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    おかき

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    おかき

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    1014R///最終的にマスグラになる話。

    グラ視点。
    初めての呼び出し。
    ※グラに好き勝手されるマスターが居ます
    ※やってる事はべろちゅーまで

    火遊び 3話side.Gras

    マスターに取引を持ちかけてから2日経った。
    これまで付き合いのあった生徒達には全員事情を説明して、暫く会えないと伝えた。あらかた伝え終わってから、いつどこで僕が誰に手を出したかなんてあの男が知る由は無いんじゃねぇかと思ったけれど、取引をこっちから破綻させるのも面倒臭いし乗ってやる事にした。

    (有難く思えよな、あのクソ真面目野郎。)

    侮蔑を含んだ目でため息をついた顔を今でも思い出せる、優等生なんてつまらねぇ皮を被って何が楽しいんだか。あいつよりも僕の方が余っ程人間を謳歌してる自信がある。
    何事も節制しなければならない士官学校に居る時点で、色事なんて諦めているのかも知れないが。

    イライラしてきた思考をどうにか落ち着かせる。気晴らしに本でも読みに行くかと、図書館の方に足を踏み出した。

    図書館まで行く校舎の廊下に、グループワーク用の広いテーブルがある。図書室にはもちろん作戦資料やら地図やら、僕の興味のない本が置いてあるが、たまにそのテーブルで生徒たちが演習の作戦を立てたりしている。
    今日も何人かの生徒が集まっているのが見えて、その中に……マスターの姿もあった。
    思わず立ち止まって生徒達に囲まれているアイツの姿を見つめる、大きな地図を広げながら真面目な顔をしているから、何か話し合いをしているのだろう。雰囲気は和やかで悪くない、アイツは被っている優等生のガワの通りクラスメイトからも好かれていて、頼りにされているのが分かる。

    (ほんと、隙がなくてつまらないやつ。)

    談笑するアイツを見ていたら、少しだけ声を掛けてみたくなった。物陰で制服の上着をきちんと着て、髪をささっと整える。帽子を被り直して近くの窓を鏡にして、にっこり微笑んで見せた。
    ああ、我ながらムカつくぐらいお兄様に似ている。

    「マスター、ちょっといいかな?」

    本来ならば昼休みの筈だから声を掛けても問題ない。でもせっかくクラスメイトと談笑しているのを申し訳なく思っている顔と仕草をして、シャスポーのような少し甘ったれた声を出す。顔をこちらに向けたマスターは、不思議そうに見つめた後、席を立ち上がってこちらへ歩いてきた。

    「ちょっと外すね、皆は案を考えておいて。」
    「え、マスター、此処でいいのに。」

    わざわざ移動しようとするマスターを引き留めると、少しだけ眉間に皺が寄っている。
    こいつ、もしかして気付いてる?いや、まさか。嫌で嫌でしょうが無いが、シャスポーと僕は一瞬で見分けがつかない程似てるのに。

    「大丈夫だよ、行こう、……グラース。」
    「!」

    そのまま手を引かれて、図書館の裏手に移動した。人気が無いことを確認すると、マスターが僕に向き直って、制服の帽子をひょい、と取り上げる。そしてじぃ、と僕の顔を凝視した。

    「な、なに、マスター、怖い顔して……。」
    「……やっぱり、グラースだよな?」

    やめろ、そんなにじろじろと見るな!僕の美しい顔が減ったらどうしてくれるんだ!!
    ……とは流石に言わなかったけれど、シッシッと視線を手で払って、ため息を付きながら自分の前髪の分け目を軽く整えた。

    「何で分かるんだお前……エスパーか?」
    「んなわけあるか。シャスポーは今日確か日直だろ?そして、特別クラスの次の授業は家庭科の筈だから、タバティエールと一緒に授業の準備をしてる。だから、こんな所には来ない。」

