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    mizutarou22

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    テラディオの二人がコスタ・デル・ソルへバカンスに行く話です。謎時空な現パロです。FF7リバースをプレイしていたら二人にも行ってほしくて…。リバースのネタバレは無いと思いますが一応注意してください。

    #テラディオ

    あなたが一番綺麗 遠くからさぁ……と音が聞こえる。その音は私を落ち着かせ、身体が勝手に胎児のように丸くなろうとする。しかし足を丸めようとしたところで、ふと温かい何かに当たった。そこで私は意識が少しずつ覚醒していく。目をふっと開け、視界に映ったのは……。

    「おはようディオン……目、覚めた?」

     目を開いた先にいたのは私の最愛の夫、テランスだった。テランスが微笑みながら私の髪をそっと撫でる。私はその撫でられる気持ちよさにうっとりとして、テランスがしてくれている腕枕に唇を近づけ、キスをする。

    「ああ……波の音で目が覚めてしまったようだ」

    「綺麗な音だね、ディオン」

    「ああ……」

     そう、私たちは今コスタ・デル・ソルというリゾート地へ来ている。温かい……というよりカッと太陽が照り付ける暑い気温で、ここにいる人々は薄着や水着で街中を歩いたりしていた。街も活気があり、皆楽しそうに催し物に参加したり、また様々なお店が軒を連ねており、そのなかでショッピングを楽しむ者もいた。

     毎日仕事をしている私たちだったが、たまには旅行にでも行こうと考え、前から行きたかったここ、コスタ・デル・ソルに行こうと決めたのだ。

     昨日は楽しかった……。私はまだホテルのベッドで、朝の目覚めでぼーっとする頭の中で、昨日のことを思い出していった……。

    ◆◇◆◇

    「テランス! すごいぞ! 魚がたくさんいる!」

    「なんて綺麗な色をしているんだろう……すごいね、ディオン……」

     私たちは早速水着に着替えてビーチに行き、海へと泳いでいった。どうやらここは浜辺に近いところでも魚が泳いできてくれるらしい。そう聞き、私たちは海へ潜り目を開いて辺りを見回すと、南国らしいカラフルな魚たちが私たちのすぐ近くを通り過ぎていった。こんな素晴らしい経験はめったに出来ない。私は興奮してすぐ顔を海面から出し、テランスに話しかけてしまった。同じ魚を見たテランスも海面から顔を出して私に微笑んでくれる。
     そのとき私はドキリと鼓動が跳ねてしまった。もう何度も髪を濡らしたテランスを見ているはずなのに、今日は一段とかっこよく見える。海の雫にまみれたテランスの身体を、太陽が明るく照らす。鍛え上げられた綺麗な肢体を海の水がしたたり落ちていく。濡れた前髪が視界を遮ったのだろう、テランスが前髪をすっとかき上げる。その仕草がたまらなくセクシーで、夜、二人で愛し合っている時の事を思い出してしまい、私は恥ずかしくなった。ああ……私は結局、色鮮やかな綺麗な魚よりもテランスに見惚れてしまうのだな……。

    「……? ディオン、どうしたの?」

     テランスはきょとんとした顔をする。私は慌てて海の水の抵抗を受けながら歩き出し、浜辺へと向きを変える。

    「な、何でもない! そ、それよりもテランス、何か飲み物でも飲まないか?」

    「たしかに喉が渇いてきたね……。あっ、あそこにドリンクが売ってるよ。行こうか。ディオン」

     そう言ってテランスは私の手を取り、ざぶざぶと海の水の音を立てながら歩き出した。私は横目でちらりとテランスを見やる。……やっぱり、私の夫は、世界一かっこいい。私は手を離し、その代わりぎゅっと腕を絡め、抱きついた。

    「ディっ、ディオン!? どうしたの?」

    「ふふ……皆に見せつけているのだ。私の夫はかっこいいだろうって」

     ビーチにいる人たちも私たちの熱々っぷりが見えたのか「やだ……あの二人イケメン……」「あの人たち付き合ってるのかなぁ?」「良いなぁ。素敵な彼氏がいて~」と声が聞こえてきた。ふふ……どうだ。かっこいいだろう。私の夫は。私は気分がより高まっていくのを感じた。しかしテランスを見やると、どこか考え込んでいる様子だった。どうしたのだろうと思っていると、テランスが口を開いて真剣な表情で私に目を向けた。

