(はぁ、情けね……)
この体になって風邪で寝込むのは何度目だろう。昨日の夕方から体がだるいなと思い昨晩は早めに布団に入ったが、今朝目が覚めると体調は昨日より悪化していた。発熱と頭痛で頭がぼんやりする。熟睡できずにウトウトしているとトントンとドアを叩く音が聞こえた。
「こんにちは、コナン君。入ってもいいかな?」
「安室さん、なんで……」
「今朝蘭さんにコナン君のこと聞いてね。お昼はまだ食べてないよね? 卵がゆ作ってきたからよかったら食べて欲しいな」
「ごめん、安室さん。食欲ない……」
「とりあえず、一口だけでいいから食べてみて、ね?」
食欲がないと言ったくらいで簡単に引き下がるような男ではない。コナンは仕方なく重たい体をノロノロと起こすと、安室は左手で子供の体を支えながら右手のレンゲでおかゆを掬いふうふうと軽く冷ますとコナンの口元へ持っていく。
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