    キッパリと言い切ってエスパーじゃないのは分かったけれど、こっちのクラスの事まで色々把握してるのが気持ち悪くてちょっと引いた。うげ、と顔を顰めていると、マスターがそっと帽子を被せてくれた。

    「それに、自分の貴銃士の見分けがつかないなんてかっこ悪いじゃないか。マスター失格だ。」
    「……さっきあんなに凝視してた癖に?」
    「うっ、しょうが無いだろ!本当に似てるんだからお前たちは!!」

    眉間にシワが寄って睨まれるけどちっとも怖くない。にしても、力づくで意地でも見分けようとする奴が居るなんて、笑える。こっちは本気で騙そうとしてるのに。

    「どうしたんだ、こんな所で。俺に用?」
    「別に、見かけたからからかってやろうと思っただけ。」
    「……ああ、そう。」

    マスターがどこかほっとしたように息をついたのを見て、あ、と思わず声を出す。

    「あるじゃねぇか、お前に用事。」
    「……例えば?」

    薄々気が付いてる癖に、とぼけた様に首を傾げる顔にイラッとする……のを隠して、僕はもう一度にっこりと微笑んだ。

    「マスター、今夜空いてるよな?」
    「空いてないって言ったらどうするんだ、」
    「無理やりにでも空けてもらうさ、僕との時間より優先するものなんてお前にある訳ないだろ……?」

    頬を合わせてちゅっ、とビズをする。びく、と身体が固まったのが伝わってきて優越感に満足する。口元が緩みそうなのを必死に抑えて、僕は図書館の方に身体を向けた。

    「それじゃ、僕の部屋で待ってるからね?マスター。」
    「ああ、……分かった。」







    「で……なんで縛られてるんだ、俺は。」

    その日の夜、言う通りに部屋に来たマスターに襲いかかってベッドに連れ込んだ。ギャーギャーと五月蝿いから身動きを取れなくして転がしてある。不満そうな瞳がこちらを睨んでいるが知ったことか。

    「こうでもしねぇと、クソ真面目なお前は耐えられなくなって暴れ出すかと思って。」
    「流石に暴れたりは……。」
    「絶対無いって言いきれるのか?僕の綺麗な顔に男の粗暴な拳でも当たってみろ、世界の損失だ。」
    「あーそうだった、お前はそう言うやつだったな。」

    ネクタイでぐるぐる巻きにされている両手を見て、マスターはうっとおしそうにため息をついた。
    こんな色気のない雰囲気でなきゃ、縛られてる相手を無理やりなんてテンションが上がるシチュエーションなんだが。

    「まずはムード作りからだな、……ねぇ、マスター。」

    甘い猫撫で声を出してマスターに覆い被さると、下から僕を見つめる紫の瞳と目が合った。感情は見えない、ただ身体が強ばっているのは伝わってきた。

    「まずはたくさんキスしよ、身体に力が入っていると疲れちゃうから、ね。」

    軽く頬にキスするとマスターは擽ったそうに身を攀じる、段々と頬から首筋へ降りていく、唇にキスをしようと顔を上げるとふいっと顔を逸らされてしまった。

    「目を逸らさないで、ちゃんと僕を見て……?」
    「む、無理だ……!!」
    「おい、見ろっての。」

    頬を軽く叩くと、ぺし、とかわいた音が部屋に響いた。マスターはイヤイヤと首を横に振っている。
    まったく、キス如きでこんなに上手くいかないなんてこの先が思いやられる。こいつ、本当に今までこういう事と縁がなかったんだな。可哀想……というか、ここまで来るといっそ感心する。

    「お前、ちゃんと僕の相手する気があるのか?」
    「……あ、ある。」
    「んな消えきりそうな声で言われてもな……。」

    一旦仕切り直しという事で、マスターの身体を起こして腕の拘束を解いてやる。さすがにマスターも申し訳なく思っているのか、不甲斐なさそうに悪い、とだけ口にした。ここまでしおらしいのも初めて見たな。

