自慢したい「頼む、天馬! 合コンに来てくれ!」
食堂で昼飯を食べようとしていた友人の目の前に座り、勢いよく頭を下げた。突然の事でポカンとしていたが、天馬は首を横に振る。
「行かない」
「そこをなんとか!」
天馬が合コンを兼ねている酒飲みの席に来ないというのは知っていたが、どうしても今回は出席をしてほしかった。というのも、好きな子と一緒に幹事を務めているからだ。
「人数が足りないと中止になるんだよ~」
「オレ以外に頼めばいいだろう」
その意見はもっともなのだが、彼氏彼女持ちには断られるし、試験が近いのもあり良い返事がもらえなかった。
「てんまー」
「あぁ、もう! 情けない声を出すな」
泣き落としをするしかないと縋りつくような声を出せば、頑なだった態度が柔らかくなり押せば了承を取れそうだ。
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