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    scenaria0420

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    scenaria0420

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    第四話:イヤホン第四話:イヤホン

    類「………おかしい」
    司「何がだ」
    類「ショーに使う曲を一緒に聞こうって言ってくれたのは司くんの方なのに‼……それなのにこんな仕打ちはないよ‼」
    司「だから一緒に聞こうとイヤホンを片方差し出してるではないか‼」
    類「こういうお誘いをしたとき使うのは大抵有線のイヤホンだろ⁉『右側に座ってるのに右側のイヤホン渡しちゃった~』『だったらイヤホンが外れないようにもっと身体をくっつけなきゃだね~』『顔が近すぎて恥ずかしいな(テレッ)』がお約束の展開のはずなのに‼……それなのに……それなのにBluetoothのイヤホンなんてあんまりじゃないか‼‼」
    司「どこの世界のお約束だ。そしてなに時空の大抵なんだ。……いい加減ショーの話を進めたいからそろそろイヤホンを受け取ってくれないか?」
    類「いーや、ここで負けたら一生司くんとイヤホンでイチャイチャ出来なくなるからね、僕は一歩も引かないよ‼折れるつもりもないからね‼」
    司「………一話目のお前はどこに行ったんだ…………。オレを好きな素振りすら見せなかったじゃないか。オレは今お前の持っている消しゴムを見るのが怖いぞ………」
    類「一話目の僕は猫を被っていたのさ。流石に一話目で読者を失うわけにはいかないからね‼」
    司「いまこの話を読んだ時点で読者は全員離れていったと思うけどな。このTwitter世界に何人神小説家がいると思っているんだ。こんな駄作に時間を割いているのがもったいないくらいだぞ。………というか、本当に腕が疲れてきたんだが?聞くのか聞かないのかはっきりしてくれ」
    類「むー………司くんに抱き着きながら聞いていいならBluetoothごときでも妥協してあげるよ」
    司「だから多方面に喧嘩を売るな。そしてBluetoothイヤホン製造会社に謝れ。便利だろ、無線イヤホン」
    類「その便利さが今は憎たらしい……」
    司「そこまで言うか………。しかし、この無線イヤホンはどういう原理なんだ?」
    類「簡単に言えば、極超短波ってものを使ってチップが内蔵されてるデバイス同士を協調させてるんだよ」
    司「極超短波………?」
    類「今現在僕たちを隔てる見えない壁のことだね」
    司「いや、絶対そんなんじゃないだろう。もっと、こう………上手く言えないがすごいものなんだろ?」
    類「確かに凄いけど、司くんとイチャイチャする機会を奪った罪は重い」
    司「あー‼もう、分かった‼あとでちゃんと有線のイヤホンでも聞いてやるから、今はこれで勘弁してくれ‼」
    類「………抱き着いても良いの?」
    司「ああ、仕方がないからな」
    類「やったー‼」
    司「…………なんだかより多くイチャイチャ?する機会を与えてしまっているのは気のせいだろうか………」
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    scenaria0420

    DONEI/bパロディ小説(2)
    注意書きは前回を参照してください。
    I/bパロディ(2)例えるなら、プールで泳いでいるとき唐突に足がつってしまったかのような……或いは、海を漂っているとき徐に浮輪を取られてしまったかのような……そんな息苦しく、浮遊感に対する恐怖と目の前に広がった暗晦たる風景の絶望………。上へと手を伸ばし、藻掻き、何とか地上へ戻ろうとしてもズシリと重たい絵の具のような水はツカサを下へ下へと引きずり込む。ゴポリッと必死に呼吸をする度に、数個の泡が哀れに足掻きそれでも沈みゆく自分を嘲笑うかのように水面へと上って行った。
    (………何とかこの深海の中から抜けなければ………そろそろ息が続かなくなってしまう……!)
     すり抜けていく数多の魚(魚……と形容してもいいものか微妙な謎の生物も多々いるのだけれど)を横目に、ツカサは必死に手足を動かす。傍から見ればそれは随分と滑稽に映ったことだろう。……しかしながら、絶体絶命な状況に遭遇してしまったときこそ諦めず行動し続ければ案外道は開けるものだ。乱雑に動かしていた足に、何か当たる感覚が脳に伝わってくる。その感覚を頼りにそのまま足を進めて行けば、足に当たった何かは下へと続いているようだった。
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