    「まぁ、経験豊富な僕がリードすればいいってもんでもないか。……よし、逆にしよう。」
    「え?……っ!?」

    マスターの腕を引いて、そのまま僕はベッドに仰向けに横になる。下から驚いた間抜け面を見上げて僕は微笑んだ。
    こいつだって男なわけだから、上になった方が色々やりやすいかもしれない。それに、下から引き寄せる方が逃げられなくて良い。

    「ほら、マスター?やる気は、あるんだろ。」
    「ぐ、グラース……。」
    「僕の事、キスで気持ち良くして?」

    ちゅっ、と音を立ててやるとぶわっとマスターの顔が真っ赤に染まる。いちいち赤くなるなよ、こっちが恥ずかしいだろうが。

    「……目、閉じて。」
    「oui.」

    言われた通りに目を閉じる、マスターの小さな息遣いまで聞こえてくる。キスを待つこの瞬間がたまらなく好きだ、……まるで、世界に僕と相手しか居なくなるような気がして。特に、士官学校なんて消灯時間が過ぎればかなり静まり返る、そこにお互いの呼吸する気配しか感じないなんて、なんて閉鎖的でロマンチックなんだろう。

    そんなこと考えていると、ふに、と唇同士が触れる。薄目を開けると、眉間に皺を寄せてガチガチに緊張しきったマスターの顔があった。
    身体の力、抜けって言ったのに。
    可笑しくて心の中で大笑いする、それから、離れようと身を起こそうとしたマスターの背中に腕を回した。

    「っ、んむっ!?」
    「んっ、はぁ、……くく、こんなのキスなんて言わねェんだよ、お子ちゃま。ほら、マスター?くち、開けて。」
    「ちょっ、と、あっ、」

    呼吸しようと薄く開かれた口に噛み付くようにキスをした。ぬるりと舌を入り込ませると、びくっと背中が震える。

    「んっ……ほら、舌、出して?」
    「し、した?……こーか?」
    「そうそう、それから、僕の舌と絡ませて、舐めて時々吸ったりして?」
    「なっ、すっ……!?」
    「いちいち驚くな、ほら、あーん。」

    恐る恐る口から覗いた舌ごと口を塞ぐ。じゅぷ、じゅる、といやらしい水音が部屋に響く、舌を絡ませながらこいつが呼吸するタイミングで上手く離して、また深く口付けをする。絡み合う舌が熱くて痺れてくる、何より僕の方が好き勝手しているというのがたまらない。

    「はっ、はぁ、グラ、んんっ、」
    「ん……ははっ、顔真っ赤、ダサい奴。」
    「はぁ、はぁ、いき、できな……!」
    「鼻で呼吸しろ、バカ。ほら、」

    もう1回、と頬を撫でてキスを仕掛ける。
    マスターはわけも分からず僕のキスに答える、舌を絡ませて、時々吸って、慣れてきたのかこいつの舌も良く動く様になってきた。
    はっ、と呼吸の瞬間に口を離して、そっと指でマスターの唇を撫でた。

    「ん、慣れてきた?」

    視線を泳がせながらこくり、と控えめにうなづいた。
    擽るように唇の感触を楽しみながら、マスターの髪を掻き分けるようにぐしゃぐしゃと撫でる。

    「よしよし。……いいか、人には性感帯がある。俗に言うキモチいい所、感じる所だな、それは口の中にもある。」
    「……。」
    「個人差あるだろうが、上顎のザラついた所と、舌の付け根は鉄板だな、あとは歯茎とか。」
    「それも、男も女も変わらないのか?」
    「性感帯なんて個人差あれど場所は変わらないんじゃないか、僕も気持ちいいし。」

