生きるのが辛いだなんて思う日が来るとは昔は思いもしなかった。いつか人並みの恋愛をして、一人か二人の種を残して朽ちていくのだと勝手に思っていた。だけれど同性愛には拒否感は無く、好きな人がいつか出来て好きな人に好かれたいなと夢見がちに思っていた。
今思うとまるで女児のようにロマンティストな話ではあるが。
高校に入学して五ヶ月が経過した頃であろうか、多少顔見知りの最上級生に告白された。年上の、まさか男性に告白されるだなんて考えたこともなかったが、こんな僕なんかに告白する程好いてくれたのだと思うと僕も応えなければいけないような気がして少しの迷いの後に首を縦に振ったのを覚えている。
それから何度か放課後に出会いを重ねて、一人暮らしの家なんかにお邪魔したりして、それで──段々と彼の事を好意的に思うようになったのだと思う。それが恋か愛かは結論づけられなかったが、キスとかそれ以上の関係を拒まなかったぐらいには。だけれどまた二ヶ月程関係を続けてからだろうか、じんわりと彼の態度がおかしくなっていった。
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