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    mizutarou22

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    mizutarou22

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    今日という日が『不思議』という花言葉だったので。不思議をテーマにした短編です。

    #テラディオ

    不思議な人「不思議だ……」

    「……? ディオン様、どうかなさいました?」

     私は、まだ敬語を使うテランスの口元を指でそっと押さえる。

    「テランス、私はもうザンブレクの皇子ではない。ただの流浪の旅人だ。お前も私の従者ではない。私と共に新しい世界を見ていく者だ」

    「しかし、ディオン様……」

    「慣れないのはわかっている。しかし、私たちはもう……、何物にも縛られなくなった、パートナー同士、だろう?」

     そう、世界はオリジンの崩壊で新たな世界に生まれ変わった。先ほども焚火をつけるのにも時間がかかった。もう魔法もクリスタルも、何もない。全て自分たちでやらなくてはいけないのだ。

     しかしそれが、どこか楽しく感じている私がいる。以前イフリートたちがいる隠れ家で世話になったときも、皆が新たな世界で奮闘していた。皆がそれぞれやるべきことを自分で見つけ、世界に混乱が起きないように努力をしていた。私もそれに倣い、隠れ家を出て、新たな世界となった今、私に出来ることがないか、テランスと共に旅をしようと決心したのだ。そして今、私は……こうして、恋人と一緒に焚火の揺らめく炎をみつめながら思考の海に沈んでいた。

     なんと不思議なことだろう。世界がこんなに変わっても、テランスとずっと一緒にいられるなんて。オリジンで闘ったときは死ぬ覚悟だったのに。今もこうして、テランスがそばにいてくれる。

     旅に出ようと決心したとき、テランスは当然のように私に付いてきた。もうザンブレクの国が崩壊し、上に立つものの人選に私は選ばれないのはわかっているのに。それでもテランスは今までのように私の従者のような態度をとってくる。

    「お前は本当に、不思議だ……、私は罪を犯し、お前を置いてオリジンまで行ったのに」

     それでもなお。

    「私を、愛してくれるなんて……」

     パチパチ、と焚火から音がする。どこからか鳥の鳴き声が聞こえてくる。夜の闇の中、二人でじっと、身を寄せ合っている。

    「テランス」

    「はい」

    「言葉だけでは……、足りないのだ」

     そなたへの感謝の気持ちが。このあふれ出てこぼれるくらいの膨大な想いが。この星のように大勢いる人のなかからたった一人、私をみつけてくれた、大事な人。

    「言葉だけでは足りないのだ。どうしたらそなたの想いに応えられる? 私は何をすればよい?」

     唇も何度も何度も重ねた。何度も何度も夜を共にした。それでも足りない。この感謝の気持ちが止まらない。孤独だった私をただテランスだけが救ってくれた。これを奇跡と呼ばずして何という?

    「そのままでよいのですよ。ディオン様……」

     テランスが口を開く。私はテランスの方へ顔を向ける。テランスは焚火の炎の色で紅く煌めいていた。

    「あなたが私のそばで笑ってくだされば、それでよいのです」

     そうテランスが言葉にすると私に顔を近づけてきた。私は瞳をそっと閉じる。世界が真っ暗になるなか、唇が熱くなった。

    「……結婚」

     私は唇が離れた瞬間、勝手に言葉が溢れ出てきた。

    「テランス……、結婚、したい……」

     テランスはハッとした顔をした後、瞳が涙で揺らいだ。そしてまた私の唇を塞いでくる。今度はより深く……。

     人生は不思議だ。でもそれが『人生』というものなのだろう。こんな未来が来るなんて思ってもみなかった。

     私はテランスと共に歩むこの不思議な人生に今度は何が起こるのだろうと、未来へ思いを馳せた……。
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    mizutarou22

    DONEテラディオの二人がコスタ・デル・ソルへバカンスに行く話です。謎時空な現パロです。FF7リバースをプレイしていたら二人にも行ってほしくて…。リバースのネタバレは無いと思いますが一応注意してください。
    あなたが一番綺麗 遠くからさぁ……と音が聞こえる。その音は私を落ち着かせ、身体が勝手に胎児のように丸くなろうとする。しかし足を丸めようとしたところで、ふと温かい何かに当たった。そこで私は意識が少しずつ覚醒していく。目をふっと開け、視界に映ったのは……。

    「おはようディオン……目、覚めた?」

     目を開いた先にいたのは私の最愛の夫、テランスだった。テランスが微笑みながら私の髪をそっと撫でる。私はその撫でられる気持ちよさにうっとりとして、テランスがしてくれている腕枕に唇を近づけ、キスをする。

    「ああ……波の音で目が覚めてしまったようだ」

    「綺麗な音だね、ディオン」

    「ああ……」

     そう、私たちは今コスタ・デル・ソルというリゾート地へ来ている。温かい……というよりカッと太陽が照り付ける暑い気温で、ここにいる人々は薄着や水着で街中を歩いたりしていた。街も活気があり、皆楽しそうに催し物に参加したり、また様々なお店が軒を連ねており、そのなかでショッピングを楽しむ者もいた。
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