    「僕はディオンを誰にも見せたくないな……こんなにも美しい人をじろじろ見られたくない。ディオン気づいてないでしょ? 皆ディオンのこと狙ってるよ」

     「だから……」とテランスは突然私の両肩を掴んできた。私は突然のことにわけがわからないまま反応が遅れてしまう。そして……テランスの顔が近づき、唇が熱くなった。「きゃあ~!」と周りから黄色い悲鳴が聞こえてくる。テランスが私の唇を噛みつくようにキスしたのだ。こんな大勢の人がいる目の前で。

    「ん……ぁ……てらん、す……」

    「はぁ……でぃおん……」

     どうしよう、気持ちがいい……。テランスが容赦なく、私の口腔内を積極的に舌で愛撫してくる。下半身は海で冷たいのに、キスされた唇はまるで南国の太陽のようにテランスへの愛で火照ってくる。私はキスの気持ちよさに腰が砕け、テランスの身体に前から寄りかかるような体勢になってしまう。テランスは唇を離し、私をぎゅっと抱きしめる。

    「ね? だからこうやって……ディオンは僕のものだよって、知らしめなきゃ……」

    「もう……テランスのばか……」

     でも、そんな独占欲が強いお前が、どうしようもなく好きだ……と思ってしまった。まだ身体に力が入らない私をテランスは優しく横抱きにし、ドリンク売り場の前まで歩きだす。

    「すみません。トロピカルジュースを二つ」

     テランスはにこりと微笑み、店員に注文をする。店員は顔をぽーっと赤らめ私たち二人をしばらく見つめていたが、己の業務を思い出したのか「少々お待ちください!」と慌ててドリンクを作り始めた。

    ◆◇◆◇

    「本当にもう……、テランスはいつ強引になるかわからなくなる……。昨日のキスのときやセックスのときだって……」

     私はついセックスしているときのテランスのことを思い出していた。テランスはいつも私の身体を大切にしてくれるが、セックスのときは私がいくら気持ち良すぎて駄目だと言っても、愛撫を止めてくれないときがある。まあ私も快楽に負けてそのまま「もっと、もっと」と求めてしまうのだが。

    「だって昨日の水着を着たディオンがあまりにも素敵だったから……」

    「え?」

    ……ということは、お互いにお互いの身体に見惚れていた、ということか?

    「しまった、って思ったんだよ。セックスの時、もっとキスマークを付ければよかったって。そうしたらディオンは僕のものって皆に知らしめることが出来たのに」

     だから昨日は強引に人が大勢いる場所で官能的なキスをしたのか。私はそんな可愛い考えをする夫に愛おしさを感じ、テランスの頬にちゅっと音を立ててキスをする。

    「キスマークなんて付けなくても私はお前のものだぞ。そして……テランスも、私のもの、だぞ」

     テランスは私のその言葉に目を細めて私の頬に手を添えて唇を重ねてくる。私もこのテランスへの想いが伝わるように唇を甘く噛む。

    「ふふ……嫉妬するお前……なかなか可愛かったぞ」

    「ディオンも……可愛いよ」

     ベッドの中で裸で温め合う心地良い感覚。足を絡め、何度もテランスに熱いキスを贈る。

    「ディオン……そろそろ朝食の時間だよ?」

    「そうだな……」

     そろそろ起きなければ……と思うが、もう少しテランスの温もりを感じたい。そんなわがままな私の様子を、南国の太陽が見守ってくれているような気がした。
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    あなたが一番綺麗 遠くからさぁ……と音が聞こえる。その音は私を落ち着かせ、身体が勝手に胎児のように丸くなろうとする。しかし足を丸めようとしたところで、ふと温かい何かに当たった。そこで私は意識が少しずつ覚醒していく。目をふっと開け、視界に映ったのは……。

    「おはようディオン……目、覚めた?」

     目を開いた先にいたのは私の最愛の夫、テランスだった。テランスが微笑みながら私の髪をそっと撫でる。私はその撫でられる気持ちよさにうっとりとして、テランスがしてくれている腕枕に唇を近づけ、キスをする。

    「ああ……波の音で目が覚めてしまったようだ」

    「綺麗な音だね、ディオン」

    「ああ……」

     そう、私たちは今コスタ・デル・ソルというリゾート地へ来ている。温かい……というよりカッと太陽が照り付ける暑い気温で、ここにいる人々は薄着や水着で街中を歩いたりしていた。街も活気があり、皆楽しそうに催し物に参加したり、また様々なお店が軒を連ねており、そのなかでショッピングを楽しむ者もいた。
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