖吐きそうな話になったと思います。けけは所々横暴だしあっきーはちょっと暴走気味です。そんな二人の初めてなんて、絶対事件になるに決まってるじゃないですか(笑)
    閻魔帳のきれはしには(1)


    待ち合わせは、やっぱり駅前かなあ
    ベタなのは分かってるよ! でも後に来る僕が気になって、その後ろ姿がどこかそわそわしてるの、きっとかわいいなって思うんだろうな


    ◆◆◆◆◆


    『KK

    今日午前11時。渋谷駅北側に集合。』


    凝り固まった肩を回しながら、ネオンが薄まりゆく都会の路地を暁人はゆったりと歩いていた。長期の仕事が終わって漸くまともな寝食にありつけると思えば、心も穏やかになる。
    こんな職業なので、どうしても一日の行動が普通のそれとは大きくずれ込む時がある。今日はそういった日で、数日掛かりの依頼を何とか終わらせたときには、すっかり空が白み始めていたのだ。

    自分の名前をした空を背にしながら、暁人は連絡のためにスリープモードにしていたスマホを起動させた。そこに表示される、送り主と簡素な一文。暁人が首をひねるのも無理はない。めったに文字でのやり取りを行わない人物から突然こんなものが来たら、誰だって困惑するだろう。自分がいない間に向こうで何かあったのかもしれない。それにしても……メッセージ? 凪いでいた心情の波が僅かに揺れて―――まあいいか、と持ち直した。暁人が暁人たるゆえんは、この微妙な状況に対しての構えがやたら大きいことである。波乱万丈な生い立ちのせいで大概のことは受け流せるようになった結果だった。
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