マイイザ/空の心、満たすは「 」進捗いつだってエマに喜んで欲しかった。
龍宮寺堅、エマの一番大好きで大切なやつで、エマを一番幸せにしてくれる男。
約束をしていたのか誕生日を一緒に過ごせて嬉しそうに笑ってる。
そんなエマを見られてオレも笑顔を浮かべていたと思う。
良かったな、エマ。
同じものなら一番好きなやつから貰えるのが一番嬉しいだろうと、ぬいぐるみはゴミ箱に捨てた。
エマの好きなものはなんだっけ、今日が終わってしまう前に思い出さないと。
急ごうとしたら手を誰かに掴まれた、振り解けない手の主を確かめるとさっき捨てたぬいぐるみを抱えている万次郎がいた。
「万次郎、どうしたんだよ。」
「どうしたはこっちのセリフだ、これエマへのプレゼントだろ、なんで捨てたんだよ。」
「もういらないから。」
「は…?」
これ買ったのもエマに喜んで欲しかったからだろ、万次郎のいう通り、だけどエマはもう喜ばないよ。
もうエマもオレもいらないものだって言っているのにぬいぐるみをこちらに押し付けようとする万次郎、じゃあなんでいらないんだよと聞くから答えたんだ。
エマが龍宮寺堅から同じぬいぐるみを貰っていて嬉しそうにしていたし笑っていたから、本当のことを言ったのに万次郎はオレの言ってることが分からないという顔をしている。
「イザナだってエマに喜んで欲しくて買ったんだから、それじゃダメなのかよ。」
「エマは大好きなドラケンからプレゼントを貰ったから、オレから同じものを貰ったって嬉しくないだろ?」
「エマの一番好きなやつと大事なやつはドラケンと万次郎なんだから。」
話を続けたら何故か万次郎が今にも泣きそうな顔をしている、どうしてそんな顔ばかりするんだろう。