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    keram00s_05

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    (3/5)2人が大人になってから出会って、最初だけさん付けで呼び合うの見て~採血して~って思いながら書いたバイクショップ店員×看護師の朱玄です。書き足しながらなのでちゃんとまとまってなくて申し訳ないです。「##採血」でまとめます

    #朱玄
    zhuXuan
    ##採血

    一年も待てないから待ち合わせの駅に着いた俺は時計を確認する。人と待ち合わせするときは集合時間より早く着くようにしているが、今日はより早く着いてしまった。往来の邪魔にならないようにロータリーの樹を囲う柵に軽く体重を預けて本を広げる。

    …全然内容が入ってこない。
    絶対に実る訳がないと諦めかけていた片想いの相手と飲みに行けるとはいえど、これではまるで初めてデートするガキのようだ。会いたいのに逃げ出したくて、ソワソワしてしまう。
    いつも会うときは検査着かバイクショップの店名が入った制服代わりのツナギ姿のどちらかだから彼の私服を見るのは初めてだ。どんな私服を着ているのだろうと思いかけて、そもそも今日の自分の格好は浮いてないだろうかと気になり始める。新しく買ったジャケットを着てきたがあくまでも友人と遊びに行くだけと言えるような服装にしたつもりだ。
    確かに飲みに行こうと誘って誘われたが、彼が自分をどう思っているか確認してはいないからだ。これで自分が勝手に恋慕しているのがバレて引かれたらひとたまりもない。
    それに、ゲイである自分と違い彼がそうなのか、そうでないかなど怖くて聞ける訳がない。こうして友人になれそうな機会が来ただけで万々歳だ。
    そう思いつつ、指輪は外した方が良いなと思ってしまう自分に苦笑する。

    「玄武さん!」

    元気の良い声で名前を呼ばれたので、気持ちの準備が出来てもいないが彼を探す。人混みから彼が歩いてやって来た。

    「待たせちゃいましたか?」

    そう言いつつニッと笑う彼に俺は心臓が破裂しそうになる。
    格好良い。元々好みの容姿だからという理由があるが、それでもTシャツにジーパン、海外スポーツブランドのウィンドブレーカーというシンプルな私服の彼は一段と格好良い。

    「いや、全然。じゃあ、行きましょうか」

    自分に明鏡止水だと言い聞かせて心を落ち着かせ、全く読んでいない本をようやく鞄の中にしまった。

    彼が予約してくれた店は程よく繁華街から外れており、店内も落ち着いた雰囲気だった。彼が言うには店の付き合いで一度来ただけらしいが、俺と飲みに行くためにこんな雰囲気の良い店を思い出してくれたのかと思うと嬉しかった。

    「朱雀さんは何飲みますか?」

    お品書きを開いて向かい席に座る彼にも見えやすいように横に向ける。採血の時でも向かい合ってはいたが、やはりプライベートで会っていると思うと少し正面を見辛いものだ。

    「俺は、生で…。あ、玄武さん、明日も仕事ですか?」

    俺が仕事かもしれないと思い気を遣ってくれたことにくすぐったい。

    「いや、明日も休みなんで大丈夫です。俺もビール飲むつもりだったから、生2つとりあえず頼んでおきましょうか」

    俺がそういうと安心した表情になり、彼はよく通る声で店員を呼んで注文してくれた。すぐに運ばれてきた生ビールのジョッキを軽く合わせ乾杯すると、彼は一気にジョッキの半分ほど飲み干してしまった。いつもだったら癖で大量に飲むのは危ないとお節介なことを思ってしまうのだが、あまりにその飲みっぷりが良かったのと、上下する喉仏が男らしくて俺はうっとりしてその様子を見ているだけだ。
    なんて男らしい色気に溢れているのだろうか。
    笑うと見える犬歯もハッキリとした眉毛も太い首も、隆起する胸囲もしっかりとした腰回りも彼の全てが男らしい。身体を構成するパーツは男らしいのに目はいつもキラキラとしていて活発な少年のそれそのものだから相手に不用意な威圧感を与えることはない。むしろ、その目に見つめられて男らしい大きな手で身体に触れられたら誰だって虜になってしまうだろう。
    彼に触れて触れられたいというやましい思いを表したようなため息をついてしまい、我に返った俺は彼に怪しまれないようにビールを一口飲んだ。落ち着いたおかげで料理が来るまでの間何を話そうかとそんな今更なことをやっと思い出した。
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    keram00s_05

    DONE「神秘のAquarium」ガシャで突如として生まれた人魚野くん(頭領)に狂った末に出来上がったもの。ショタ貴族×人魚野くんという派生朱玄。
    愛と海の境界線あの日、俺は海の中に水面を明るく照らす陽の光が落ちてきたのだと思った。


    オレの誕生日になると親父は全国各地の商人を集めて、誕生日プレゼントを持ってこさせ、オレがその場で一番気に入ったものを買ってくれる。今年はオレが10歳だからか、例年になく豪勢だった。可愛くて珍しい動物に始まり、色とりどりの宝石、見たことも着方も分からない洋服、そして、綺麗な女性たち。
    椅子に座ったオレの目の前で商人達はこれはどうだと意気込んで、商品を差し出してくる。オレは膝の上にいる親友のにゃことああでもないこうでもない、これはどうか、あっちの方が好きかと話し合っていた。
    にゃこは偉大な海賊が残した宝の地図か、未知の技術が記録されている金属の円盤が良いのではないかと言うが、オレは正直どちらもとても欲しいとまではいかなかった。というよりも、どんなに珍しい物であろうと毎年毎年たくさん見せられると目新しさが無くなって飽きてしまう。現に去年は「これで良いかな」という気持ちでプレゼントをもらった。
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