プロポーズの日② 乱凪砂 最近、君がどんどん綺麗になっていって、私はすこし焦っている。ずっと側にいるのにどこか遠くて。君を私のものにしたいと思うんだ。
「どうしたらいいと思う?」
Edenのメンバーに相談しているとみんなが驚いた表情をしていた。
「う、うぅん……。あ! 結婚すればいいと思うね!」
「え、おひいさんそんな簡単に」
「……そうか、結婚」
ジュンと日和くんが騒いでるのを見ながら私は彼女へのプロポーズを決意する。もう一人では何もできなかったあの頃の私ではないから。君に、想いを伝えようと思う。
ピンポーンとインターフォンが鳴り、出ると大きな花束を持った凪砂くんが立っていた。どうして花束を持っているのかわからずに困惑する。
「君を、私だけのものにしたいんだ。ずっと、私の側にいて欲しい」
「え?」
私の頭の中はハテナマークだらけで、何が起きているのかわからない。いつも彼は突然だ。
「あの頃の私は未熟だったから、何も用意できずにいたけど、今ではこんなに素敵な花を君に渡せる」
以前結婚の約束をした時のことを思い出す。まさか本当にこの日が来るとも思わず、ただただ驚く。おずおずと花束を受け取り彼の顔を見ると優しく微笑んでくれる。
「指輪も用意したんだ」
「指輪?」
俗に言う傅くポーズをした凪砂くんは、私の左手を手に取りシルバーリングを薬指にはめる。婚約指輪だ。その上から優しくキスを落とすと立ち上がってじっとこちらを見つめる。
「……私と、結婚してくれる?」
何か言わないと。うるさい心臓の音を感じながら言葉を発する。
「お花、ありがとう。凪砂くんにそう言ってもらえて嬉しい。私も結婚、したいです」
「……嬉しい。幸せにするね」
人を愛することを知った彼が、こうして私を選んでくれた事実に胸がいっぱいになる。
「私も凪砂くんを幸せにする。絶対に」
そう言って彼の手をギュッと握りしめて、優しくキスをした。