    へぇ、と気の抜けた返事があって。
    唇を擽っていた指をマスターの口の中に突っ込んだ。

    「噛んだら撃つ。」
    「んーーっ!?」
    「閉じるな、開けろ、バカ。……ほら、こことか、」

    唾液を纒わり付かせた指で、口の中の上顎の所をゆっくりと撫でる。快感を引き出す様に時間をかけて、焦らす様に往復させてやると、びくっと肩が跳ねた。

    「……ぅ、っ!」
    「ここが好き?もっとしてやろうか。」
    「ぐら、す……、ひゃめ、ろ、っ!」
    「ははっ、なんて?聞こえないなぁ。」

    僕の上に覆い被さっているマスターが逃げ腰になるのを足で捕まえる。頬が赤くなって嫌そうにしている顔が酷くそそられる、それに口の端から唾液がだらしなく零れているのもエロくて中々良い。これがオンナだったらもっと良かったのに。
    指を引き抜いて、しとどに濡れている自分の指をぺろりと舐めると、マスターの手が僕の肩に添えられた。そのままずいっと顔を近づけてくる。

    「はっ、はぁ、……俺もする、」
    「……いいぜ?やれるもんならやってみろ。」

    つい、と煽る様にマスターの顎を持ち上げると、こちらを睨んで乱暴に唇が重なった。ったく、この乱暴者が。
    起きていた身体が押し倒されて、枕に押し付けられるように口付けされる、舌がゆっくりと上顎をなぞって、偶に僕の舌と絡み合う。まだ慣れていないからだろうか、官能を誘う動きとは随分掛け離れているけれど、擽ったくてまぁまぁ気持ちいいかもしれない。
    まぁ……全然エロい気分にはならないんだが。

    「ん、はぁっ、……気持ちいい?」
    「うーん、全然ダメだな。」
    「ぐっ……そうか。」

    躍起になっているのか、悔しそうにしているのが可笑しくて笑ってしまう。軽く頭を撫でてやって、もうそろそろ頃合いだろうな、と思った。
    僕の上で息を絶え絶えで、涙目になってぐったりしているマスターの額に軽くキスをした。

    「ま、これでキスは十分だろ。」
    「……したが、びりびりする、ボーっとする、」
    「ははっ、それが気持ちいいって事。」
    「どう考えても、酸欠、だろ……。」

    息を整えながらマスターは身体を起こそうとする、チラッと見えた白い首筋が綺麗で、思わず顔を近づけた。ちゅ、と可愛らしい音が鳴った瞬間キツく肌を吸ってやった。

    「いっ……!?」
    「ん……はっ、痕ついた♪」
    「あ、あと?」
    「そう、僕のものって痕。」

    赤い痣がシャツの間から見えるのが扇情的で堪らない。何度かキスをして、時々歯を立てたりして、その度にマスターが身体を震わせるのが面白かった。
    満足するまで付けると、マスターは付けられた痕を見て不可解そうな顔をしてから、立ち上がった。

    「こんな事で良いのか?」
    「……。」
    「これで、お前の欲は満たされるのか?」

    至極真っ当な質問だ。色事の初歩中の初歩、それでもとりあえず気持ち的には満足している。無垢な子どもに初めて色を付ける感覚に似ている様な気がして征服欲みたいなものは満たされた。

    「んだよ、辞めたくなったなら辞めても良いけど?」
    「……。」

    マスターは即答しなかった。
    くるりとこちらを振り返って、ベッドに座る僕を見つめてから……

    「また来るよ、お前が望んだ時に。」

    それだけ言い残して、部屋から出ていった。
    見届けてから僕もベッドに横になる、身体の力を抜いて目を閉じると、まだ2人分の温もりが残っているのが感じられる。

    「ビビってソッコー辞めると思ったのに。」

    クソ真面目な優等生なのに、変なやつ。

    「まぁ、良いけど。」

    ちょっとした事で真っ赤になるのも面白かったし、教えた事はちゃんと覚えられそうだし、そうしたら僕も気持ちいいし、いい事しかない。なんだっけそういうの、オナペットとでも言うんだったか?
    思わず鼻歌が漏れそうになるくらい気分を良くして、そのまま眠りについた。
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