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    ねこまんま

    @GWT60624633

    GW:T K暁
    ねこが自分の食べたいものを自炊するところ🍙

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    ねこまんま

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    暁人が古傷に苛まれるだけの話.

    #K暁

    雨の日は古傷が痛む。

    あの日。
    僕は麻里が入院する病院に向かっている途中で事故にあった。
    バイクから投げ出された瞬間、麻里が生まれてから母さんが亡くなるまでのことが頭を駆け巡った。なるほど、あれが走馬灯か。

    病院で目覚めたとき「どうして無傷なのかさっぱり分からない」と医者に告げられた。
    警察の現場検証によると事故の衝撃でヘルメットが外れ、そのまま地面に叩きつけられたらしい。事故現場にも僕の血の跡が残っていたそうだ。本来であれば「とても見れたものではない」顔になっているはずだ、と。

    もう一つ「大変残念なことですが…」と前置きがあり、麻里が亡くなったことを知らされた。僕は別段驚かなかった。おかしな話ではあるが麻里が息を引き取る瞬間、確かに彼女は僕の腕の中にいた。しかし、夢の中だったんだろう、と一蹴されることはわかっているのでこのことは僕の胸中にとどめている。ただ、麻里の温かさとその重みは今もまだ僕の腕の中に残されている。

    父を亡くし、母を亡くし、唯一の身内である妹をも失った僕のこと皆が気遣う。大丈夫、後を追ったりはしないよ。
    麻里と──に約束したんだ。最後まで生き抜くって。

    ──?

    ──、って誰のことだろう。


    「現場から回収した君の私物の中にこれが入っていたんだけど」
    雨の日の、薄暗い病室。
    警察官に見せられたのは見覚えのない定期入れ。中には見知らぬ母子の写真が入っている。「とある事件に巻きこまれて亡くなった刑事さんのものらしいんだ。特に問題がなければ遺族に渡して良いだろうか」と。


    僕が渡しに行きます。


    唐突に喉から飛び出しかけた言葉を慌ててぐっと飲み込む。どうしてそう思ったのだろう。誰のものかもわからないのに。

    「…よろしくお願いします」僕が独り言のように言うのを聞いて二人の警察官は僕の部屋を辞す。

    一瞬視界が大きくゆらぎ、気づくと目の前に一面の彼岸花。

    不意に懐かしい声が遠くから呼びかける。


    ───────と伝えてくれ。


    吸い寄せられるように意識が戻る。
    時間にして三秒、呼吸一回分。

    「あの!」僕の突然の呼びかけに部屋を出かけた警察官の足が止まる。「どうしました?」

    「あの…彼は…事件の中も懸命に戦い最期まで生き抜いた…とご家族の方に伝えてください。」
    相手は多少怪訝な顔をしていたが、分かりました、と言ってドアを閉めた。雨の音と僕だけが取り残される。


    …ありがとな、暁人。


    雨音の向こうから懐かしい声が僕を呼ぶ。もしかして、──?
    どうしてだろう、とても近くにいたはずなのに、あんたの名前が思い出せない。

    何もなかったはずの右手が痛む。
    ──、もう一度、会いたい。

    …暁人、俺のことは忘れろ。

    何もなかった右目が痛む。
    ──、もう一度名前を呼びたい。

    …幸せになれよ。

    何もなかった胸の奥が痛む。
    ──、僕を一人にしないで。


    雨の日は古傷が痛む。
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    32honeymoon

    DONE◇#毎月25日はK暁デー ◇お題:匂い
    ・久しぶりのあまいちゃ糖度120ぱーせんとなので苦手な方は要注意!
    ・KKと暁人くんが同棲してる世界のおはなし
    ・相変わらずKKが暁人くん大好きマン

    長編をあげた後だったので、今回は短くさらっと。
    豪雨つづくここ最近、太陽が恋しくなって書いた作品です。
    台風の余波で大変な思いをしている皆さまの地域に、
    はやく気持ちいい秋晴れが届きますように。
    おひさまのにおいはしあわせの匂い。ーそれは秋晴れがさわやかな、とても良い天気のとある一日のおはなし。


    「KKー、布団下ろすの手伝ってー」
    「お?ああ、分かった」

    ソファでくつろいでいた休日のとある夕方。ベランダから聞こえてきた柔らかな声に、KKはよっこらせ、と立ち上がる。

    「布団、干してたのか。いつの間に・・・」
    「そうだよ。気づかなかった?」
    「・・・気づかなかった」

    少しだけばつが悪そうに目をそらす姿にはにかみながら、
    「だって今日はお日様の機嫌が良い一日だったからね。あやからなきゃ」と暁人が言う。

    「お日様の機嫌ねえ・・・また随分と可愛い事言うじゃねえか、」
    オレにしてみりゃただの暑い日って感じだったがな、と続けようとしたのを、KKが済んでの所で飲み込む。
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