恋するテイワット・カフェ「はー、疲れたぁ」
大学からの下校中、私は盛大な溜息をついた。本日何度目かはもはや分からない。
地獄の受験を乗り越え、念願のテイワット大学に入れたはいいものの…高校と違って一回一回が信じられないほどに長い授業、そして当然ながら内容は難しく。
(休みの数、逆にしてほしいなぁ)
入学して間もないというのに、早くも現実逃避をしてしまっているのだ。
折れた心を更に折るかの如く険しい坂道を進みつつ、私は商店街から漂ってくる揚げ物の匂いにまたもや溜息をつく。非常に、お腹が空いている。
立ち止まってゴソゴソとポケットを探り財布を取り出す。中身は案の定、百円玉が二枚だけ。
(無駄遣いは禁物、だよね)
海外で働いている両親からの仕送りは双子の兄・空と折半だ。そんなに沢山の額が振り込まれているわけではない。もちろん十分に感謝はしている。だからこそ、大事に大事につかいたいのだ。
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