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    丸さんの『テデ文の冒頭書いて置いといたらこのツイを見た誰かが続き書いてくれるシリーズ』に参加しました!冒頭『873年〜つい驚いてしまった』までが丸さんの文章です。ゴールは『テラ渾身の愛してる』でした!元ツイhttps://x.com/QED0099/status/1833126567289233909?t=OmbDE4OEqF2HEmmajisbuQ&s=19

    #テラディオ

    愛しているからそばにいて 873年、我が団員の一人が遂に婚姻を結んだらしい。紛争の最中、何か彼を駆り立てる物があったのか、令嬢に求婚をしたと。報告にきた部下の脂下がる顔に、つい驚いてしまった。


     しかしその部下の嬉しそうな表情を見て、私の心は温かくなった。部下の様子から察するに、そのご令嬢とは昔から仲が良いのだろう。きっとこの部下はこの先素晴らしい家庭を築いていける。どんな戦がこの先に待ち受けようとも、必ず令嬢のもとへ帰っていくだろう。
     私は部下に祝いの言葉を告げ、今度団員達で祝いの席を設けようと提案した。部下は破顔して提案を受け入れてくれたが、その瞳には涙が浮かんでいた。私はその涙の意味を知っていて、あえて言葉にしなかった。

    ◆◇◆◇

     夜空には月が光り輝いている。私は酒の席で盛り上がっている天幕から外に出て、風に当たっていた。
    「ディオン様」
     するとテランスが私の後を付いてきて一緒に天幕から出てくる。私はテランスを見て、焦燥感に襲われた。数か月前に起きたウォールードとの闘い……。そのときに数多くの仲間を戦で失った。明日は我が身。あの部下はそう思って婚姻へと急いだのだろう。思い残すことのないように。
    「テランス……」
     私はテランスの胸に飛び込んだ。以前テランスが死ぬのではないかと、テランスを庇った過去を思い出す。あのような恐ろしい思いを部下も感じたのだろうか。私は父上、無辜の民のためここに立っている。恐れていることなど何もない。それなのに、ふと心細さを感じる時がある。それが、今だ。
    「ディオン様……ディオン……」
     テランスは私の様子を察したのだろう、ぎゅっと抱きしめ返してくれて、私を安心させるように唇を吸ってくれる。その甘い啄みが心地良く、しばらく私たちはお互いを求めた。顔の角度を変えた刹那、テランスが私の顔を掌で包み、瞳を覗き込んでくる。テランスの瞳には顔を赤くした私が映っている。
    「ディオン……私は必ず、あなたの元へ帰っていきます」
    「……」
     その言葉に、私は嬉しくなり、涙がこぼれ落ちた。何があろうとも、テランスが私の傍にいてくれる。どんなに遠く離れることがあろうとも、私たちは繋がっている。
    「テランス……」
    「ディオン……愛している……愛しているよ……」
     ああ……その言葉だけで、私はまた頑張れる。血に塗れた大地に立っていける。私はその言葉を何度も心の中で反芻しながら、また口づけを求めた。
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    mizutarou22

    DONEテラディオの二人がコスタ・デル・ソルへバカンスに行く話です。謎時空な現パロです。FF7リバースをプレイしていたら二人にも行ってほしくて…。リバースのネタバレは無いと思いますが一応注意してください。
    あなたが一番綺麗 遠くからさぁ……と音が聞こえる。その音は私を落ち着かせ、身体が勝手に胎児のように丸くなろうとする。しかし足を丸めようとしたところで、ふと温かい何かに当たった。そこで私は意識が少しずつ覚醒していく。目をふっと開け、視界に映ったのは……。

    「おはようディオン……目、覚めた?」

     目を開いた先にいたのは私の最愛の夫、テランスだった。テランスが微笑みながら私の髪をそっと撫でる。私はその撫でられる気持ちよさにうっとりとして、テランスがしてくれている腕枕に唇を近づけ、キスをする。

    「ああ……波の音で目が覚めてしまったようだ」

    「綺麗な音だね、ディオン」

    「ああ……」

     そう、私たちは今コスタ・デル・ソルというリゾート地へ来ている。温かい……というよりカッと太陽が照り付ける暑い気温で、ここにいる人々は薄着や水着で街中を歩いたりしていた。街も活気があり、皆楽しそうに催し物に参加したり、また様々なお店が軒を連ねており、そのなかでショッピングを楽しむ者もいた。
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