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    scenaria0420

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    第三話:物語第三話:物語

    類「日本最古の物語は竹取物語と言われているけれど、では司くん、世界最古の物語文学は何だか知っているかい?」
    司「それくらい知っているぞ。ギルガメシュ叙事詩、だろ?」
    類「正解、古代メソポタミアの王、ギルガメシュを巡る物語。これが現在発見されてるなかで最古の文学作品だといわれているよ」
    司「紀元前に作られた作品が今でも残っているのは、考えると凄いことだな………」
    類「歴史物をひも解いていく、というのは面白いよ。まさか、藤原道綱母も夫の悪口をたくさん書かれた作品が後世まで残っていて、教科書にすら載っている………なんて思いもしないだろうね」
    司「思いもよらないものが歴史に残ってしまう、というのは、現実世界でもネット世界でも然程変わりがないということだな。もしかしたら、数百年後には類の発明も歴史物として残ってるかもしれないな!」
    類「獅子舞ロボとか残されても困ると思うけど………ふむ、なるほど」
    司「ん?どうかしたのか?」
    類「今、僕が使える技術の全てを使って、僕と司くんの愛の物語を書いたら後世まで残るのでは‼って思ってね」
    司「いや、良いコト思いついた!みたいな顔で言われても………オレとお前は付き合ってすらいないだろう」
    類「え?」
    司「ん?」
    類「…………なるほど、つまり出会い編から書け、ってことだね‼長編を望むなんて、司くんも僕のことが好きだね~」
    司「全然なるほど、ではないな。いま、この話を読んでくれてる人全員クエスチョンマークを浮かべてるぞ。さっきまで真面目に物語文学について語っていた人間と同一人物なのか。前話ではないが、類のドッペルゲンガーではないよな?」
    類「同一人物だよ。キミが大好きな神代類だよー」
    司「オレのことが大好きな、の間違いだろう。残すなよ、そんなものを後世に」
    類「なぜ⁉」
    司「獅子舞ロボよりも残されて困るだろう、後世の人間が。オレとお前の愛が綴られた物語で一体何を学ぶというんだ」
    類「…………恋人とのイチャつき方?」
    司「学ばないでいい、そんなこと、そんなもので」
    類「じゃあ、何なら残していいというんだい!キミとの愛の結晶を‼」
    司「そりゃもう、オレの完璧なスター人生についてだな‼」
    類「キミの自分に対する好き具合の百分の一だけでいいから僕に向けて欲しいかな」
    司「百分の一……常にオレが輝いて見えるレベルだな‼」
    類「今でも十分輝いてるよ」
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    scenaria0420

    DONEI/bパロディ小説(2)
    注意書きは前回を参照してください。
    I/bパロディ(2)例えるなら、プールで泳いでいるとき唐突に足がつってしまったかのような……或いは、海を漂っているとき徐に浮輪を取られてしまったかのような……そんな息苦しく、浮遊感に対する恐怖と目の前に広がった暗晦たる風景の絶望………。上へと手を伸ばし、藻掻き、何とか地上へ戻ろうとしてもズシリと重たい絵の具のような水はツカサを下へ下へと引きずり込む。ゴポリッと必死に呼吸をする度に、数個の泡が哀れに足掻きそれでも沈みゆく自分を嘲笑うかのように水面へと上って行った。
    (………何とかこの深海の中から抜けなければ………そろそろ息が続かなくなってしまう……!)
     すり抜けていく数多の魚(魚……と形容してもいいものか微妙な謎の生物も多々いるのだけれど)を横目に、ツカサは必死に手足を動かす。傍から見ればそれは随分と滑稽に映ったことだろう。……しかしながら、絶体絶命な状況に遭遇してしまったときこそ諦めず行動し続ければ案外道は開けるものだ。乱雑に動かしていた足に、何か当たる感覚が脳に伝わってくる。その感覚を頼りにそのまま足を進めて行けば、足に当たった何かは下へと続いているようだった。
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