くお+なぎ 幕勝ちif(他は全員死んでる)
「好きなんでしょう? 僕のこと」
血を分けた双子の兄に投げつける言葉としては随分と生々しい言葉だった。言われた側はと言えば死刑を宣告されたかのように絶望的な表情を浮かべて僕を見上げる。
最終裁判、その後。誰も僕を追及することもなく、ペナルティとしてその命を散らすことになったクラスメイト達を弔いながら最後に残ったひとつの命に目を向けた。左右で異なる配色の、同じ目の色をした実兄はいつもは閉じた瞳を見開いてどうしてそんな、と言いたげに口を薄らと開けている。
「実は僕、人に向けられる感情が分かるんだ。さっきそこで僕のかわりに死んだ内通者はね、僕が居なきゃダメなんだって。依存するのは煙草だけじゃ無かったみたいだね。でも兄さんは他の誰とも違う味がする。全然ぴんと来なかったんだけど、これが恋愛? ってやつなんだ。教えてくれてありがとう」
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