狐に嫁入り 参鬼といっても様々な鬼が居るが、その中でも翔真は特殊な、不死、或いは長寿の鬼である。
聞けば、元は新潟の生まれで、齢三十を前に見た目が全く変わらなくなり、以降、三百年近く生きているという。
家族仲良く暮らしていたが、鬼は自分だけで、理由も、先天的か後天的かも分からないようだ。
親族が皆人生を全うすると、翔真はひとりぼっちになってしまった。
もともと、田舎より都での生活に憧れていたのもあり、あるとき、思いきって故郷を飛び出したのである。
翔真は雨彦に初めて会った日、京都から来たと言っていたが、実はその前は、東京や大阪にも居た時期があった。
転々と、というのは、要はその場所には長く居られず、逃げるように動き回っているのだ。
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