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    きゃな

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    きゃな

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    イチ松 キスの日に書いた話
    一之倉と付き合っている事を夢心地のように思う松本は可愛いよね

    2023.05.23

    #イチ松

    イチ松 キスの日「イチノ……んっ」
    「……ッ!!」

     俺は我慢の男、一之倉聡……目の前のキス顔で待つ松本からの誘惑に勝てるのか……!?頭の中で突如ナレーションが始まるほど驚いていると、何も行動をしない俺にヤキモキしてか、松本が口を開いた。

    「きす、してくれないのか?」
    「えっ、どっ…ゴホンっ……どうしたんだよ急に?」

     いつもは俺からするのに、珍しく松本からキスを強請られ驚いた。思わず吃ったことを紛らわすように、ゴホンと咳払いをしながら反応を伺うと、キリッとしている眉が垂れ下がり、不安そうな眼差しをしていることに気づいた。

    「松本、どうした?」
    「……」
    「……話せない?」

     座っている松本に目線を合わせるため、腰を屈めて優しく問いかける。それでも、不安そうな目でこちらを見るので、首を傾げ問いかけを続けた。

    「今日、何か不安になる事あったか?」
    「……今日、」
    「うん」
    「練習を見に来ていた女子が、イチノの事、格好良いって言ってて……」
    「うん」
    「そうだろ!格好良いだろ!って思ってたんだけど……」
    「うん」
    「そんな格好良いイチノが俺と付き合ってるのは間違いじゃないか……夢じゃないかって不安になって」
    「……うん」
    「イチノとキスしたら、夢じゃないって信じられるかな……って思って。ごめん、何言ってるんだろ俺……」
    「……そっか〜〜」

     照れた顔を手で隠す、この可愛い恋人をどうしてくれよう。内心悶えながら、手始めに隠している顔を出させて、ちゅっと音を鳴らし触れるだけのキスをする。

    「で、どう?」
    「え?」
    「夢じゃないって分かった?」
    「……もっと、してくれないと分からない」
    「仰せのままに」

     可愛い我儘を言う恋人の不安を吹き飛ばすような、熱く貪るようなキスをしてやろう…と心に決め、薄く開いた唇に齧り付くのだった。


    がぶり
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