第二話:怪談第二話:怪談
司「お化けが苦手といいながら、二話目に持ってくるのが怪談の話題なのか?」
類「怪奇現象を馬鹿にするわけじゃないし、幽霊の存在を否定するつもりはないけれど、大抵の現象は科学で説明出来てしまうよ。一回落ち着いて考えてみれば、案外簡単な理由だったりするからね」
司「オレはあまり勉強が得意ではないからその辺は分からんが…………そうなのか?」
類「それでもお化けが苦手な人は、お化けに出会ったら捕まえて売り飛ばす、もしくはテレビ局に連れて行ってひと儲けする、って考えているとちょっとは平気になるよ。……もしかしたら、よりお化けに会いたくなるかもしれないねぇ‼」
司「なんか嫌だな、そのお化け克服方法…………」
類「そういえば、神山高校にも怪談とかあるのかい?僕は転入したばかりだから詳しくは知らないのだけれど」
司「まあ………人並には?」
類「怪談に人並とかないんじゃない?」
司「そもそも、もう『人』ですらないからな」
類「……それで、この学校にはどんな怪談……神高七不思議があるんだい?」
司「といっても、階段が増えたり、音楽家たちの顔が動いたり、人体模型が追いかけきたりと……ありきたりなものばかりだな」
類「まあ、ありきたりだね」
司「ああ、最近屋上に謎の飛行物体が現れた、という怪談は聞いたな」
類「ほう!」
司「なんでも、その謎の飛行物体に飲み込まれてしまうと、自分そっくりのコピーを作りだされ、入れ替わられてしまうらしい!」
類「ドッペルゲンガー、というやつかな?」
司「実際に一年生の女子生徒が巻き込まれてしまったらしくてな………その生徒はしばらく屋上に近寄れなくなってしまったそうだ」
類「おや、それは恐ろしいね」
司「オレたちは屋上で作業することが多いから、気を付けた方がいいかもしれないな………。べ、別に怖いわけじゃないぞ‼」
類「用心することに越したことはないからね。いいことだと思うよ。………しかし、ずっと屋上にいる僕たちでも見たことがない謎の飛行物体………ちょっと気になるね」
司「………確かに、少しだけ気になるな」
類「そうだ‼おおよそ、その女子生徒が飛行物体を見た日付にこの前発明したタイムマシンを使って行ってみようカ‼そうすれば僕たちも観測できるかもしれない‼」
司「それはいい考えだな‼類‼」
類「そうと決まれば、今日のお昼休みさっそく実行してみようじゃないか‼」
杏「ハッ⁉また神代先輩たちが変なことをする気配‼………先輩‼変なことしないでくださーい‼」