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    scenaria0420

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    scenaria0420

    DONEI/bパロディ小説(2)
    注意書きは前回を参照してください。
    I/bパロディ(2)例えるなら、プールで泳いでいるとき唐突に足がつってしまったかのような……或いは、海を漂っているとき徐に浮輪を取られてしまったかのような……そんな息苦しく、浮遊感に対する恐怖と目の前に広がった暗晦たる風景の絶望………。上へと手を伸ばし、藻掻き、何とか地上へ戻ろうとしてもズシリと重たい絵の具のような水はツカサを下へ下へと引きずり込む。ゴポリッと必死に呼吸をする度に、数個の泡が哀れに足掻きそれでも沈みゆく自分を嘲笑うかのように水面へと上って行った。
    (………何とかこの深海の中から抜けなければ………そろそろ息が続かなくなってしまう……!)
     すり抜けていく数多の魚(魚……と形容してもいいものか微妙な謎の生物も多々いるのだけれど)を横目に、ツカサは必死に手足を動かす。傍から見ればそれは随分と滑稽に映ったことだろう。……しかしながら、絶体絶命な状況に遭遇してしまったときこそ諦めず行動し続ければ案外道は開けるものだ。乱雑に動かしていた足に、何か当たる感覚が脳に伝わってくる。その感覚を頼りにそのまま足を進めて行けば、足に当たった何かは下へと続いているようだった。
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    水月 千尋

    DOODLE参謀🎈×将校🌟。(モブ参前提)
    単話調にタイトルついてますが、実質4話目。

    まだ完結してませんが、以降の話は作成中。


    ========


    【前話】
    →https://poipiku.com/599411/10134333.html
    【すれちがいの午後】
     暖かな陽気。穏やかな風に、やわらかい日射し──。前日の肌寒さが嘘のように、今日は朝から春めいた良い天気だった。屋敷前の木々へ羽を休めに来たらしい小鳥のさえずりも、心なしか賑やかだ。
     そんな変化は窓の外だけにとどまらない。普段は日当たりが良いとはいえないこの執務室にも陽光が射し込んできていた。ささやかな恩恵程度ではあるが、窓際に飾った一輪挿しの花瓶越しの光が今座っている机の所まで届くのは初めて見る。もう少し暖かくなってきたらこの部屋のまた違う一面を見られるのかもしれないと思うと、それはそれで楽しみだ。
     一方で、机の端に積んだ要望書の量は昨日や一昨日と何ら変化はなかった。放置しているのではない。処理出来た分と同じくらいの枚数が翌朝に届く為、一向に減っていかないのだ。作業自体は一枚一枚に目を通して可否のサインをしていくだけではあるものの、その可否を決めるのに手間取る案件も当然混在していて気も抜けない。
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    のくたの諸々倉庫

    MOURNINGその手を取るために必要なこと/類司
    前に書いてたものその1です。支部に上げる予定は今のところないのでここに。
     好きだ、と。
     震える声で告げた瞬間、類は大きく目を見開いた。
    「……君が、僕のことを?」
     小さく頷く。屋上は夕暮れの色に染まり、風も冷たくなり始めている。きっと今大声で歌ったら、遠くまで響くのだろうな──と。玉砕覚悟の告白故か、オレの思考はいつも以上に平静なもので。
     けれど見つめた類の表情は、案の定明るいものではない。まあそうだよな、というか告白なんかした時点で冷静じゃなかったか、などと頭を抱えかけたとき。
    「やり直し」
    「……は?」
     心の底から、意味が分からなかった。
     こいつの思考回路を理解できないのはいつものことだが、まさか告白の返事より先にダメ出しをくらうとは。けれどそんなオレをよそに、口元に手を当てて考え込んだ類はただ、「もう一度、言ってみせてよ」と。
    「なん、でだ」
    「そうだね、うまく伝わらなかった……というのが主な理由かな。思わずその対象を、僕かと訊いてしまうほどには」
    「ばっ……今ここにいるのは、オレとお前だけだろうが……!」
    「分からないよ、僕の頭上をカラスが飛んでいたくらいだ。それにこう見えて僕は臆病でね、君の『好き』と僕の『好き』が食い違っていたらと思う 2116

    のくたの諸々倉庫

    MOURNING色々/類司
    前に書いていたものその2(と言いつつ3つあります)
    ・お題:香水

     ……ああ、またか。
     周りにはバレないようにため息をついた。司くんの纏う香りが、いつも違うことをなんとなく嫌だと思い始めたのは、きっと僕達が付き合い始めたからだろう。とはいえ彼の周りに、匂いがうつるほどの香水をつけている人なんていないし──飛ばしたドローンが浮気現場なんてものをとらえたこともない。
     ああでも、彼には妹さんがいたんだっけ。なら彼女がつけているそれの香りだろうか、と。抱きしめた彼の肩に顔を埋めていれば、くすぐったそうに彼は笑う。
    「どうしたんだ、類」
    「君はいつも、違う香りをさせているね」
    「ああ、それは役作りのためだ」
     ……ん?
     予想外の返答に思わず顔を上げれば、ふふんと自慢げな顔で胸を張っている。よくぞ違いに気付いたな、と取り出された小瓶には、今度のショーで彼が演じる役のラベルが貼ってあった。
    「毎回こうして、演じる役に似合う香水をつけているんだ。もちろん妹の協力も得ている上、客席には届かない、というのは承知しているが」
     そこで一度言葉を切り、彼は微笑む。
    「いつも隣にいるお前には、どのようなオレにもときめいていてもらいたいからな!」


    ・お 1218