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    mizutarou22

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    mizutarou22

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    ジャンプするテランスが見たかっただけのテラディオの短いお話です。

    #テラディオ

    あなたの飛ぶ姿「追い詰めたぜ……可愛いお嬢さん?」

     ぐへへ……と嗤う汚らしい山賊たちに周りを取り囲まれる。後ろは崖になっており、下は川が激しく流れている。落ちたらひとたまりもないだろう。しかし私はただ静かに、山賊たちを見つめていた。

    「おとなしく降参すれば命だけは助けてやる……ただし、その場合、お前は俺たちの『玩具』になってもらうからな」

     山賊の目は私を上から下までいやらしく、舐める様に見て、舌なめずりをする。もう勝ったと思い込んでいるのだろう。

    「ふふ……」

     私は山賊たちのその様子に我慢できず、口の端を上げた。だって、これは笑うしかないだろう?

    「テランス」

     私が小さく呟くと、上から、風を切る音が耳に届いた。

    「……? ぐ、がぁ……っ」

    「な、なんだ っぎゃああっ」

     山賊たちの身体が次々と上から槍で突き刺されていく。汚らしい返り血を浴びて、私はぐい、と手の甲で顔についた血を拭う。
     もうその場にいた山賊たちは倒れ、息をしていなかった。最後にとどめを刺した槍を引き抜き、テランスは血を払った。私は恋人の雄姿に惚れこみ、崖から離れ、テランスに近づく。

    「久しぶりにお前が飛ぶのを見た。腕は落ちていないな」

    「武器を剣に変えましても、槍の訓練は日々しておりましたから」

     言葉は冷静だったが、テランスの瞳は怒りに燃えていた。私がテランスに攻撃のタイミングを伝えていたとはいえ、少し焦らせすぎたか。

    「……あなたを侮辱する言葉が吐かれるのを、ただじっと聞いて待たされる私の身にもなってください……っ」

     そう言ってテランスは私の手首をぐいっと掴んで引き寄せ、抱きしめてくれる。

    「あなたは私の大事な人……っ、誰にも奪わせはしない……っ」

     戦闘の興奮がまだ残っているのだろう、苦しそうにテランスは呟くと強引に私の顎を上げさせ、唇を強く吸ってくる。私は彼に身体を閉じ込められて身動きがとれない。その情熱さが心地良く、私も同じように唇を吸う。

    「悪かったテランス……悪かった……」

     私はテランスの背中をぽんぽんと優しく叩く。久しぶりにテランスの『ジャンプ』が見たいと思い、ちょうど良いところに敵が現れて、調子に乗ってしまったのがいけなかった。テランスを落ち着かせようと、私は何度も優しく、唇を啄んだ。それでも足りなかったらしく、そのまま地面へと押し倒されてしまった。はぁはぁと呼吸を荒くして、テランスが強引に私の服を脱がしていく。いじわるをしてしまった申し訳なさと、私を求めてくれる興奮が身体を包み、私はこのままテランスに身を任せた……。
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    mizutarou22

    DONEテラディオの二人がコスタ・デル・ソルへバカンスに行く話です。謎時空な現パロです。FF7リバースをプレイしていたら二人にも行ってほしくて…。リバースのネタバレは無いと思いますが一応注意してください。
    あなたが一番綺麗 遠くからさぁ……と音が聞こえる。その音は私を落ち着かせ、身体が勝手に胎児のように丸くなろうとする。しかし足を丸めようとしたところで、ふと温かい何かに当たった。そこで私は意識が少しずつ覚醒していく。目をふっと開け、視界に映ったのは……。

    「おはようディオン……目、覚めた?」

     目を開いた先にいたのは私の最愛の夫、テランスだった。テランスが微笑みながら私の髪をそっと撫でる。私はその撫でられる気持ちよさにうっとりとして、テランスがしてくれている腕枕に唇を近づけ、キスをする。

    「ああ……波の音で目が覚めてしまったようだ」

    「綺麗な音だね、ディオン」

    「ああ……」

     そう、私たちは今コスタ・デル・ソルというリゾート地へ来ている。温かい……というよりカッと太陽が照り付ける暑い気温で、ここにいる人々は薄着や水着で街中を歩いたりしていた。街も活気があり、皆楽しそうに催し物に参加したり、また様々なお店が軒を連ねており、そのなかでショッピングを楽しむ者もいた。
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    eye_0526

    DONEテランスとディオンが両思いになって付き合い始めるまで。です。
    前回の「憶い」↓
    https://poipiku.com/1074241/9637063.html
    がテランスサイドで、内容は同じですが今回はディオンサイドで話が進行します。

    前々回の「御伽噺」の続きですが、読まなくても大丈夫です。
    「御伽噺」はこちら↓
    https://poipiku.com/1074241/9608450.html
    依存 テランスに憶いを告げられてから、ディオンはテランスよく観察するようになった。肩幅が思いのほか広く、背中も大きい。それなのに腰が細い。目が合えばにこりと笑って「どうされました?」と高確率で言う。靴はいつも左から履く。くしゃみは二度することが多い。匙の持ち方に少し癖がある。などなど…。十年以上も一緒にいたのに初めて気づくことが沢山ある。
     男に憶いを寄せられるなど思っても見なかったが、テランスなら不思議と嫌悪感はなく、それ以上に幸福を感じた。更に、今はまだ殆ど寝たきりのためテランスとの距離はいつも以上に近い。が、もっと近くに…できるだけ長い時間を…と、欲するようになった。

     足音が聞こえる。テランスの足音だ。こつこつと小気味良いリズムで、床を擦るような音はさせないのが彼の特徴だ。踵から地面に足を落とし、足の裏全体で軽快に蹴る。
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